社会学部
 滋賀医科大学と龍谷大学は、2002年4月から「学術研究・教育交流協定」の締結を目指し、昨年度の4月より懇談を重ねている。

 これは、滋賀医科大学の医学科、看護学科と、龍谷大学社会学部地域福祉学科、臨床福祉学科が中心となり、医療・保健・看護・福祉サービスの領域で学際的研究や教育さらに社会貢献への活動計画の具体化を目指したものである。そして、両大学の教員や学生による研究や教育の相互交流とともに、さらに滋賀県の参加と支援を得て、「くらし安心県」に相応しい学際的な実践活動を県下で推進しようとしている。

 この計画は、滋賀県知事と両大学の学長とが懇談の機会をもったのが発端。大学の固有な知的資源を活用して研究と教育の共同推進と、地域に根ざした開拓的・先駆的な医療・保健・看護・福祉サービスの統合的展開を、との遠大な願いからである。

(写真・滋賀医科大学との懇談会(龍谷大学で)。
国際文化学部
  国際文化学部は、2002年4月から新カリキュラム、「Professional English Course(PEC)」を開講する。

 このコースは、原則として、4年間すべての講義を英語で行ない、英語を使用する職場で十分に働ける英語の能力と文化に関する知識を習得することを目的として設置するもので、コースの学生数は20名。入学後、希望者の中から選考する。

 PEC生は、3年生前期に、英語圏への留学と英語による卒業論文の作成が義務づけられている。また、定期的にTOEICとTOEFLの試験を受験し、2年度以降もPECを継続するためには、TOEFL試験で500点以上を取得しなければならないなど、受講に対し一定レベルの水準を設けている。

 このコースを履修した学生は、文化・ビジネス・学術・行政の全ての分野における英語コミュニケーション能力(ヒアリング・スピーキング・リーディング・ライティング)で上級レベルに達し、将来、外務省等の行政機関、国際機関、教育機関、観光業、通訳・翻訳業、国際的(外資)企業等で活躍できる人材となることを目指す。英語教員免許状を取得することもできる。

(写真・国際文化学部でパソコンを使っての英語の授業風景。)
短期大学部
 「仏教総合講義」の授業の一環で、仏教科の16名が、7月22日から10日間の日程でシルクロードのオアシス・敦煌の莫高窟、青海省アムド地方のクンブク寺、善導ゆかりの西安・香積寺を訪れた。

 これは、仏教を受容した諸民族とその時代を反映した仏教文化や、各種儀礼や修業の様子などを通して生のチベット仏教に触れることが狙い。

 チベット仏教の本山の一つに数えられるクンブク寺では、釈迦牟尼仏の転法輪と弥勒仏の出世を記念した盛大な法会が営まれており、チベット人僧とともにその法会に参加し、讃仏偈のお勤めを行なった。また彼らが問答をする輪に加わり、チベット式仏教の学び方も体験した。中国の大自然とそこに独特の文化を築き生活する人々の姿を目の当たりにした学生達は、「お経を唱えるのを目の前にして、考えさせられるものがあった。まだまだ形だけの僧侶でしかない私には、頭の下がる思いでした」、「海を越えた場所で、自分の中にあるチベット仏教の堅苦しいイメージが、今回の交流を機に柔らかいものになった」などの感想を寄せている。

(写真・クンブク寺での僧侶との交流場面。言葉の壁を越えて、日本から持参したお土産を手渡したり、記念撮影するなど、なごやかに僧たちと心をかよわせた。)
文学部
 文学部では2002年度より、「社会人特別コース」を新しく設置する。
これは23歳以上の入学志望者について、入学志望書と面接試験のみで入学許可を与えるもの。大学で勉強したかったと思っている人、もう一度大学に戻って学んでみたいと思っている人などの勉学意欲に応えるコースで、平日の6講時(18時25分〜19時55分)・7講時(20時05分〜21時35分)と土曜日だけの受講でも卒業できるカリキュラムになっている。また、一定の条件のもとで、1講時から5講時までの授業を受けることも可能。

 文学部の学問体系の中から多様に学びながら、個別指導的なゼミを中心として、それぞれの学科・専攻の学問を深め、卒業論文を作成する。
2002年度の入学試験日は、2月17日(日)で、出願期間は、1月21日(月)〜30日(水)。

 詳細はホームページ
http://www.let.ryukoku.ac.jp/)を参照するか、文学部教務課(TEL075-343-3317)まで資料請求を。


(写真・4年間、重要文化財に指定された大宮学舎で学べる。)
経済学部
 経済学部では、今年度後期より新たに、地域に密着したテーマについて、教室での講義とともに、地域の人々の協力を得ての、フィールドワークを積極的に活用する「プロジェクト型授業」の取り組みを始めた。

 そのひとつ「地域活性化プロジェクト―西本願寺門前町」は、井口富夫教授指導のもと、26人の産業経済コース所属の学生が、(1) 門前町の特徴の整理、(2) 参拝者へのアンケート、(3) 町並みに関する実態調査、(4) 門前町の生業に関する実態調査を行なうもの。

 とっかかりとして、10月中旬には、京都市下京区にある西本願寺で、消費者アンケート調査を実施した。アンケートは、観光客を中心とした国際化に対応できるよう、日本語・英語・韓国語・中国語で作成し、予想以上の回答協力を得た。今後、生業(生産・経営)に関する調査を行ない、生活(消費)とのシステマティックな関係を明らかにし、最終的には門前町の将来像に関して具体的な政策提言を行なっていこうと考えている。
 経済学部では、この授業を通じて、学生の立場から、地域が抱える問題、課題を明確にし、地域の今後を模索することによって「地方の時代」を担える中核的な人材が育つことを願っている。

(写真・西本願寺で実施したアンケート調査の風景。)
経営学部
 近年、『ベンチャービジネス』『アントレプレナー』といった言葉が普及し、また、経済産業省から大学発ベンチャーの育成策が提案され、制度や施策も整備されつつある中、経営学部では本年度後期から、起業家を目指す学生に向けた特殊講義「事業スタート・アップス」を開講した。

 この講義を担当するのは、京都市ベンチャービジネスクラブが実施する“京都ベンチャー大賞”受賞者の方々。事業アイデア、創業動機、スタート・アップまでに遭遇した諸問題、創業後の諸困難、その解決法、経営戦略と戦術、経営理念など経験に基づく実践的な内容を10人でチェーンレクチャーする。

 この講義をコーディネートしている北澤康男教授は、その狙いを「まず、学生とビジネスの世界との距離をできるだけ縮めたいということです。間近に創業者を見、その話を聞くことにより活字と映像から描いていたものとは一味違う創業という現実を実感してもらえると思います。さらに日頃受講している他の講義にも思いを巡らし、それが現実を理解する上でどのような意義をもっているかを再確認してもらいたい」と話す。

 本講義は起業意欲盛んな学生55名

(写真・11月16日(金)には6人目となる株式会社カーボテック(リサイクル活性炭及び製造システムの開発・製造・販売)石橋昇社長の講義が行われた。)
法学部
 法学部同窓会は設立30周年を迎え、11月11日(日)京都市内のホテルで記念講演会と祝賀会を開催した。

 記念講演会は「共生時代の創造 ―現代をどう生きるか―」をメインテーマとし、第1部で法学部客員教授である土井たか子衆議院議員・社民党党首が、「今、私たちにもとめられるもの」と題して講演した。第2部は、「共生社会へ 現場と大学からの提言」と題してパネルディスカッションを開催した。パネリストは、大阪弁護士会会長でもある水野武夫法学部教授、元逗子市長の富野暉一郎法学部教授、法学部同窓生の億智栄弁護士の3人。コーディネーターは川端正久法学部長。フロアーからも活発な発言があり、21世紀の社会を、平和と人権が尊重され、連携と共生の場とするために何ができるのか、いかなる役割を果たすべきかを共に考えるきっかけとなった。

 記念祝賀会には、法学部同窓生など約700人が参加した。

 祝賀会では、今年度の司法試験に合格した法学部同窓生の田村展靖さん(1995年3月法学部卒業。40ページの「人」短信欄参照)が紹介され、皆の祝福を受けた。

(写真・パネルディスカッションでは会場と活発な質疑応答が交わされた。)
理工学部
 理工学部では卒業生に対するアンケート調査を実施する。

 これは、大学で受けた教育が、現在、社会で活躍する卒業生にどのように役立っているかを調査して、教育意欲を喚起するカリキュラム改革等の教学改革や2003年度開設予定の新学科「環境ソリューション工学科」「情報メディア学科」のカリキュラムづくりに役立てるためのもの。

 質問内容は、企業や研究所等での現場実習を行なう「学外実習」の感想、講義や実験・実習科目の教育内容、また研究施設、設備などを中心に、社会人の視点から学部教育を振り返ってもらう。

 理工学部卒業生には、アンケートへの協力をお願いしたい。この調査をきっかけに、卒業生との情報交換も活発に行なっていきたいと考えている。

(写真・ハイテクリサーチセンター(HRC)にある実験機器。)