2004年開校をめざし準備中 市民のための法律家を養成『龍谷大学法科大学院』
シンポジウム「法科大学院生に求められる適正と学力」xを開催
シンポジウム イメージ写真
龍谷大学法科大学院シンポジウム「法科大学院生に求められる適性と学力」が、 今年1月、深草学舎で開かれ、熱のこもった質疑・論議が交わされた。


 来年4月、法曹(裁判官、検察官、弁護士)を養成する法科大学院、いわゆる日本版ロースクールが開校する。本学も、今年6月の認可申請に向け「市民のための法律家」の養成を教育理念とした法科大学院の設置準備をすすめている。

 その一環として、今年1月、深草学舎で、「法科大学院生に求められる適性と学力」のシンポジウムを開催した。これまで、教育者側からの法科大学院のあり方を巡っての講演会やシンポジウム、公開模擬授業などを行なってきて、今回、初めて、法科大学院で法曹を目指す人をテーマにした。今年9月には適性試験の実施が予想される中、熱のこもった質疑・議論が交わされた。

 開会のあいさつで、上山大峻学長は、龍谷大学の建学の精神にのっとっての法科大学院設置の意義を話し、法科大学院設置委員長の村井敏邦教授が「龍谷大学法科大学院の全体構想」を説明した。

 基調講演は、法科大学院設立・運営協力大阪センター委員長の豊川義明弁護士による「21世紀に望まれる法律家像と法曹養成」。続いて、日弁連法務研究財団LSAT研究会事務局長の山本昌平弁護士が「法科大学院適性試験(日本版LSAT)が求める『適性』」、伊藤塾の伊藤真塾長(龍谷大学客員教授)が「現行司法試験で試される『学力』」について、それぞれ報告を行なった。

 パネルディスカッションは、萩屋昌志法学部教授の司会で、元オムロン(株)の法務・知的財産権本部長、辻本勲男法学部教授、弁護士でもある寺田武彦法学部教授、元大阪高等裁判所判事で弁護士の藤原弘道法学部教授と、豊川弁護士、山本弁護士、伊藤塾長をコメンテーターに行なった。

 閉会のあいさつは脇田滋法学部長。長時間にもかかわらず、最後まで、緊張感を保った充実したシンポジウムだった。

【法科大学院】
 定員の3割以上は、法学部以外の出身者が占めることを条件付けるなど、新しい法曹養成を目指す。知識詰め込み型の受験勉強が強いられる司法試験ではなく、3年間(法学既修者は、1年間の短縮が可能)の教育内容を重視し、新司法試験で法曹資格を取得する。
 今年9月頃、全国共通の適性試験が行なわれ、各校ごとの入試は、来年2月頃の予定。2006年には、現行の司法試験と並行して、法科大学院修了者を対象にした新司法試験が実施される。2002年の司法試験合格者は1200人程度だが、順次増やしてゆき、2010年頃には新、現行両試験による合格者を3000人にする見込み。また、この年で、現行司法試験は廃止される。


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