RYUKOKU VIEW 深草学舎に新たな研究拠点『至心館』完成
 2002年度に文部科学省の私立大学学術研究高度化推進事業の採択をうけて設置された「人間・科学・宗教オープン・リサーチ・センター」と「矯正・保護研究センター」。その研究拠点となる至心館が6月19に竣工した。
※『至心』とは真実のこと。至心館は「真実を求め真実に生きる」という建学の精神に基づき、本学らしい特色ある研究を推進し、世界に発信していきたいという願いを込めて命名した。 写真1
矯正・保護研究センターBF・1F
 日本で初めての刑事政策に特化した研究所。本学は浄土真宗本願寺派を設立母体としており、明治初期から矯正・保護の分野において、教誨師や保護司等の育成に取り組んできた。このような歴史を踏まえ、1977年から「矯正・保護課程」を開講している。
 この実績を生かして、法律学のみならず、社会学、心理学、教育学、宗教学など、幅広い分野の研究者や実務家の協力を得て、共同研究活動や研究者の養成に取り組み、実践的な政策提言を行なう。
 館内には模擬法廷等を設置している。
写真2
矯正・保護研究センター竣工記念シンポジウムも開催
 6月28日、センター竣工記念シンポジウムを開催した。パネリストとして、日本の刑事政策学の先駆者として学界をリードしてきた所一彦氏(立教大学名誉教授)、本学の矯正・保護課程を発足当時より支えてきた繁田實造氏(本学名誉教授、弁護士)、非行少年の処遇現場で活躍してきた坂東知之氏(本学客員教授、元浪速少年院長)がセンターへの期待を語った。 写真3
人間・科学・宗教オープン・リサーチ・センター2F
 地球におけるあらゆる生命の尊厳をまもり、人としての心の持ち方を明らかにするために、伝統的な仏教思想に学び、本学創設以来の仏教研究の蓄積を生かして、仏教生命観に基づく人間科学の総合研究を行なう。 安らぎ、生命倫理、福祉、環境、国際平和、共生といった今日的課題に対して、グローバルに貢献できる研究成果を発信していく。
写真4研究展示館“パドマ”   写真5パドマシアタールーム   パドマ:汚泥の中から清らかに咲く紅蓮華(Padma)が原意。汚濁と寂しさに満ちたこの現代世界に、人々の苦しみの中から清らかな花が咲くように願って名付けた。訪れた人がいのちのかけがえのなさに気付いて、心の安らぎとつながりを育んでいけるよう願いがこめられている。
新たに「地域人材・公共政策開発システムオープン・リサーチ・センター」2003年度の私立大学高度化推進事業に採択!
 効果的な地域公共政策の展開のため、地域社会を支える幅広い人材を育成することが重要な課題となっている。本学における、国内外の自治体やNPOとの協力関係における実績、さらに法学・経済学両大学院研究科の共同運営コース「NPO・地方行政研究コース」を生かして、参加型・協働型の政策形成システムの創造や人材育成をめざす。
 今秋、本学での国際シンポジウムを開催する予定だ。
 平成8年度から創設された私立大学学術研究高度化推進事業は、現在、ハイテク・リサーチ・センター整備事業、学術フロンティア整備事業、オープン・リサーチ・センター整備事業、産学連携研究推進事業の4分野にまたがる。本学の採択数は、3分野で6つ。特に平成12年度以降の採択数が5つと著しい。今後の研究成果が期待される。
RYUKOKU VIEW 理工学部新学科開設!「記念フォーラム」を開催し、7号館を一般公開
 今年4月、理工学部に「情報メディア学科」と「環境ソリューション工学科」の2学科を開設。これを記念し、5月28日に理工学部開設記念フォーラムを開催した。第1部の記念講演会では、英国出身で、作家のC・W・ニコル氏が「人と自然の共生」をテーマに講演。学生や市民ら約350人が耳を傾けた。
 続いて開かれた第2部では、情報メディア学科の堂下修司教授と、環境ソリューション工学科の宗宮功教授によるショートレクチャーを開催し、研究の一端を披露した。
 同時に、7号館(新学科棟)の施設見学会を実施。多数の来場者があり、専用のデジタル映像機器とネットワーク配信システムによって、実際にメディアを発信できるスタジオ機能を持つ「メディア処理室」や、大規模なグロースチャンバー(植物成長制御実験装置)をはじめ、植物や魚類の試料分析や成長実験を行なうことができる「環境実験室」などに興味深く見入っていた。
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自然保護の大切さを呼びかけるニコル氏
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情報メディア学科・堂下教授
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環境ソリューション工学科・宗宮教授
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最新鋭の設備を誇る7号館
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メディア処理室
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環境実験室
レンタルラボから世界へ発信 産学連携で新製品が次々と誕生
 本学のレンタルラボに入居している企業が、理工学部教授陣やRECフェローの指導のもと、様々な商品を開発、大きな成果をあげている。
 株式会社広栄社(本社‥河内長野市)は、白樺を素材とする爪楊枝の先端を三角形に切削加工する生産装置を世界で初めて開発、さらに、大量生産にも成功。歯間ようじ「ドクターピック」と名付けて販売している。
 爪楊枝の先端を従来の円形から三角形にすることで、狭い歯間部を無理なく清掃、歯間乳頭へのマッサージ効果が血行を促進し、歯周病の予防にもなるという逸品だ。
 株式会社大木工藝(本社‥大津市)
では、耐光性に秀れ、融雪効果がある多機能瓦「エコ瓦」を開発した。阪神大震災以後、瓦の軽量化が重要な課題となっていたが、独自に開発した炭素を混入することで、既存瓦の最大40%までの軽量化に成功した。すでに数社との商談をすすめている。
 龍谷大学エクステンションセンター(通称‥REC)では、最新の研究成果や最新の実験機器を利用し、中小企業が抱える技術的な課題解決に対する提言・助言を行ない、今後も中小企業の技術革新をサポートしていく。
 
レンタルラボとは、1994年に本学が日本の各大学に先駆けて設置した企業向け貸し研究室のこと。企業にとって独自で設置できない実験設備が使用できるほか、本学の教員や研究者との交流や共同研究を通じて、ビジネスの可能性を広げることができると現在16企業が入居、商品化へ向けて研究を進めている。
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ビジネスプランコンテスト「プレゼン龍」いよいよスタート
 今回で3回目を迎える「プレゼン龍(ドラゴン)」が、さらに充実した内容で開催される。
 「プレゼン龍」とは、学生の起業精神を育成するため、ビジネスプランを募集し、そのプランをコンテストで競うというもの。
 そのプレイベントとして5月17日、ベンチャーマインドサポートセミナー「あなたもできる!?挑戦から始めるおもしろい人生」と題し、トークショーが開催された。
 セミナーは、2部構成。第1部では、NPO法人ドットジェイピー副理事長の佐藤大吾氏が、自らの体験談を披露。第2部では、本学の学生起業家や昨年度の「プレゼン龍」最優秀賞受賞者らを交え、「新しいことに挑戦するって楽しいの?しんどいの?」をテーマにトークが繰り広げられた。
 チャレンジ精神旺盛な学生約100人が参加。パネリストの話に質問が飛び交うなど、会場は熱気に包まれた。
 龍大生なら誰でも参加できるビジネスプランコンテスト「プレゼン龍」は、12月6日に開催される。
 詳細は、ホームページで。
http://rec.seta.ryukoku.ac.jp/presen/index.htm

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熱気に満ちたフリーディスカッション
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学生時代に3つの会社を起こした経験を語る佐藤大吾氏
第二回産学官連携推進会議RECが展示ブースを出展 産学連携のさらなる強化を図る
 産学官連携の一層の強化・推進のため、「第二回産学官連携推進会議」(内閣府、日本経団連、日本学術会議主催)が6月7日、8日の両日、京都市の国立京都国際会館で開催され、技術の戦略的利用やベンチャー支援などをテーマに、講演や分科会が行なわれた。
 会場では、全国の大学や関連機関等118団体が取り組みをPRするブースを設置。本学からはRECが出展。理工学部の斉藤光徳、堤一義両教授の研究成果や取り組みを紹介し、企業関係者らに連携を呼び掛けた。
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自ら開発したロボットや、暗闇で光る照明用光ファイバーなどを紹介
世界各国の珍しい切手を公開「切手に見る宗教と世界」展を開催
 日本屈指の切手収集家として知られた大谷光照・西本願寺第23代門主(1911〜2002)の一周忌法要にあわせ、コレクションの一部を公開した「切手に見る宗教と世界」展が6月9日から21日まで、大宮学舎本館で開催された。
 小学校5年生の時から切手の収集を始め、270以上の国や地域にわたる約3万点以上の切手を収集。亡くなられる4カ月前に所蔵するコレクションすべてを本学に寄贈した。
 今回の展示は、世界各国の寺院や教会など、宗教関係の切手を中心に約400点を公開。コレクションのほんの一部だが、国情や文化が浮かび上がる。
 また、イギリスで発行された世界初の切手「ペニーブラック」や、世界一大きいハガキサイズの「マーシャル諸島政府創設記念切手」、日本最初の切手である「龍文切手」など、普段見ることができない貴重なものも多く並んだ。
 期間中は多くの人が訪れ、初めて見る珍しい図柄や、カラフルな色彩の切手に感嘆の声をあげていた。
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大谷光照前門主が本学に寄贈した切手コレクションの一部
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パンフレットを手に興味深く切手に見入る来館者
龍谷奨励賞に陸上選手の高岡寿成さん プロゴルファーの村田理恵さん
 龍谷大学校友会(会長‥太田信隆氏)は6月7日、京都ホテルオークラで龍谷賞贈呈式を行なった。
 校友会が、社会に貢献し、顕著な業績を上げた校友会員に対し、「龍谷賞」と「龍谷奨励賞」を贈っている。第14回を迎える今年は、残念ながら「龍谷賞」の受賞者はなかったが、高岡寿成さん(1993年経営学部卒)、村田理恵さん(1997年文学部卒)の2人が「龍谷奨励賞」を受賞した。
 高岡さんは、4年生の時、5000mで日本記録を樹立。2002年に開催されたシカゴマラソンでは世界歴代4位ともなる日本最高記録で3位入賞を果たすなど、数々の長距離競技種目で日本記録を樹立。世界を舞台に活躍する日本男子長距離界の最有力選手。
 村田さんは、大学のゴルフ部在籍時代に関西女子アマチュアゴルフ選手権で優勝。また、日本女子アマチュア選手権3位になるなど全国レベルの成績をあげ、卒業の翌年にはプロテストに合格。着実に技術を身につけた現在、トーナメントプロとして各地で活躍している。
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高岡寿成さん
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村田理恵さん
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