RECのツボ RECコミュニティカレッジ講座 「韓国語会話 レベル2」 担当講師:文学研究家 崔 孝先(チェ ヒョソン)

徹底した反復授業で日常会話を習得言葉とともに韓国文化も学べる

崔 孝先(チェ ヒュソン)   崔 孝先(チェ ヒュソン)

日本で、昨年から続いている“韓流”ブーム。ドラマや映画をきっかけに、隣国である韓国に関心を持ち、韓国語を学ぶ人たちも急増している。そんなブーム以前からRECで開講されているのが「韓国語会話」講座。講座は習得度に合わせて、レベル1からレベル8まで開かれているが、今回は、レベル2(全15回)の第14回の講義をたずねた。

言葉は“声にだすこと”で上達
 授業は講師の崔さんの「アンニョハセヨ」という挨拶でスタート。想像していたよりも速いペースで進む授業は、テキストの文章をもとに、受講生との会話の応酬で進められていく。「聞いているだけでは、語学は上達しません。言葉はどんどん声に出してしゃべることが大事。最初の授業はお通夜みたいだったんですが(笑)、今はご覧の通り、皆さん積極的に声を出してくれています」
 レベル2では、文法を押さえながら簡単な会話ができ、ハングル文字がスラスラ読めることに重点を置いている。進め方は、例文を声に出して徹底的に何度も繰り返す方法だ。例えば、「映画を見てからお酒を飲みに行きました」という文を崔さんについて全員で読んでいく。最初は小さな声だった受講生も、崔さんが明るく「ハイ、もう一度」とリズミカルに繰り返すに従って、声が大きくなっていくのがよく分かる。
 授業では、会話に出てくる単語にかかわる知識もさりげなく紹介される。例えば、日常生活でよく飲まれるお酒の種類など、韓国の食文化が分かるのも魅力だ。受講生側にも、崔さんの授業に負けない熱気が感じられる。
 「今年のクラスはレベルが高いんですよ。この講座は受け身ではついてこられません。復習をきちんとすることが必要です。その点、皆さんはとても積極的ですね」
 全15回の講座の最後の日には、レベル1からレベル8の全受講生による“成果発表会”も開かれる。
 「歌やスピーチなど何でもいいんですが、何か一つ韓国語で発表してもらいます。人前で話すことで自信もつくんですよ」
 受講生の一人、大塚のり子さん(55歳)は「先生は教え方が丁寧で上手ですね。私は映画が好きで、数年前に韓国映画『八月のクリスマス』を見て韓国に興味を持ちました。英語も長年勉強していたのですが、ある程度習得できたので次は韓国語も学んでみようと…」。実際に受講してみると、韓国語と日本語の共通点の多さに驚いたそうだ。「英語は語順も違いますし、話すときの発想が日本語と根本的に異なるのですが、韓国語は日本語と語順も一緒で、発想も似ていると思いましたね」

韓国の若者の礼儀正しさに感嘆
 大塚さんは昨年、韓国に出かけた。現地で感じたのは、町並みの美しさと若い人たちの礼儀正しさだったという。「歩いていると韓国の若者が私を追い越すときに必ず声をかけてから先に行くんです。そんな態度に好印象を持ちました」。年長者を重んじる儒教精神が根付く、韓国ならではのエピソードだ。
  将来は「先生と意志の疎通ができるようになりたい。韓国にショートステイもしてみたいですね」と夢もどんどん膨らんでいる様子。
  小林究実子さん(50歳)は、昨年社会現象にもなった韓国ドラマ『冬のソナタ』を見たのがきっかけで受講。「昨年3月にビデオを見て、ペ・ヨンジュンさんの韓国語を聞き、とてもきれいで優しい言葉だと思いました」。自宅でホームエステティックの仕事をされている小林さんの将来の夢は「しっかり会話をできるようになって、ぺ・ヨンジュンさんと韓国語で話すこと」とか。「私にとって韓国語は癒しと心の支えになっているんです。 だからぜひお会いして、直接『ありがとうございます』とお礼を言いたいですね」
  今年は、日韓国交正常化40周年という節目の年。今後、ますます両国の文化交流は活発になっていくはずだ。「韓国と日本は一番近い隣国です。同じアジアの国としてこれからは一つになっていくべきですね。過去にあった不幸な歴史は、歴史の流れの中では長いスパンで見ると一時期のことなのですが、それがあまりに近い過去であるため、わだかまりを抱いてしまう。でもそれではお互いに損です。いずれブームは収まると思いますが、ワールドカップに続いて韓流ブームが基盤になり、日本人の韓国人に対する印象がよくなって両国の関係がよい方向に進むと思います。また、そうしていかなければいけないと思いますね」

※語学講座は、ほかに英語(基本コース、子どもコース、ビジネス英語コースなど)、イタリア語、スペイン語、ドイツ語、中国語などさまざまな講座が開講されている。

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