龍谷 2005 No.60

Ryukoku view


学校法人龍谷大学が格付け〈AA−〉を取得
高い安定性と健全性 教育・研究の質も高く評価
格付け結果を公表する記者会見
格付け結果を公表する記者会見には、多くの報道関係者が集まった。(5月9日、深草学舎で)
 学校法人龍谷大学は、財務・信用度の分析・評価などを行なう「格付投資情報センター(R&I)」から「AA−(ダブルAマイナス)」(2005年4月22日付)の新規格付けを取得、財務に安定的という評価を得た。
 学校法人の格付は、主として長期的な財政の安定性・健全性が評価の対象。主な収入要素である学生納付金が安定的に確保でき、定員を満たしうる学生数を安定的に確保することが重要視されるため、受験生の大学への期待の高さ(ブランド力)を維持していくに足る質の高い教育・研究の実現が必要不可欠となる。
 本法人・大学(含短大)が取得した「AA−」は、21段階あるうちの上から4番目。企業では、日立製作所、旭化成、日清食品、ブリヂストンなどと並ぶ。財務面で「信用力は秘めて高く、優れた要素がある」ことが認められ、大学経営の安定性・健全性と教育・研究の質が高く評価された。
 この結果を受け、神子上惠群学長は「『長期的な視野に立った堅実な運営により、財務は良好である』『将来的な財務の安定性は高い』と評価を受けたことは喜ばしい限り。今後もこの評価に甘んじることなく、教育・研究の機能をさらに充実させ、全国的な知名度の向上に努めていきたい」と決意を新たに語った。



「アフラシア平和開発研究センター」が
平成17年度私立大学学術研究
高度化推進事業に採択
智光館(完成予想図)
アフラシア平和開発研究センターの拠点として建設が進む智光館(完成予想図)
 文部科学省が推進する私立大学学術研究高度化推進事業に「アフラシア平和開発研究センター」が採択され、今年4月から研究活動を始めている。
 このセンターでは、本学が持つ宗教文化研究の伝統や東南アジア―アフリカ地域研究の実績を生かし、紛争解決や秩序構築を目指すとともに、日本の将来を担う若手研究者の育成を行なうのが目的。今後5年をかけて研究活動を進めていく。
 近年のアジア・アフリカは、目覚ましい経済発展を続ける一方で、貧富の差や武力紛争などの解消は依然として問題であり続けている。このことについての対応は、経済学、政治学、国際関係論、地域研究において必ずしも総合的な研究・対応がなされてはおらず、また、日本が果たす役割も方向性を見いだせていない。
 センターでは今後、これらの問題を解決するため、特色ある国内外の研究機関とのネットワークを結ぶことを計画。来年3月には、ハーバード大学アジアセンターから講師を招き、中東戦争などをテーマに第1回の国際会議を本学で開く予定だ。
 センター長を務める長崎暢子・国際文化学部教授は「多角的な立場から紛争の解決法を議論していきたい」と意欲を語る。



さらに魅力あるキャンパスへ
深草キャンパスの大改修が始まる
完成予想図
ステージ
龍谷祭など学生の発表の場として活用。
芝生広場が学生らの心を癒す。
情報キヨスク
内部にカフェを備える学内情報の掲示スペース。
学外向けの情報も発信。
図書館前エントランスデッキ
学生同士や教職員とのコミュニケーションの場となる。

改修工事の状況はホームページ
(www.ryukoku.ac.jp/shukei/)で。
 1960年開設の深草キャンパス。以来45年の間、次々と新しい建物が出現しては消え、現在はレンガ色で統一された、美しいキャンパスが姿を見せる。
 そのレンガ色の学舎に囲まれたオープンスペースを有効活用し、もっと学生や教職員が憩い集える場を提供しようと、2002年度から検討してきた深草キャンパスの修景計画がまとまり、8月から改修工事が始まった。
 この修景計画では、さまざまな学生イベントを演出するステージや情報キヨスクなどを設置し、芝生エリアを広げることで、明るく緑あふれるキャンパスを創造。また、太陽光発電の採用など環境への配慮を行ない、キャンパス内のバリアフリー化を実現していく。
 改修工事は、3号館前のステージから始まり、騒音・振動・危害防止など細心の注意を払いながら、順次エリアを広げていき、完成は来年10月の予定。



「愛・地球博」に
共同開発のデジタルアーカイブを出展
巨大涅槃仏像に圧倒される来館者たち
巨大涅槃仏像に圧倒される来館者たち
 本学仏教文化研究所の蓮池利隆研究員と本学古典籍デジタルアーカイブ研究センターの岡田至弘・理工学部教授は、タジキスタン国立考古博物館と共同で、巨大な大涅槃仏像を原寸大で復元、「愛・地球博」に出展した。
 中央アジア共同館内に横たわる大涅槃仏像は、全長約13メートル。約1300年前のアジナテパ遺跡から出土した中央アジア最大のこの仏像は、同地で仏教文化が存在していたことを証明する貴重な資料。訪れた人々はあまりの大きさに驚嘆の声を漏らしていた。
 また、大涅槃仏像の横には、同じく共同開発したタッチパネル形式の2台のディスプレイを設置。同博物館が所蔵品するうちから約1千点を初めてデジタル公開した。紀元前4世紀からの収蔵品などを写真付きで歴史的背景を説明する閲覧端末システム前には、日本にいながら貴重な所蔵品を見られるとあって、見学者が長蛇の列をなしていた。


お知らせ
龍谷大学が
まるごと1冊本になりました!

 日経BPムック「変革する大学」シリーズの『龍谷大学2005-2006版』が7月、発行されました。
 巻頭には、神子上惠群学長と本学客員教授の千玄室氏(茶道裏千家前家元)による対談 「時代は『相互理解』今こそ日本人の誇りを」を掲載。
 また、企業や社会とのコラボレーションで進める産学連携や地域貢献活動を事例を交えて紹介するなど、龍谷大学の最新の情報がこの1冊にぎっしり詰まっています。
 全国の書店で販売されていますので、ぜひお手にとってご覧ください。
『龍谷大学2005-2006年版』
『龍谷大学2005-2006年版』
日経BP企画/1200円(税込)


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