龍谷 2006 No.62

 


TOPICS/トピックス
短大が文部科学省「特色GP」「現代GP」に採択
大学院はますます拡充

 日常的に教学改革に取り組む龍谷大学。その成果としてこの度、短期大学部の教育活動が文部科学省の「特色GP」及び「現代GP」に採択された。また、大学院では、理工学研究科に新専攻を開設。さらに、法学研究科・経済学研究科・国際文化学研究科の3研究科合同による「アジア・アフリカ総合研究プログラム」を開設するなど新たな動きを見せている。
 今回は、龍谷大学のたゆまぬ教学改革の取り組みについて紹介する。

短期大学部「特色GP」「現代GP」の取り組み

■短期大学部「特色GP」「現代GP」の取り組み
特色GP採択
「体験型教育で学ぶ
『共に生きる地域づくり』」
 短期大学部では、学生一人ひとりが「私も地域の一員」としての自覚を高めるため、深草学舎の地元・砂川小学校区住民組織や砂川地域の高齢者の方々と交流し、地域課題に向けて協働する「砂川アクション」を展開してきた。また、地域に暮らす知的障がい者と大学で共に学ぶ「ふれあい大学」では、すべての人を認め合い、誰隔てなく包み込む地域の必要性を学ぶなど、常に体験型教育を重視してきた。
 今回採択されたプログラムは、これまでの実績や教育効果が認められた「砂川アクション」と「ふれあい大学」を相互に連関させ、「共に生きる地域づくり」に貢献する人材を育成することを目的に展開していく。

ポジショニング
文部科学省による教育改革支援「特色GP」・「現代GP」とは・・・
 特色GP「特色ある大学教育支援プログラム」は、教育の改善・充実の観点から、教育内容・方法等について特色ある優れた取り組みを選定し支援するものです。また現代GP「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」は、社会的要請の強い政策課題に対応した優れた取り組みを選定し支援するものです。本年度の採択結果は、特色GPが48件(申請数331件)、現代GPが112件(申請数565件)でした。

現代GP採択
「イメージ創生を中心としたキャリア教育」
 本プログラムは、卒業生が働く姿や就労現場などを題材にした視聴覚教材を活用し、入学後すぐにでも卒業後の進路について「イメージ創生」を図れるよう工夫している。
 視聴覚教材を活用したイメージ創生は、実社会での体験型学習(インターンシップ)の事前指導としても活用し、実社会と学生との接点を数多く持たせているのが特徴。また、専門家によるキャリア形成の相談体制も整えるなど卒業後支援にも力を入れている。
 入学前から卒業後までのキャリア支援を継続的かつ体系的に支援するこの取り組みは、今日における社会的要請に対して時代を担う優れた人材養成を推進するものであると認められ、今回の採用となった。

■飛躍する大学院
理工学研究科に新専攻を設置
 理工学研究科は2007年4月、「情報メディア学専攻」「環境ソリューション工学専攻」の修士課程を設置する。今後は「数理情報学専攻」「電子情報学専攻」「機械システム工学専攻」「物質化学専攻」に2専攻を加えた6専攻体制で教育・研究活動に取り組んでいく。
 「情報メディア学専攻」は、学術と社会的なニーズに応え、情報・メディア技術に関する科学・工学に立脚した専門技術者や研究者を養成するために、ソフトウエア科学、情報システム、メディア工学の3つの分野から総合的かつ高度な教育・研究を行なう。
 一方、環境ソリューション工学専攻においては、豊かな美しい自然環境の保全と継承、健全な水環境の創造と保全、資源循環利用社会の構築等を主な教育の柱とし、これらについてのフィールドワークを重視した実践的な教育・研究を行なっていく。

《新2専攻の概要》

情報メディア学専攻
定  員 20名/40名(入学定員/収容定員)
修業年限 2年
学  位 修士(工学)
環境ソリューション工学専攻 定  員 20名/40名(入学定員/収容定員)
修業年限 2年
学  位 修士(工学)
アジア・アフリカ総合研究プログラム
大学院共通プログラム
「アジア・アフリカ総合研究プログラム」を開設
 法学研究科・経済学研究科・国際文化学研究科の3つの研究科が横断的に運営する「アジア・アフリカ総合研究プログラム」が2007年4月からスタートする。このプログラムは、アジア・アフリカ地域研究を専門とする各研究科の教員らが大学院修士課程の共通プログラムにおいて、大学院生を指導するというもの。
 プログラムは、アジア・アフリカ地域に関する地域研究科目と専門分野の総合研究科目の二体系から構成される。アジア・アフリカ地域研究科目や専門分野(政治、経済、文化・社会)科目の履修により、地域研究と専門教育の修得が可能。プログラムでは、国家の関係からなる「国際」の視点と、人と人の関係からなる「民際」の視点、そして文化理解の視点から、現代世界とりわけアジア・アフリカ地域を多面的に捉える専門家の育成をめざしている。
 日本とアジア・アフリカの関係が急速に発展する国際情勢において、これらの地域研究に特化した教育プログラムを大学院修士課程として展開するのは、日本の私立大学の中で、本学が初めてとなる。


「イメージ創成を中心としたキャリ ア教育」のフローチャート

入学前

入学前におけるキャリア
及び
学習デザイン・イメージの創成

【方法】
入学志願者等に対し、視聴覚教材等を活用した、入学後の勉学や就職につながる将来イメージの創成を図る。

【効果】
明確な進路指針と入学動機につながる。
在学中

入学直後からの各自の目標に即したキャリア支援

【方法】
フレッシャーズキャンプ、「学修の指針」、視聴覚教材を活用した導入教育等を行なう。

【効果】
入学後、早い段階でのキャリア教育の実施により、自己開発、キャリアに対する関心が高まり、学習意欲、自主性の向上、社会人として必要なスキルの修得が期待できる。


理論と実践のスパイラル・アップ教育
及び
キャリア開発部等によるキャリア形成支援


【方法】

体験型学習の事前学習
(講義、実技の演習など)

体験型学習@(サービス・ラーニングなど)

体験の振り返り
(サービス・ラーニングの振り返りなど)

体験型学習による学びの理論学習への
フィードバック(講義など)

体験型学習@+理論学習を基にした
体験型学習A
(インターンシップなど)
【方法】
就職・進路個別相談、適正適職検査、各種講座、インターンシップのサポート、模擬試験等を行なう。

【効果】
理論学習と体験学習の相乗効果により、より深い理論的理解と実務能力の習得、段階的な自己の将来イメージのレベルアップが期待できる。
【効果】
就職支援に特化したキャリア開発を促進するとともに、学生個々の希望する就職の実現につながる。

卒業後

入学直後からの各自の目標に即したキャリア形成支援

【方法】
在学生・卒業生・教員の交流の場の設定、未就職や転職希望の卒業生に対する就職相談、RCDS等を行なう。

【効果】
就職のミスマッチや仕事上の悩みを解消させ、働くことの喜びを高めることが期待できる。



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