龍谷 2007 No.64

学部NEWS
文学部経済学部経営学部法学部
理工学部社会学部国際文化学部短期大学部法科大学院

文学部  
教職員が連携して 「文学部FD研究会」を開催

意見交換では様々な発言がなされ充実したものとなった
意見交換では様々な発言がなされ充実したものとなった
 6月27日、文学部ではFD活動推進委員会の主催で「文学部FD研究会」を開催。42名の教職員が参加し、「文学部のカリキュラムの現状と課題」というテーマのもと、各学科専攻の教務委員と教学部(文学部担当)課長がそれぞれの視点から発表した。発表終了後に行なわれた意見交換は、当初20分程度の予定であったが約1時間におよび、充実したものとなった。
 FDとは「Faculty Development」の略で、「教員の資質(職能)開発」などと訳され、授業等教育活動の内容・方法の問題点を抽出し、その改善・向上をはかるための組織的な取り組みの総称。文学部は2001年度に「FD活動推進委員会」を設置し、スタディーガイドの発刊や公開授業の開催など様々なF Dに関する事業を行なってきたが、今年度新たに企画されたこの研究会は、教育活動に関する教職員相互の情報交換や認識を共有する新しい場を構築し、文学部さらには大学院文学研究科の教育活動の改善を組織的に推進するのがねらい。
 文学部では、この研究会を年に2〜3回開催する予定で、今回の研究会を基礎として、今後は文学部の教育活動全体を視野に入れながら、より総合的・多角的な検討を行なっていく。

経済学部  
聞かせる工夫
プレゼンテーション大会


学生の運営ですすめられたプレゼンテーション大会
学生の運営ですすめられたプレゼンテーション大会
 7月11日に経済学部の「入門演習」受講者を対象とするプレゼンテーション大会が開催された。「皆さんは一生の教育費がいくらになるかご存知ですか」「最近の新聞報道で地域ごとにハンバーガーの価格を設定することが報じられました」各演習からエントリーされた28チームの発言者がつぎつぎと登壇しては、最近の経済問題や社会問題を題材に分析・論評を行なった。
 経済学部では2006年度の新学科開設にあわせて、カリキュラム・授業内容の再編成が行なわれている。新しく設けられた「入門演習」では大学で学ぶ手法が講義されているが、「使ってこそ身につく」という発想でプレゼンテーションを競う機会がもたれた。またこの企画は学生の手によって進行されたことにも特長がある。「入門演習」では上回生に講義補助を願っているが、このアドバイザーと呼ばれる学生が大会運営を担った。
  「とても楽しく学ぶことができた。自分も同じように発表できるように頑張りたい」、「事前の準備が大変だったが、発表して良かった。改善する点もいろいろあったけど、今後に活かしたい」と言った感想は、運営にあたった学生の自信にもなるはずである。達成感の連鎖から新しくなった学部にふさわしい気風の創造が期待される 。

経営学部  
新しい経営学部始まります

 昨年、龍谷大学経営学部は40周年を迎え、2008年4月1日、龍谷大学経営学部は「新しい経営学部」に向けて走り出した。
 創設当初は「経済学をベースにした経営学」を掲げていたが、この十数年の間に「社会に優れた人材を輩出する経営学部」という方向に大きく変わってきている。グローバル化が加速度的に進展するなか、社会は変化の激しい時代を迎えている。「経済社会の変化に対応できる能力を養い、社会から信頼される経営人、企業人を育成すること」が現在の経営学部の目標である。
 この教育目標の実現にむけて、来年度からカリキュラムを一新。
 従来からの少人数のゼミ教育を重視するとともに、学んだ専門知識を実際に活用してみる授業(現場体験型の授業)や、京都を代表する企業の経営者が企業経営について語る講義などが導入されているのが特徴。
 経営学部の新しい取り組みは、経営学部のホームページで紹介されています。

http://www.biz.ryukoku.ac.jp/2008/ に是非アクセスしてみてください。

新経営学部を知る9つのポイント


法学部  
法学部創設40周年記念事業 続々展開中!!

講演中の大江氏
講演中の大江氏
 法学部は、2007年度学部創設40周年の節目を迎えた。それを記念して「どのような21世紀をわれわれは創るのか」をメインテーマに、様々な記念事業を展開している。
 去る6月2日(土)には、ノーベル文学賞受賞作家・大江健三郎氏を講師に招き、「私らは いまにとけ込んでいる 未來を生きている」と題して記念講演会を開催した。
 大江氏は、学生時代などの自らの体験談や「知識人」との出会いなどを紹介しながら、今をどのように生きていくべきかなどについて熱く、時折ユーモアを交えながら語った。最後に、今を生きるということは未来に向けての準備をすることであると締めくくり、聴衆に大きな感動が広がった。
 当日は、メイン会場に加えてライブ中継を放映したサブ会場を含め学生や卒業生、地域住民の来場者など約2000人が参加、貴重な講演に熱心に耳を傾けた。
 また、7月6日(金)には、「東アジアと日本〜信頼と共生の時代に向けて〜」と題した学生シンポジウムを開催。
 本学法学研究科を修了し、現在中国上海で活躍する黄玉奇弁護士による基調報告並びに本学学生とのパネルディスカッション等を、さらに、7月14日(土)には、日本司法支援センター常務理事・村井一弘弁護士を招き、法科大学院法務研修シンポジウム「司法アクセスの現状と課題|弁護士過疎は克服できるのか|」を開催した。
 今後も、記念シンポジウムなどの記念事業を実施する予定。
 詳細はホームページ等で随時お知らせしますので、どうぞご期待ください。

理工学部  
理工学部の教員免許取得支援態勢の整備・強化

大西俊弘准教授
大西俊弘准教授
 理工学部で所定の課程を修めると、 中学・高校の数学・理科・情報・工業の教員免許を取得することができる。2007年3月卒業生のうち50名が教員免許を取得するなど、教員志望者は増加傾向である。
 一方では文科省の教職課程教育の充実・厳格化の方針に対応するため、本学でも文系の教職専任教員に加え、理系の専任教員の必要性が年々増してきた。
 そこで 理工学部では、学部長を中心に理系教職専任教員のポストの新設を働きかけ、2007年度に「数学」「理科」「情報」3教科で優れた業績・実績を持つ大西俊弘准教授を迎えた。
 大西准教授は1958年生まれ。兵庫教育大学大学院修了で、京都府の公立高校3校、奈良女子大学附属中等教育学校(中高一貫教育校)で教鞭をとった経験があり、数学教育・科学教育・教育工学が専門である。
 その大西准教授からメッセージが寄せられた。
 「景気の回復に伴い、理数系の人材が企業に流れ、理科・数学の教員が不足傾向にあり、各自治体共にその確保に頭を痛めています。そのため、京都府や京都市では、今年度より新たに理数系教科に限り『大学推薦制度』を導入、本学からも7名の学生を推薦し、全員1次試験が免除となりました。
 少子化に伴い、入試の圧力が低下し、受験向けの授業では生徒を指導することが難しくなってきましたが、教科の面白さや有用性を生徒に伝えることができる教員を育てたいと思っています。
 また、本学の卒業生を学校現場に多く送り出すことは、教育界に本学への理解者・支援者を多く産み出すことになり、本学の発展にも寄与すると信じて、学生の指導にあたっていきたいと思います。」

 さらに理工学部では、教員をめざす在学生同士や、教員として活躍する卒業生の縦の交流の機会を設けたり、中学高校の教育内容への理解を深めるべく、実用数学技能検定に向けた勉強会を行なうなど、教員をめざす学生を多面的にサポートしています。


社会学部  
社会学部学会が「笑劇の衝撃〜劇団SHOWDOWNに魅せられる〜」を開催成

樹心館で行なわれたトークショーの一場面
樹心館で行なわれたトークショーの一場面
 7月12日に会学部学会が「笑劇の衝撃〜劇団SHOWDOWNに魅せられる〜」を開催した。当日は、劇団SHOWDOWNによる演劇と、講師である脚本家ナツメクニオ氏によるトークが繰り広げられた。ナツメクニオ氏も役者として出演した演劇とトークに、多数の学生らが瀬田学舎樹心館へ詰めかけた。
 劇団SWOWDOWNによる演劇は『TEAMモテたい!』というタイトルのコメディーで、ナツメ氏をはじめ土性正照氏と田村いずみ氏も加わり、劇が展開された。内容は人生の中で一度も彼女ができない男子学生が、後輩カップルにしつこく付きまとっていくというもの。そのもてない男子学生の運命の人がタバコであったというオチに、会場は笑いの渦に包まれた。
 トークでは司会の学生二人がナツメ氏に、演劇を始めるきっかけや現在の劇団事情など様々な質問をぶつけていった。その中でナツメ氏は、目標に向かって歩み出せない現代の学生に対し、生活の保証がなくともまずは何か自分のやりたいことを実践してみることの重要性をなげかけた。会場との質疑応答では多くの学生がナツメ氏に、現在の不安や疑問を相談していた。
 イベント運営経験の少なかった学生スタッフたちは、この講演会の成功を今後の社会学部学会の活動に活かしたいと意気込んでいた。

国際文化学部  
オレゴンからの留学生、 "NIPPON”を学ぶ

緊張の面持ちで能を体験する留学生達
緊張の面持ちで能を体験する留学生達
 国際文化学部では、7月の3週間、アメリカ・オレゴン州にある「マウントフット・コミュニティカレッジ」(以下MHCC)から留学生11名を受け入れた。MHCCからの留学生は2003年度から毎年度受け入れており、瀬田学舎で日本語を学ぶプログラムを受講するほか、日本の文化を現地で学ぶフィールドトリップが行なわれた。留学生が滞在する期間には、国際文化学部の学生が会話パートナーやクラスパートナーとしてプログラムに参加し、日本語での話し相手となり、日本の文化を紹介するなど、交流を深めた。
 なかでも、フィールドトリップとして企画した「能」体験では、大江能楽堂(京都市中京区)を訪れ、サルズ・ジョナ教授(専門 比較演劇論)から能の基本動作や用具の説明を受け、日本の古典芸能に触れた。ほとんどの学生が初めての能体験であったが、ある留学生は、日本語による会話クラスで能の歩き方を披露するなど、印象に残る体験であったようだ。3週間に渡るプログラムの最終日に行なわれたフェアウェルパーティーでは、プログラムに参加した国際文化学部生との交流も更に深められ、留学生が日本語でスピーチする場面も設けられるなど、盛況の内にプログラムを終えた。国際文化学部では、このような留学生受入れプログラムを多数実施しており、キャンパスにいながら国際交流ができる環境の中で、学生たちが多くのことを学んでいる。


短期大学部  
現代GPで導入教育用・実習指導用のDVDを作成

導入教育用(左)と実習指導用(右)DVD
導入教育用(左)と実習指導用(右)DVD
 広報「龍谷」62号でも既に報告したとおり、短期大学部は2006年度に採択された現代GP(現代的教育ニーズ取組支援プログラム)の中で、実習の事前指導や大学での学修に対する導入教育等で利用するDVDの作成を行なっており、改訂版の作成を含め、事業継続中である。
 実習事前指導用のDVDは、実習を経験した卒業生らが実習の実際や注意点について説明を行なったもので、これから実習に取り組む学生の事前学習に役立てることが目的である。また、導入教育用のDVDはそうした実習を経て、実際に現場で活躍している卒業生らが、それぞれの仕事の特徴や、やりがいを語ったもので、短期大学部での学びとは何か、また学んだことが具体的にどのような形でいきてくるのかを早い段階で知ってもらうことをねらいとしており、学生生活に目的をもち主体的に送れるように展開している導入教育の教材として作成したものである。
 こうした視聴覚教材の利用は、学生が学修を通して具体的にどのようなことが学べ、役立つのかについて、具体的なイメージを創生する上で非常に有用である。短期大学部では、よりいっそう教学上の意義を高めることができるように、本取り組みを進めていく。

法科大学院  
法務総合プロジェクトの1年目を終えて
〜「法務研修報告会」と「法学部創設40周年記念・法務研修シンポジウム」〜


法務研修シンポジウム基調講演 寺井氏
法務研修シンポジウム基調講演 寺井氏
 本学法科大学院は、「市民のために働く法律家」の養成を目標に掲げ、全国で唯一、弁護士事務所や企業法務の現場でのエクスターンシップ(実習)を必修にしている。
 この実習は、法務研修プロジェクトの中に位置付けられ、理論と実務の体系的な学修の上に、実習経験を積み重ねることで、法曹にとって不可欠の倫理観や職業意識、実務能力を身につけることが期待されている。
 上記のような目標を掲げて船出したプロジェクトの第1期生42人が、エクスターンシップを終え、全国の実習先から帰ってきた。4月7日には、体験を共有化するために「法務研修報告会」を開催し、充実した実習の成果を熱く語った。
法務研修報告会
法務研修報告会
 今年は、法学部創設40周年という記念すべき年であり、法科大学院においても、記念事業の一環として、「司法アクセスの現状と課題〜弁護士過疎は克服できるか〜」をテーマに法務研修シンポジウムを開催し、150名を上回る出席者があった。
 第1部では、日本司法支援センター(法テラス)の常務理事である寺井一弘弁護士の講演、第2部では、6つのプロジェクトの代表が、弁護士過疎の現状分析、問題設定および政策提言についてプレゼンテーションを行ない、その内容と説明力を競い合った。
 裁判員制度の導入を控え、臨床系法学教育に注目が集まっているなかで、全国的に「エクスターンの龍谷」という評価をえているが、その呼び声に応えるにふさわしい報告会とシンポジウムであった。

文部科学省 特色GP採択事業
短期大学部『オープンカレッジ〜ふれあい大学課程〜』
2007年度 発表会と記念講演会を12月12日(水)に開催
【衣笠祥雄氏】
 知的障がい者と短期大学部学生や教員が共に学び合う「オープンカレッジふれあい大学課程」の発表会と記念講演会が12月12日、京都市伏見区の京都市呉竹文化センターで開催される。
 1年間の学修成果を披露するこの発表会では、芝居発表と音楽発表を行なう。また、記念講演会として「鉄人」の愛称で親しまれ、1987年に国民栄誉賞を受賞した元プロ野球選手の衣笠祥雄氏による講演を予定している。
  芝居発表は、泉州民話の「閻魔(えんま)さんの失敗」より、ふかくさ版『陽気な地獄の仲間たち』。笑いあり涙ありの心温まる話をお届けする。短期大学部教員も出演する予定。
 音楽発表では『TSU・NA・GU〜つなぐ〜』をテーマに、受講生と短大生が、音楽を通して「まずは自分から手をさしのべよう!」「すべてのつながりに感謝しよう!」というメッセージを伝える。
 今年5月の開講から、受講生と短大生はこの日のために練習を重ねている。短期大学部では、この取り組みがすべての人の存在を認め合う、「共に生きる地域づくり」に発展することをめざしている。

多くの皆さま方のご来場をお待ちしております
【時間】13:30〜17:00
【場所】京都市呉竹文化センター(京阪本線・近鉄京都線「丹波橋駅」西口徒歩1分)
【申し込み方法】(入場無料)
   代表者の住所、氏名、参加人数を明記の上、ハガキ、FAX、またはE-Mailでお申し込み下さい。
【申し込み先】※定員600名
   〒612-8577 京都市伏見区深草塚本町67
   龍谷大学短期大学部 実習指導室内 社会活動センター宛 FAX:075-645-2825
   E-mail:socialact@human.ryukoku.ac.jp

昨年度の発表の様子 昨年度の発表の様子
昨年度の発表の様子



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