「走るのが好き!」が アスリートとしての原点に
トラック上の和田選手は、近寄りがたい空気を放っていた。第60回西日本学生陸上競技対校選手権大会では、100M、200M、4×100Mの三冠を達成。2007全日本学生陸上競技チャンピオンシップの100Mでは11秒63の大会新記録を樹立。200Mの23秒67に至っては、大会新記録とともに西日本学生新記録という活躍ぶりだ。シーズンオフの練習日とはいえ、北京五輪に焦点を当てる彼女には、ほんの一瞬の緩みさえ許されないのか、全身に気迫がみなぎっていた。
練習を終え、インタビュー室に現れた彼女は、厳しい表情が顔から消え、笑顔の似合う「和田さん」へと一変した。「メリハリを付けるタイプなので、練習は練習、遊ぶ時は思いっきり遊ぶ。遊んでいる時は、陸上選手に見えないってよく言われますね」と、屈託なく笑う。
「小学校から走ることが好きだった」ことが、和田さんのアスリートとしての原点だ。タイムよりも走る楽しさが一番だった中学の陸上部時代。タイムを伸ばすことで上をめざす面白さを見出し、本格的に体力づくりと精神鍛練に励んだ高校時代。大学の陸上部では、走り込みによる筋力アップに磨きをかける日々だ。同レベルの選手が毎年入ってくることも、練習の質が上がり、励みにもなると言う。正課では、「スポーツサイエンスコース」を選択し、栄養学やスポーツ心理学といった講義を受けることで、自身の選手生活に役立てている。
「クラブに関係する勉強ができるので、授業の両立がとてもやりやすいですね」。 |