龍谷 2008 No.65


「大津エンパワねっと」の活動拠点となる町家キャンパス「龍龍」がオープン

町家キャンパス「龍龍(ロンロン)」で講師の話に真剣に耳を傾ける学生たち
町家キャンパス「龍龍(ロンロン)」で講師の話に真剣に耳を傾ける学生たち
 文部科学省2007年度「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」に採択された、本学独自の地域連携型の大学教育プロジェクトである社会学部「大津エンパワねっと」の拠点として、大津市京町1丁目に龍谷大学町家キャンパス「龍龍」が開設された。
  12月16日に行なわれた「龍龍」誕生の記念式典では、大津市の目片信市長からの挨拶のほか、佐藤賢大津市副市長と若原学長、長上深雪社会学部長による同キャンパスでの公開座談会が開催された。
  また、本年1月12日には、町家キャンパスでの初講義として、『大学と地域をつなぐ特別講義T 町家のある風景〜ほっこり大津まちあるき〜』が開催された。当日は社会学部の4学科から16名の学生が参加した。
  午前中は、中央地区の地域づくり団体「大津まちなか元気回復委員会」の別所昭和さんを講師に、定年退職後、ボランティア活動や地域づくり活動に取り組み始めるまでの経緯、ボランティア活動を展開するうえでの大切なポイント、そして「大津まちなか元気回復委員会」の仕組みや活動等について、「龍龍」の八畳間で話を伺った。「町家で市民ティーチャーの方から地域づくりについて学ぶ」という初めての経験に、最初は緊張気味だった学生たちも、ユーモアも交えた別所さんの興味深い話に、メモを取りながら真剣に耳を傾けていた。
  午後からは、町歩きに出かけ、「大津の町家を考える会」の活動拠点である「百町館」、「大津祭曳山展示館」、「社会教育会館」、浜大津「明日都」等を順番に訪ねながら、町家がたくさん残る中央地区の町並みを見学した。
  引率した脇田健一教授は、「今回の講義に参加した学生たちのほとんどは、大津の町中を歩いたことがなかったが、町家が残る町並みから歴史的な雰囲気を感じ取りながら、そのような町中に、マンションや大きなビルが入り混じる大津の中心市街地を歩くことで、地域づくりのあり方について学べたのではないか」と充実感を語った。


第3回FDフォーラムを大学教育学会課題研究集会と共同開催

安藤義仁先生(広島大学)による格調高い特別講演
安原義仁先生(広島大学)による格調高い特別講演
 2007年12月、大学教育学会2007年度課題研究集会が深草学舎で開催された。今年度の課題研究集会は、本学が会場となった関係で、一部の分科会を本学FDセンターとの共催とし、第3回FDフォーラムとして開催することになった。今回は、統一テーマとして「学士課程教育の再考」を掲げ、国の文教政策が求める学士課程教育の実体化や、学部教育段階におけるFDの義務化などについて、活発な意見交換がなされた。
  全国から約370名の教職員が集まり、それぞれが所属する大学の枠を乗り越え、高等教育に携わるものとして、熱心な討論が繰り広げられた。



NPO・地方行政研究コース 地域公共人材の育成をめざして

図 NPO・地方行政研究コースの教育プロセス
図 NPO・地方行政研究コースの教育プロセス
 NPO・地方行政研究コースは、法学研究科と経済学研究科の共同運営コース(社会学研究科も科目提供・運営参加)として2003年度に開設した。本コースでは地方自治体やNPOなど61の団体との地域連携協定を活かして、双方向型の教育・研修を進めている。
  これから地域社会で活躍しようとする若い院生と、地方自治体やNPOで活躍している社会人院生とが、相互に触発される学問環境の形成が評価され、今回の大学院教育改革支援プログラム(大学院GP)採択につながったと考えられる。
地方自治体や市民活動を担う地域公共人材の育成に貢献する大学院教育として本コースを発展させていく。


理工学研究科物質化学専攻 龍谷大学であるから成し得る高度な技術者育成 東洋の倫理観に根ざした国際的技術者養成

 理工学研究科では、本学が21世紀の大学像として掲げる「共生(ともいき)をめざすグローカル大学」の認識に基づいた教育・研究を展開している。物質化学専攻においては、東洋の倫理観や考え方に基づき、グローカルに貢献し得る(世界の水準で地域に貢献し得る)専門知識・応用能力を身に付けた高度な技術者の養成をめざしている。
  この度、文部科学省大学院教育改革支援プログラムに採択されたこの取組では、ものづくりやエネルギー・環境課題に従事する科学技術者を養成し、その行動規範となる東洋の倫理観を身に付け、世界で活躍できる人材の育成を意図し次の展開を行なっている。

〈1〉共生・循環に基づいた思考法を学ぶ。
〈2〉プロジェクト企画特論において専門応用能力を高める。
〈3〉本学北米拠点などを利活用し、世界水準での自立的研究遂行能力や国際的コミュニケーション能力を高める。

  今年度は、同プログラムホームページ(http://www.chem.ryukoku.ac.jp/graduate_gp/)を開設し、加えて次年度から本格稼働させるプロジェクト企画特論UおよびテクニカルライティングVの科目開発準備を行なった。さらに、10月には物質化学専攻の大学院生を対象に本プログラム説明会を実施し、UCDavisへの半期間の交換留学生派遣や、共生学に関する特別講演会の実施など、意欲的な取り組みを試行的に開始した。



第19回 新春技術講演会を開催

大阪ガス株式会社取締役社長の芝野博文氏による基調講演
大阪ガス株式会社取締役社長の芝野博文氏による基調講演
 地元企業や行政との交流や大学の研究成果の発信を目的とする「新春技術講演会」(科学技術共同研究センター・龍谷エクステンションセンター主催)が1月15日、大津プリンスホテルで開催され、産官学の各界から約400名の参加があった。
  理工学部開設を機に1990年から毎年行なっているこの講演会は、新春の恒例行事として地元に定着し、今回で19回目を数える。今年は「21世紀のかくれた主役たち〜快適生活とテクノロジーとの接点〜」を統一テーマに、大阪ガス株式会社取締役社長の芝野博文氏が「環境との調和と持続可能な社会をめざして」と題して基調講演を行ない、快適な暮らしを実現しながら省エネルギーと環境保全をめざす同社の技術開発の歩みと現状、今後の発展について語った。
  引き続いて、理工学部電子情報学科の粟井郁雄教授が「人工分子を並べて電波に反応する物質を創る」、理工学部数理情報学科の樋口三郎講師が「つながり方を科学する─理論ネットワーク科学の新たな展開─」と題して日頃の研究成果をもとに講演を行なった。
  また、研究トピックスを紹介するポスターセッションも開催し、約50のブースが出展した。今回は、理工系の研究にとどまらず、仏教文化や社会科学の研究や教育プログラムの紹介などもあり、会場は大いににぎわっていた。
  懇親交流会では、若原学長の挨拶にはじまり、和やかな雰囲気の中、産官学の垣根を越えた交流が行なわれた。
  来年は第20回という節目を迎えるとともに、創立370周年という記念すべき年に開催することになる。このため、従来にもまして意義のある講演会を開催したい。


平成20年4月、京都に全国初の連合教職大学院が誕生 本学も参加

 京都教育大学を中心とした8大学(※)が連合して、「京都教育大学大学院連合教職実践研究科(連合教職大学院)」を、平成20年4月からスタートする。この連合教職大学院は、入学定員60名(授業力高度化コース・生徒指導力高度化コース・学校経営力高度化コース 各20名)で、高度な専門性と豊かな人間性・社会性を身につけ、新しい学校づくりを担う教員の養成をめざしている。
  本学は、長い歴史を通して数多くの教員を養成し社会に送り出してきており、この連合教職大学院に協力することによって、教員養成課程を持つ大学としての社会的責務を果たしていく。  なお、本学には同大学院への推薦制度が設けられており、本学で教員免許状を取得した教員志望者が、同大学院においてさらに実力をつけ、地域の教育現場を支える「高度専門職業人としての教員」、「スクールリーダー」として活躍してくれることを期待している。

※京都教育大学、京都産業大学、京都女子大学、  同志社大学、同志社女子大学、佛教大学、
  立命館大学、龍谷大学




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