文理融合の総合的活動をとおして
広がる交流ネットワーク
里山ORCの大きな特長は、自然科学分野と人文・社会科学分野の研究者が協力し合い、里山での生物多様性の維持機構、里山と人間の関わりの歴史、現代社会での里山の位置づけなどについて、総合的な調査研究を実施しているところである。
そして、調査研究でわかったことは、すぐにシンポジウムなどで公開する。このオープンな姿勢が受け入れられ、地域の歴史、民俗研究者などとの交流も深まっている。
その代表的な成果が、大学と地域有志のコラボレーションによって毎年開催される展覧会である。昨年は江戸時代からの里山の変化をわかりやすく展示した「大・南大萱展」を、今年は昔の民具や道具を紹介する「暮らしの中の造形展」を開催。「地元の方々も多数訪れていただき好評でした」。
このような里山研究のネットワークは、瀬田地区だけにとどまらない。里山ORC開設当初から、里山を持っている4大学(龍谷大学・金沢大学・京都女子大学・九州大学)が交流。里山ORCのプロジェクトにも、各校から主要メンバーが参画している。また、これらの大学の活動に刺激され、中部大学、長野大学、近畿大学も新たに加わり、大学間における里山研究のネットワークも徐々に拡大している。
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