龍谷 2008 No.66

ボランティア・NPO活動センター「エコ恋」

ボランティア・NPO活動センター「エコ恋」

小さな事からエコを発信 エコ恋ジャーは今日も行く!

レジ袋削減運動や、打ち水大作戦、ゴミ箱改善など、
身近な所からエコを推進するエコ恋のメンバー達。
「やっている事は小さな事で、
環境に大きな効果を与えるわけじゃない。
でも、行動しなければ何も変わらない」-。
小さな一歩でも進んでいく彼らの行動は、
少しずつだが確実に、学生へ「気づき」を与えていく。


オープンキャンパスの時におこなった打ち水。
オープンキャンパスの時におこなった打ち水。
足かけ2年
レジ袋有料化への長い道のり


 エコ恋発足のきっかけは2006年の秋。理工学部環境ソリューション工学科竺文彦教授の「大学生協のレジ袋は有料にすべきだ」という声に賛同した瀬田ボランティア・NPO活動センターの数名の学生が、レジ袋有料化に向けてエコ恋を立ち上げた。エコ恋の「恋」は最初、“連なる”という意味を込めて、「連」という漢字を当てていた。ある時、ワープロの変換ミスで「連」が「恋」に変わった。「恋を使う方が、『エコに恋する』『環境を愛する』という気持ちも出るし、良いんじゃないか」。以降、「エコ恋」が正式名称に、メンバーの通称は戦隊風の「エコ恋ジャー」となった。
 レジ袋有料化への道のりは想像以上に険しかった。瀬田の大学生協と交渉したが、話は平行線をたどるばかり。「レジ袋有料は早計。まずは学生でレジ袋削減のための行動をする方が先でしょう」と、生協の店長から厳しい意見も返ってきた。3か月、半年と、何も進まないまま月日があっという間に過ぎていった。
  「レジ袋有料化を諦めた頃もありました」。立ち上げ当初から活動に携わる村上さんは、当時をこう振り返る。とりわけ彼女に打撃となったのは、中心となって取り組んでいた先輩の卒業だ。
  「一番辛かったですね。でも、先輩の思いが断たれてしまうのも嫌だったし、今までいろんな人に支えられて、蓄えた知識も経験も無駄にするわけにはいかなかった」(村上さん)。
  村上さん達は、もう一度計画を見直した。有料化には大学生協側にも購入者にも抵抗がある。双方の反発なく、レジ袋削減につながる方法はないか。そのようなとき、見学に行った京都大学生協のレジ袋への取り組みがヒントとなった。
 「レジ袋をレジで渡すのではなく、レジ袋の設置場所を別に設ける。そうする事で、必要な買い物客だけがレジ袋を取るようになるので、結果的にレジ袋が減る。そこからスタートしようと思いました」(村上さん)。
 その提案は瀬田の大学生協に受け入れられ、足かけ2年の取り組みは2008年6月2日に、実を結ぶこととなった。
 「長い時間がかかりましたが、継続して良かったなと思います。まずは一歩を踏み出せたという感じです」(村上さん)。
 当時数名だったエコ恋ジャーも今は17名。レジ袋削減の他、ゴミ箱改善、食器のリユース、龍谷祭でのごみ削減運動など、様々な活動にチャレンジしている。

ボトルキャップをワクチンに
エコ活動で社会貢献


 瀬田エコ恋のレジ袋削減運動に刺激を受けて2006年11月、深草エコ恋が結成された。23名の深草エコ恋の活動の三本柱は、深草の大学生協での「レジ袋削減班」、龍谷祭でのエコ活動に取り組む「Matsuri班」、大学内でのゴミ箱改善を促す「ゴミ箱改造班」。特に「ゴミ箱改造班」では、ゴミを活かすための方法について知恵をしぼり合ったという。
 「ゴミを分別するだけではなく、使える資源として何かに役立てたいと思っていました。メンバーでアイデアを出し合って、そこで目を付けたのがペットボトルのボトルキャップでした」。深草エコ恋代表の石田さんは話す。名づけて、「ecoキャップ回収大作戦」。ボトルキャップを集めてNGO団体に送ると、800個につき1本のワクチンを発展途上国へ届けられるというプロジェクトへの参加を計画中だ。800個は途方もない数字にも思えるが、意外と集まりは早いと、石田さんは予想している。
 「エコ恋とボランティア・NPO活動センターだけで試しに集めていますが、毎日大学でペットボトルを買う人、家から持ってきてくれる人などがいて、結構集まりがいい。後期の授業が始まれば、学内の広報活動にも力を入れていきたい」(石田さん)。
  手作りのゴミ箱で、多くの学生の協力を促したいところだ。


小さな事でも
行動しなければ何も始まらない


 「人の役に立つ事がしたい」。「環境問題解決に自分ができる事をしたい」。
 エコ恋メンバー達の入部理由は様々だ。が、統一されている目的は、「学生に気づきを与えていくこと」である。
  「身近な事を身近な人から伝えていくのが大事。電気を消すとか、マイ箸を持つとか、そういった簡単な事を友達に徐々に伝えていき、環境に貢献している意識を持ってもらいたい」(藤田さん)。
 地道ではあるが、「行動しなければ何も始まらない」という思いが、メンバーの情熱を支えている。
 「僕らがやろうとしているレジ袋削減も打ち水も、それをやったからといって断然環境が良くなるわけではない。それでも行動する事で、少しでも変わる事を知ってもらいたいですね」(秋田さん)。
 小さな一歩かもしれないが、彼らの歩みは着実に何かを変えている。
 「私たちの取り組みは、効果が目に見えませんし、結果も出にくいもの。ですが、学内でエコバックを持っている人を見かけると、嬉しくなる。意識を持ってくれたのかなと、ちょっと実感できる。小さな事ですが、やってて良かったなと思う瞬間です」(村上さん)。



石田 浩基さん 石田 浩基さん 深草エコ恋代表
法学部3年生・三重県立名張西高校出身
村上 知栄子さん 村上 知栄子さん 瀬田エコ恋代表
社会学部3年生・京都府立福知山高校出身

 


秋田 裕介さん 秋田 裕介さん 深草エコ恋
経営学部2年生・桃山学院高校出身
藤田 佳那さん 藤田 佳那さん 瀬田エコ恋 
理工学部1年生・大手前高松高校出身


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