龍谷 2008 No.66

2009年 龍谷大学は創立370周年を迎えます。 370周年記念事業
370周年事業・プレイベント 齋藤眞成展

龍谷大学は2009年に創立370周年を迎える。
そのプレイベントとして、
本学の卒業生でもある真如堂前貫主で画家の
齋藤眞成氏の展覧会が、10月に本学で開催される。
そこで、齋藤眞成氏に、
今回作品を約11点寄贈された経緯と創作について語っていただいた。


「絵を描くことは自分の心との対話であり、ラクガキは心の柔軟体操」

齋藤眞成 【齋藤眞成】
1917年 名古屋市東区に生まれる
1940年 龍谷大学文学部仏教学科(旧制)卒
1987年 京都府文化功労賞受賞
1988年 京都市文化功労者表彰
1997年 京都市美術文化賞受賞
1993年 第4回 龍谷賞受賞
1999年 真如堂第53世貫主
※これまでパリ、ブリュッセル、バルセロナ、リスボン、 ニューヨークなどで大規模な個展を開催するなど、国際的に活躍

  -このたび、作品を寄贈していただいた経緯をお聞かせいただけますか

「私は、今年91歳なんですが、17歳で龍谷大学の予科に入り、仏教学科を1940(昭和15)年に卒業しました。母校が来年創立370周年ということで、手元にある作品をもらっていただくことにしました。誠に意義深く有難い事と思います」。

  -龍谷大学に入学されたきっかけは。

「京都では仏教を専門に勉強しようと思うと、龍谷大学とあといくつかの大学しかありませんでした。それで七条大宮にある予科に入り、学部とあわせて6年間お世話になりました」。

  -真如堂に入られたのはいつ頃だったのでしょうか。

「名古屋で生まれましたが、小さい頃、父がなくなったので京都にいた伯父で南画家の服部五老山人のもとに身を寄せました。文人だった伯父の勧めで幼少の頃真如堂に入ることになりました。ここには80年以上暮らしていることになるので、私の人生の全てはここにあるわけです」。

  -洋画は龍谷大学在学中に始められたのですね。

「大学の美術サークルに入っていました。あの頃、京都には京都学生絵画連盟という各大学美術部の連合体があって、その頃須田国太郎先生を講師にお招きして洋画を学びました。また太田喜二郎先生にも師事しました。洋画に興味を持ったのは、ハイカラな感じがしたのと日本画に比べて道具が身近にあったからです。戦後は行動美術協会に所属していましたが、1995年に引退しました」。

  -いつもどんなお気持ちで絵を描いておられるのでしょうか。

「若い頃は社会的なテーマを描いた作品もありました。でも、今は『心の絵』を描きたいと思っています。つねづね私は『心の柔軟体操』と呼んでいるのですが、床に広げた大きな白い紙の上に目的なく一点をつけて、筆のおもむくままに、点が線となり、紆余曲折して、何かの形になっていくという過程で、自分の心のなかの、ある一番大事な核みたいなものと話し合いをして、自分に好ましい作品になっていくわけです。それが満足する造形になれば、まさに天与の造形になります」。

  -今の学生は、自分と向き合うことが少ないように思います。龍谷大学の学生に、メッセージがありましたらお願いします。

「心の絵を描くためにも物の形(かたち)やその状態を克明に表現するための技法デッサンの必要は言うまでもありません。その技法をもって時折(ときおり)の心の状態を表現できることこそが創作であると思います。今や情報過多の世の中でこそ、まず大切なことはそれぞれが自分の心に深く向き合うことではないでしょうか」。

菩薩界
「菩薩界」106.0×153.5cm



世界初の仏教総合博物館へ  龍谷ミュージアム計画着々。仏教を中心とする、世界レベルの文化財を公開。

ベゼクリク石窟寺院仏教壁画
CGで復元したベゼクリク石窟寺院仏教壁画
 京都駅から北西へ徒歩約10分。西本願寺の真向かいにある本願寺会館と本願寺同朋センターの跡地(本願寺所有)を建設地とする龍谷ミュージアムの構想が固まってきた。2011年のオープンをめざし、具体的な検討が進められている。
  学内に設置された龍谷ミュージアム開設準備室によると、展示内容についても、ほぼ確定しつつあるという。屋台骨となるのは、仏教に関する総合博物館である点だ。インドにおける仏教の誕生と日本までの伝来の道、親鸞聖人や浄土真宗のみならず、日本仏教における宗派の違いやその教え、歴史等を総合的に分かりやすく紹介する。視覚に訴える展示を重視し、トルファン「ベゼクリク石窟寺院」の大回廊を原寸大で復元した展示や、フルハイビジョンの4倍以上という超高精細な映像美が堪能できる「4Kシアター」を設置するなど、様々な映像作品を上映し、幅広い年齢層が楽しめる内容をめざす。


混一疆理歴代国都之図
混一疆理歴代国都之図
(こんいつきょうりれきだいこくとのず)
   展示資料は、本学が所蔵する国宝、重要文化財を始め、約3万点の「写字台文庫」や仏教東漸の軌跡を辿った日本で最初の学術探検隊「大谷探検隊」による約9千点ものコレクションのほか、西本願寺が所蔵する貴重な法宝物など関係寺院にも展示協力を呼びかけ、より充実した実物展示に力を入れる。特別展や企画展の開催はもとより、新聞社等が主催する大型巡回展の誘致を積極的におこなうなど、飽きの来ない展示内容で、リピーターの確保をめざす。
  また、本ミュージアムは、「まちに開かれた博物館」として、地域社会から寄せられた期待も大きく、龍谷ミュージアムを拠点とした周辺地域の念珠店や歴史的スポットの紹介などの観光誘致を働きかけるなど、門前町地域の振興に貢献することをめざす。建設地となる門前町住民、京都市、西本願寺、本学による協議会も発足し、地域活性化へ向けて議論がスタートした。今後は、龍谷ミュージアムを中心とした新たな息吹に注目が集まりそうだ。



 『370周年記念事業』に関する
2009年開催予定の記念事業について


 本学は、1639年西本願寺の学寮として設立され、2009年に創立370周年を迎えます。
  創立以来、本学に関するほとんどの記録(在籍者名簿や寄贈を受けた図書目録まで)が現存しています。
  創立当時から図書館機能も併設し、1784年には、『龍谷学黌大蔵目録』が既に完成し、4700冊以上の図書を有するとともに、仏教書は無論のこと『英國志』『獨逸学』『破邪学(キリスト教学)』から『解體新書』や『舎密開宗(セイミカイソウ)』などの貴重な書物を所蔵しており、370年の歴史を有する大学として「進取と伝統」を誇ってきました。
  本学では、将来計画である「第4次長期計画(10カ年計画)」の完遂をめざし創立370周年記念事業として「教育・研究・学生活動支援事業」「施設設備の環境整備事業」「積立金事業」を計画し、順次、実施して参りました。
  その中には、本学が有する国宝・重要文化財や大谷探検隊将来品などを広く展観する第一級博物館「龍谷ミュージアム」の開設をはじめ、学生の有意義な生活を支援するためのキャンパス環境整備(深草学舎「中央広場」改修、瀬田学舎「智光館」建設、大宮学舎「清風館」竣工など)や卒業生・保護者が集える交流施設「ともいき荘(仮称)<2009年春竣工予定>」の設置などがあります。
 370周年となる次年度(2009年度)には、10月24日に記念式典の実施を予定しており、海外の大学からも来賓を招聘することを計画しています。また国際学術シンポジウムの開催、学生による記念イベント、日本全国8都市における公開講演会を中心とした「リレー・イベント」など、370周年を節目とした多くの記念事業を計画しています。
  詳しくは、次号でお伝えします。学生、卒業生、保護者など本学を支えてきていただいた多くの方々とともに、創立370周年を祝福する様々な事業を展開して参りますのでご支援ください。


龍谷大学創立370周年記念事業
募金にご協力を!


 募金につきまして、お電話、FAXでお受けいたします。折り返し、「払込取扱書」等をお送りします。

【創立370周年記念事業事務局】
〒612 - 8577
京都市伏見区深草塚本町67
電 話 075 - 642 - 1111(大代表)
FAX 075 - 645 - 2017


記念事業募集の詳細はホームページをご覧ください
龍谷大学ホームページ
http://www.ryukoku.ac.jp/

龍谷大学創立370周年記念事業ホームページ
http://www.ryukoku.ac.jp/370th/




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