龍谷 2008 No.66

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Welcome to 10th International Conference for SGBED

 世界のなかの龍谷大学であり続けるために「第10回グローバル経営と経済開発に関する国際学術学会」が本学にて開催

龍谷大学において「グローバル経営と経済開発に関する国際学術学会」が開催され、盛況のうちに幕を閉じた。
本国際学術学会は、「人間が人間らしく生きていくためには何が必要か」というテーマのもと、
開発や国際資本移動、IT、そのほか企業環境や企業の社会的責任など、
日々の生活のなかの様々な問題を学際的に討論しようというもの。
アジア、ヨーロッパ、アメリカを経て、昨年(2007年8月)、第10回という節目の年に、本学での開催に至った。


岡地 勝二 教授 経済学部 国際経済学科
岡地 勝二 教授
●1942年、愛知県生まれ
●学歴・学位 関西大学経済学部卒業
  米国・ジョージア大学大学院(MA)
  米国・フロリダ州立大学大学院(Ph.D)
  京都大学博士(経済学)
●専門分野 国際経済学、教育経済学
●主な著書・論文など
『相互依存の経済学』(晃洋出版社)
『国際資本移動と外国為替相場』(同文館出版社)
『経済学の基礎』(京都法政出版社)
『国際経済学』(多賀出版社)
『アメリカの社会と経済』(多賀出版社)
『経済学部で何を学ぶか』(同文館出版社)
『マクロ経済学はどこまですすんだか』
(翻訳:東洋経済新報社)など多数

困難を乗り越え、国際学術学会の開催へ
困難を乗り越え、国際学術学会の開催へ

 国際学術学会の開催を担うということは、龍谷大学にとって、世界中の研究者にその存在をより深く認知してもらうというメリットがあると言える。しかし、それを成功させるためには、乗り越えなければならない多くの課題があった。
 例えば、開催にあたっての支援金集め、各国からの研究者招聘のための入国準備業務、さらに、外国からの参加者を募ることなど、企画・運営上の仕事は山積した。
 これをやり抜くための原動力とは何であったのか。開催責任者を務めた岡地勝二経済学部教授は、こう語る。
「大学には、私たちが日ごろ学んだ知識を、広く社会に還元していくという使命があります。すなわち、大学を社会的な共通財産と捉え、世界から本学への還元をめざす一方、本学からも世界への還元を図るということです。この強い信念が、すべてを凌駕したと言えるでしょう」
  その熱意が、大きな壁であった支援金の問題を解決した。龍谷大学が支援したのはもちろんであるが、大学の卒業生の集まりである校友会、在校生の父母会の集まりである親和会、経済・経営学部の同窓会といった大学の関係団体が資金支援を決定してくれたのだ。
  さらに、本学には経済学部の寺田教授、酒井教授、西垣教授をはじめとして海外で研究経験のある教員が多数在籍しているが、そういった人々が本学会開催に非常に協力的であった。
  困難はあったが、幸いにして本学の校友会、親和会、経済・経営の同窓会を中心として、また有力な企業など多くの力添えがあり、開催準備は首尾よく整った。同学会への参加国数は35カ国、参加者は海外から310名、日本から65名を数えた。

研究者の意欲を感じた3日間
研究者の意欲を感じた3日間

 学会初日のウェルカムパーティーには龍谷大学不二川公勝理事長、若原道昭学長をはじめ、経済学部や、経営学部の同窓会の方々、さらには、学会に協賛くださった各機関、企業の方々がこぞって出席。会場は華やかな国際交流の場となった。
 また、2日目夜には「日本文化の夕べ」を企画。本学の「邦楽部」による古典音楽と「ウインドーオーケストラ」によるジャズの演奏を披露。各国の研究者達を和ませた。
  そして、本学会において特筆すべきは、各国研究者の姿勢である。このような国際学会では、自分の発表が済むと研究者は帰ってしまうか、また観光などに出ていってしまうのが常である。しかし今回は、多くの研究者が一般討論、基調講演などに積極的に参加していた。その意欲的な行動からも、本学での会の盛り上がりを感じ取ることができた。
  このようにして3日間のスケジュールは無事終了。2009年5月に開催されるスロバキアでの再会を誓いあって散会となった。

大学の社会的責任を果たす

 学会開催の副産物として、学生達の成長や経験がある。外国との交流に学生達を参加させ、海外からの研究者達が真摯に研究発表する姿に触れさせることも、今回、めざすものの一つであった。
  毎日、およそ20名の学生が学会の準備・運営に参加。各国の研究者と多くのコミュニケーションを持つことにより、国際化とは何かを身をもって経験した。
  「今回、無事に大役を務めることができ、ホッとすると同時に、人々の損得抜きの助力がなかったら、この学会の遂行はできなかったと思います。そして、本学はさらに国際化に向けて切磋琢磨していかなければならないと痛感しました」と、岡地教授。
  大学に課せられた大きな責務に、大学は社会の公器であり、社会的に大きな責任を果たさなければならない、というものがある。大学は入学してくる学生を教育し、より有為な人材として社会に送り出す責任がある。と同時に、大学それ自体が、社会の発展のために有益な存在であり続け、社会の変革に役立たなければならない。
  近年、大学教育の国際化は避けて通ることはできない。それどころか、より積極的に進展させていかなければならない。国際学術学会という大きなイベントを大学で開催する。そのために大学教員が額に汗して働く。これもまた、大学の社会的責任を果たすことであり、世界のなかの龍谷大学であり続けるための使命ではないだろうか。

グローバル経営と経済開発に関する国際学術学会 グローバル経営と経済開発に関する国際学術学会

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