龍谷 2009 No.67

やったぞ! 歓喜の1部リーグやったぞ!

苦闘の末に昇格を決めた、ラクロス部男子とハンドボール部女子にズームイン!

ラクロス部男子

春に部に昇格、秋に1部リーグ復帰二重の歓びに沸く 春に部に昇格、
秋に1部リーグ復帰
二重の歓びに沸く


勝つためのポイントは体力強化と共通認識
勝つためのポイントは
体力強化と共通認識


 ラクロス部は2008年4月に一般同好会から部に昇格した。練習場のある瀬田学舎には、陸上競技部や硬式野球部など実績のある部が目白押し。「それらと同等と認められたからには、しっかりやらなくては」。当然、今季の目標は1部昇格。
 そして、有言実行。ラクロス部は、2部降格という苦渋を乗り越え、1部リーグに返り咲いた。
 ここまでたどり着くための道のりは、ドラマチックでさえある。まず、OBの先輩に、新しくコーチを依頼。「計画」「実行」「確認」をキーワードに、夏から始まるリーグ戦を見据えての調整がスタートした。
 調整では新コーチ、小池さん、各ポジションのリーダーが1年間のスケジュールや練習内容を計画。それをきちんと実行し、細かく確認して、次につなげていく。なかでも「確認」が「なおざり」になっていたとして、「意識的におこないました」。
 また新コーチは、練習に新しいメニューを盛り込んだ。「身体がそれほど大きくないメンバーで戦うには、体を強くすることが重要」と、体と体で当たり合う練習を繰り返すのだ。さらに、トレーナーに組んでもらったウエイト・トレーニングで、測定数値もどんどん上がり、体当たりにも耐えることのできる体ができていった。
 忍耐が必要な新しい練習方法を取り入れてみて、気がついたことがあった。「自分たちには根性がなかった」ということと、「選手同士に共通認識が欠けていた」ことである。自分達が何をするべきかを理解するにつれて、チームの結束は固くなっていった。


さらなる上をめざせ!今後の健闘を後輩に託す
さらなる上をめざせ!
今後の健闘を後輩に託す


 そして8月、小池さんが「僕が感じるターニングポイント」という、京都大学との練習試合の日がやってくる。
 1部リーグや社会人チーム相手の練習試合の戦績は、ここまでゼロ勝。いつも前半は何とか粘れるが、後半に持久力が続かず、まったく歯が立たない。ところがこの日は、1部トップの京都大学相手に、後半も粘りに粘った。結果は惜敗だったが、日ごろの練習がもたらした確かな手ごたえがあった。ここから、チームは一気に勢いづく。
 こうして臨んだ2部リーグで龍谷大学ラクロス部は優勝し、1部自動昇格が決まった。選手たちの歓びが爆発したのは、言うまでもない。
 とはいえ、決して楽勝ではなく、最後の試合も中盤もつれたが、辛くも勝利し、ようやくつかんだ優勝だった。しかし、「それができたのも、最初に決めたことを貫き、しんどい時どう辛抱し、どう攻めるかの練習を積み重ねてきた結果」と、小池さんは誇らしげだ。
 小池さんはこの3月で大学を卒業、1部リーグでの健闘を後輩に託すことになる。「この1年間で学んだ姿勢を引き継ぎ、がむしゃらに勝ちにいって欲しい」。さらに、「ぜひ、1部の上位3チームが戦うファイナル3で勝つ姿を見せて欲しい」とエールを送る。
 今後、後輩たちが強いチームであり続けるためには、「同じ夢を持ち、戦ってくれる、たくさんの部員の入部が必要」と語る小池さん。男子ラクロスがもっとメジャーなスポーツになることを願いながら、卒業後も、龍谷大学ラクロス部の活躍を見守るつもりだ。


前主将 小池 智(こいけ さとし) さん 前主将 小池 智(こいけ さとし) さん
(国際文化学部4年生・京都府立鳥羽高校出身)  
自分の未来像は、「信頼される人間であると同時に、結果が出せる人間になること」。過程は大事であるが、最終的にほしいのは結果、ときっぱり。場を和ませる爽やかな笑顔の裏に、プレッシャーをかけることで自分を甘やかさないという、厳しさをあわせ持っている。



ハンドボール部女子

奪還を誓い、強さ全開勝者の輝き再び 奪還を誓い、強さ全開
勝者の輝き再び

「1部昇格」をスローガンに
どん底からの挑戦


 春季リーグでまさかの敗退、降格。ハンドボール部に入部して、深見さんが初めて味わった屈辱だった。悔し涙を流しながら、何が足りなかったのかを考えた。思い当たることがあった。相手を傷つけたくないと、部員同士が言いたいことを言っていない。勝つことへのシビアさに欠けていた。「1部に慣れてしまって、心にスキがあったんです」。
 強くなるために、思ったことは遠慮せずに口に出してぶつけ合おう。「秋季リーグ、1部昇格」のスローガンを掲げ、新たな挑戦が始まった。
 短大生のメンバーも多く、なかなか一緒に練習できない。しかし、落ち込んでなどいられない。一人ひとりが、今まで以上に、走り込みと筋トレをおこない、モチベーションをあげていく。
 ハンドボールは、走る、跳ぶ、投げる、さらにぶつかり合いもある激しい競技。しかし、メンバーの大半が体格に恵まれているとはいえない現状。そんなチームが勝つための作戦は、「ディフェンスを重視すると同時に、キーパーが止めたら、すぐにフォーメーションを使って、速攻で押す!」。
 龍谷大学のハンドボール部はもともと「元気で明るく」がチームカラー。話し合いを密にしながら、練習試合を重ねるにつれ、選手たちも次第に自信を取り戻し、もとの元気で明るいチームカラーがよみがえっていった。


攻めの気持ちでつかんだ勝利視線はインカレに
攻めの気持ちでつかんだ勝利
視線はインカレに


 秋季リーグ。1部と2部の力の差は歴然としていた。相手チームをゼロ点に抑える試合もあり、龍谷大学は全勝。そして迎えたのが1部、2部の入れ替え戦だ。相手は春季リーグで敗退した因縁の関西福祉科学大学。リベンジを誓い、戦いの火ぶたが切られた。
 前半は攻守が目まぐるしく入れ替わる壮絶な戦い。後半には、納得のいかない反則を取られるなど退場者が続出。龍谷大学がリードしているものの、極めて不利な状況に。しかし、攻撃の手を緩めず、ゴールキーパーのナイスセーブもあって、開いた得点を縮められることなく、試合終了のホイッスルが鳴った。1部への復帰を成し遂げた瞬間だ。選手たちからは歓喜の声があがり、笑顔がはじけた。
 深見さんがハンドボールを始めたのは中学のとき。それ以前の10年間は水泳を続けていたが、「強いチームだからおもしろそう」と入部。高校もハンドボール一筋。練習は厳しかったが、止めようと思ったことはなかった。大学生になった今、「続けていてよかった」としみじみ思う。
 1部での目標は、先輩達が成し遂げられなかった6位以上になること。「西日本インカレに行き、ここでも上位に食い込んで、インカレまで行きたい!」と、深見さんは目を輝かせる。それを現実のものとするか否かは、春季リーグの戦いにかかってくる。
 めざす栄光に向かって、がんばれ、ハンドボール部!


主将 深見 愛(ふかみ あい) さん 主将 深見 愛(ふかみ あい) さん
(文学部3年生・四天王寺高校出身)
体格は決して大きいとは言えないが、全身がバネのような俊敏な印象。持ち味は、「追い込まれても、勢いよく真ん中へ飛び込み、渾身の力で思い切りシュートする」こと。「器用ではないので、がつがつしたプレーがしたい」と、勝気な一面がのぞく。



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