龍谷 2009 No.67

学部News (2008.10月〜2009年3月)
文学部経済学部経営学部法学部
理工学部社会学部国際文化学部短期大学部法科大学院

文学部  
唯識-こころの仏教-
【出版情報】
龍谷大学叢書1巻『唯識-こころの仏教-』
楠 淳證(文学部教授) 編
2008年9月刊/355頁/
自照社出版/2520円
臨床心理士資格試験における
修了生の合格率87.5%


 (財)日本臨床心理士資格認定協会による、2008年度臨床心理士資格試験がおこなわれ、合否結果が通知された。今年度資格試験では、文学研究科からは臨床心理士指定校第1種の遡及適用を受けた修了生と、同第2種の修了生とが同時に受験するため受験者も多くなり、大変厳しいものだった。この状況の中の試験結果は、文学研究科修了生の合格率87.5%(16名受験、14名合格)と全国合格率65.5%を大きく上回った。これは昨年度の当研究科合格率87.5%(8名受験、7名合格、全国合格率68.9%)に引き続き高い結果だった。

龍谷大学仏教学叢書
『唯識-こころの仏教-』を刊行

 このたび文学部では、2006年度開講の「龍谷大学仏教学特別講座」の内容をまとめた『唯識-こころの仏教-』(楠 淳證(文学部教授) 編)をシリーズ第一弾として刊行した。
 本書では、インドから中国を経て、古都奈良の興福寺に伝わった唯識仏教について、「こころ」と「仏に成る道」をキーワードに、本学の芳村 博実 教授・長谷川 岳史 准教授・楠 淳證 教授に加え、多川 俊映 興福寺貫首・三條西 公彦 御家流香道宗家・江里 康慧 平安仏所主宰(仏師)ほか、学内外の専門家総勢13名が一般読者を対象に平易に読み解いている。
 「龍谷大学仏教学特別講座」は、2006年度より10年計画で仏教学の教育・研究の活性化を目的として開講。本学の「仏教学」が長年にわたって研鑽保持してきた「倶舎・唯識・華厳・天台・西域」の伝統教学より一領域をテーマに取り上げ連続講義を実施し、その一部を公開講座としている。2008年度のテーマは、「西域-流沙に響く仏教の調べ-」。次回の刊行は2009年度を予定している。

経済学部  
ゼミ対抗研究報告会を開催

ゼミ対抗研究報告会の様子
ゼミ対抗研究報告会の様子
 経済学部では、演習を教育の中心と位置づけ、1年生前期から4年生終了まで継続的なゼミ活動がおこなわれている。そのようななか、昨年12月、学生の自治組織である経済学部ゼミナール連合会主催による、現代経済学科と国際経済学科合同の「ゼミ対抗研究報告会」が開催された。「ゼミ対抗研究報告会」は、日頃のゼミ活動での研究・活動成果を発表し、また、他のゼミがどのような活動をしているかを知る機会として企画された。
 報告会には10チームが参加し、約120名の聴衆を前に、自分たちの研究・活動成果を様々な手法を用いて披露した。地方自治体と共同研究をおこなっているゼミもあることから、会場には京丹後市の職員も来場、自治体の立場から質疑応答がなされるなど、約3時間の報告会は熱のこもった内容となった。発表テーマは、「『規制緩和』と派遣労働」や「iPodにおけるイノベーション」、「ミャンマーへの緊急援助」、「京丹後市の200円バス」など多岐にわたり、学生の柔軟な発想や、問題意識の高さを垣間見るものであった。
 参加した学生からは「他のゼミの活動を知ることができ刺激になった」「同じようなテーマでも違った切り口があり参考になった」などの感想が多数寄せられ、普段の活動だけでは気づかないことを学びとったようである。
 今回の「ゼミ対抗研究報告会」は企画・運営を含め、全て学生の手でおこなわれた。
 経済学部では、今後も「社会に必要とされる『人材』」の育成をめざし、様々な活動を積極的に支援していく。

経営学部  
ゼミナール連合会主催「学術講演会」を開催

実践的な内容の講演を熱心に聞く学生達
実践的な内容の講演を熱心に聞く学生達
  昨年12月10日、経営学部ゼミナール連合会が、第2回学術講演会を開催した。経営学部ゼミナール連合会とは、経営学部生の研究創造活動を促進するために設けられた学生自治組織である。
  本講演会は、昨年度からスタートしたもので、理論を中心に学修している経営学部の学生に対して、企業経営者から、今、企業がどのような経営課題に直面しているのかを聞く機会を提供したいとの声が高まったことから実施されたものである。
 今年度は、株式会社コーセー元取締役兼コーセーコスメポート元社長 佐々木眞美氏を迎え、「コーセー発展の立役者が語るマーケティング戦略」というテーマでおこなった。
 佐々木氏は講演で、CI(コーポレーションアイデンティティ)の策定がコーセーの歴史を大きく変えたこと、特に、商品ブランドの策定などに大きく寄与したことを中心に話された。講演の最後に、自身の経験から、「企業経営とは、下りのエスカレーターを上ろうとしているようなものである。次々に現れる課題に対して、スピードが遅いとそのまま課題のなかに埋没し、課題をクリアすることはできない。だから、いかに早く前に進むかが極めて重要である」と学生達に分かりやすい例を用いながら、企業経営の要点を示された。本講演会には、200名を超える学生が参加し、質疑応答でも質問は絶えることなく、大変盛況のうちに終了した。

法学部  
法学部基礎演習合同討論会を開催

政治学科基礎演習合同討論会風景
政治学科基礎演習合同討論会風景
 昨年暮れ、恒例の「基礎演習合同討論会」が開催された。これは法律学及び政治学に関するテーマについて法学部1年生が履修する基礎演習のクラス対抗で討論し授業の成果を競い合うものである。1年生は定められた時間の中で白熱した討論を展開させる。
 12月3日に開催された法律学科の討論会では15クラスが5ブロックにわかれ「日本の死刑制度を廃止すべきか?」、「異性間と同様に同性間の婚姻を認めるべきか?」、「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)の設置は規制されるべきか?」といったテーマで賛成派の立論や質問、否定派の立論や質問を経て両派最終弁論にいたり、その後フロアからの質問に答えるという流れで進行した。
 一方、12月10日に開催された政治学科の討論会では、政治学科の5クラスがそれぞれ自分たちの関心に沿って「地域主権型道州制〜道州制で日本をどうしゅうせい!?〜」、「ワーキングプア改善に向けてのはじめの一歩〜税金の優遇での生活改善を!〜」、「食の安全」といったテーマで発表班からの発表、質問班からの質問を経た後にフロアからの質問に応じるという流れで進められた。
 法律学科は各ブロックで先生方や大学院生により採点がなされ、2組、4組、10組、13組、15組が優勝。政治学科では先生方と学生による採点で、17組が優勝し討論会の幕を閉じた。

理工学部  
龍谷大学のロゴマークが宇宙へ

瀬田学舎で打ち上げを見守る杉山研究室のメンバー
瀬田学舎で打ち上げを見守る杉山研究室のメンバー


 去る1月23日12時54分、龍谷大学のロゴマークが刻まれた人工衛星が、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」とともに、種子島宇宙センターからHUAロケットにより打ち上げられた。その後、衛星は軌道に無事投入されたことが確認され「まいど1ごう」と命名された。「まいど1ごう」は、東大阪宇宙開発共同組合がいくつかの企業や大学の協力を得て研究開発した小型の人工衛星で、今後、世界初の衛星からの雷観測などをおこなう予定となっている。
 この衛星はブームと呼ばれる展開可能な2本の棒状の腕を持っており、その先には、それぞれ磁気センサとマイクロモニタカメラが搭載されている。このブームを開発したのが、本学理工学部機械システム工学科杉山研究室の学生達である。 2004年にスタートしたブームの開発には、この5年間で、杉山研究室の学部生、大学院生計10名の学生が関わり、設計、加工、組立、試験すべてが学生達の手によっておこなわれた。
 学生達の手による2本のブームは、打ち上げ時の振動、軌道上での真空、温度差、宇宙放射線などの過酷な環境に耐え抜いた上で、3月末から4月頃に展開される予定である。厳しい実証試験を乗り越えてきた2本の腕が、その使命を果せるかどうかがわかるのは、ちょうど読者がこの記事をご覧になっている頃かも知れない。


社会学部  
現代を考える/未来を見通す
社会学部開設20周年記念講演会・
記念シンポジウムを開催


20周年記念シンポジウムの一場面
20周年記念シンポジウムの一場面

 2008年に開設20年目を迎えた社会学部は、開設20周年記念事業として2008年10月25日に作家五木寛之氏による記念講演会「うつの力」、10月26日には、「社会的排除を考える−子ども・若者の場合−」をテーマに、記念シンポジウムを開催した。(ともに瀬田学舎)
 従来、社会学部は社会学系と社会福祉学系の両領域から構成されてきたが、両者間での学問・研究・教育・実践をめぐる交流がほとんどなされていない状態であった。今回のシンポジウムを機会に、共通なテーマを設定することで、両者間に対話を生じさせるとともに、龍谷大学社会学部に特有な学問領域を開拓し、世間に情報発信することをめざすことになった。今回のシンポジウムはその前提をなすものであり、現在、日本社会で問題化している社会的格差問題にアプローチを試みた。そこで、この問題に社会学の立場から発言されている山田昌弘氏(中央大学教授)に「希望格差社会を超えて」という題目で基調講演をしていただいた。山田氏によると、1990年代を境に日本社会は経済システムに大きな変動が生じ、職業や雇用・収入の領域において明確な格差が生じてしまった。そのために、人々の間に将来に希望を持てる人とそうではない人たちという意識上の格差を生み出し、そのしわ寄せが若者を中心に及んでいるとのこと。この講演内容をめぐって、社会学から宮本みち子氏(放送大学教授)・野村洋平氏(本学非常勤講師)、社会福祉学から山縣文治氏(大阪市立大学教授)・山田容氏(本学准教授)の四氏に、それぞれの観点からコメントを寄せていただいた。


国際文化学部  
工夫を凝らした新PECで
英語力をさらに向上


PEC候補生への説明会
PEC候補生への説明会
 国際文化学部では、「社会で使える英語力」の修得を目指し、2002年度からProfessional English Course(略称:PEC「ペック」)を展開している。これまでも高い英語力を有した卒業生が社会で活躍しているが、2007年、このPECプログラムにさらなる工夫が加えられた。
 新PECでは、一定の英語力を有し、面接等の厳格な選考を通過した学生が、2年生からPEC候補生として認定される。候補生となった学生は、学期ごとに設けられた高いハードルをクリアし続けることが求められ、卒業時に全ての条件を満たした者が晴れてPEC修了生として認定される。PEC修了の条件として、英語で開講される講義科目の一定数の修得、各学年に設けた英語力測定値(TOEFL・TOEIC等)の基準スコアのクリア、2年次後期での英語圏への留学、英語による卒業論文の作成等が示されている。
 2007年度からスタートした新PECの候補生は、現在2年生後期での学修を終えた。留学から帰国した学生は、身につけた英語力をさらに向上させるための学修を進めていくこととなる。また、新たなPEC候補生として1年生後期に選考を通過した31名が、これから用意されている様々なハードルに向かって走り出すこととなる。
 大学教育において、「学士力」がキーワードとして語られる昨今、自らが目標に向かって挑戦し、学期ごとに求められるハードルをクリアし続けることは、それぞれの「学士力の向上」に繋がることと期待している。

短期大学部  
児童福祉コース「保育実習」に向けた
多様な実務講座を実施!!


京都市消防局の方に指導を受ける児童福祉コースの学生達
京都市消防局の方に指導を受ける
児童福祉コースの学生達

 短期大学部では多くの実習科目が設定されているが、児童福祉コースの学生は1年生の2月という最も早い時期に実施される「保育実習」に臨む。そのため、児童福祉コースでは「保育実習」に向け、入学後の早い段階から保育観察実習や、多様な実務講座を実施している。
 今年度は、6月の保育観察実習にはじまり、保育園園長による特別講義、現場の保育士による実技指導などが開催された。また11月には、子どもの命を預かる保育士という職業の重要性を理解することや、子ども達に万が一のことがあった場合、迅速な対応がおこなえるようにすることなどを目的として、実務講座「普通救命講習」を実施した。
 講座では、京都市消防局から講師を招き、救命講習を学ぶことの意義について、わかりやすい説明がおこなわれた。その後「普通救命講習」の指導員資格をもつ本学職員も参加して、万が一の場合の対応について、実技を交えた実習をあわせておこない、終了後、参加学生には「普通救命講習修了証」が交付された。
 学生は、こうした講座を通して、子どもの命を預かる保育士という仕事の責任の重さと、とっさの時の行動に向けた日頃からの準備の重要性を、改めて実感したようであった。
 短期大学部では、今後とも各コースで、各種実習に向けた実践的プログラムを含む実務講座等の充実を図っていく。


法科大学院  
より密度の濃い教育を実現するために
        〜教育改善への取り組み〜


TSとして学習相談に応じる2008年度新司法試験合格者の小谷成美さん(奥手)
TSとして学習相談に応じる
2008年度新司法試験合格者の小谷成美さん(奥手)
  法科大学院では、学生一人ひとりの学習成果向上を実現するために、教育改善に向けた取り組みを積極的におこなっている。

●FD活動への取り組み
 従来からおこなっている授業アンケートについて改善し、後期開講全科目について82%に及ぶ回答を得た。その結果を教員間で共有するほか、学生にも公開した。また教員による授業参観を実施し、教員の視点で授業内容について評価する取り組みを試行的におこなった。さらに法科大学院教員全員が、学習状況の把握や相談窓口として学生一人ひとりを担任する学習相談員制度を創設した。

●教育懇談会の開催
 昨年12月に、「法科大学院の未来を共に語る」と題した教育懇談会を開催し、法科大学院生と教員が法科大学院を取り巻く情勢について理解を共有し、今後の本学法科大学院の教育について意見交換をおこなった。

●新司法試験合格者からの支援
 在学生の主体的な学習をフォローするためのチュートリアル・スタッフ(TS)を8人配置している。昨秋2カ月にわたり、昨年の新司法試験に合格した2人の修了生をTSとして迎え、本学出身の合格者として様々な学習に関するアドバイスをおこなってもらい、さらに合格者として、またTS経験者として、本学の学習支援について提言してもらった。

 このような多様な機会を通じ、教育や学習環境に関する意見などを積極的に取り入れて、教育改善に取り組み、より多くの「市民のために働く法律家」を輩出するために、法科大学院教育の充実を図っている。


新学部長が決まりました
人文知の専門性を有した豊かな教養人こそ、多様な創造力を発揮

赤松 徹真(あかまつ てっしん) 教授
文学部長
赤松 徹眞(あかまつ てっしん) 教授
(任期:2009.4.1〜2011.3.31)

 教務主任、教学部長などを歴任して、学部長2期目。専門は日本仏教史、真宗史。真宗の宗教的立場にもとづく社会的関係の歴史的変化、仏教・真宗の現代的ありようへの模索についても研究課題としている。
 龍谷大学が創立370周年を迎える本年を見据え、「本学の歴史は、真宗・仏教を中心にしながらも、時代の教育・研究状況に対応して、先進的に教育改革、カリキュラム改革に取り組み、培った人文知の伝統を継承しながら多様な創造力を発揮してきた。その教育的成果は人文知の専門性を有した豊かな教養人や研究者の輩出であり、研究的成果は幾多の研究論文、専門書等の学術刊行であり、社会貢献としては全国各地、あるいは世界各地での講演・研修会や人的ネットワークなどとして結実している。今日の時代状況を的確に認識し、文学部、文学研究科、そして4月からスタートする実践真宗学研究科が連携して、文学部のさらなる発展に努め、学生の学び、研究する意欲に応えたい」。いま、新たな挑戦が始まる。

教育力の向上と教育の質保証をめざして

大柳 満之(おおやなぎ まんし) 教授
理工学部長
大柳 満之(おおやなぎ まんし) 教授
(任期:2009.4.1〜2011.3.31)

 物質化学科の教授で、専門分野は無機材料化学。1989年理工学部開設と同時に着任。学長補佐、RECセンター長、評議員や研究主任、学生生活主任を務めた。
 大柳教授は、カリフォルニア大学デービス校との協定を推進し、理工学研究科での学生交換留学プログラムの責任者をしている。また、龍谷大学バークレーセンター(RUBeC)の設立にも尽力した。大学院教育にも力を入れ文部科学省の大学院教育改革支援事業に採択された「東洋の倫理観に根ざした国際的技術者養成プログラム(平成19年−21年度)」を実施責任者として推進している。また、理工学部の教員10名で執筆した『仏教の共生思想と科学技術』(丸善)の編集も担当し、建学精神の具現化にも力を入れている。
 理工学部・研究科では、教育力の向上と教育の質を保証するために日本技術者教育認定機構(JABEE)から国際水準での教育課程として認定を受けている分野もあり、これを軸とした教育改革の推進も視野に入れている。

厳しい時代だからこそ、自分を見極める力を

佐藤 研司(さとう けんじ) 教授
経営学部長
佐藤 研司(さとう けんじ) 教授
(任期:2009.4.1〜2011.3.31)

 1996年に龍谷大学に着任。広告代理店から大学に転身した異質な存在。流通政策や広告論が専門。学内では、教務主任、RECセンター長、評議員などを歴任。
 学部長就任に際して佐藤教授からのメッセージは「世界的に経済の枠組みが大きく変わろうとしている。くわえて、国際的な金融不安が実体経済に大きな影を落とし、先行きの見えない不安定な状況が続いている。これまで通用したことが通用しなくなる世の中。企業を取り巻くさまざまな経済環境の中で自社の事業展開をどのように舵取りしていくのかを戦略的に考えるのが経営学である。目先の変化に捉われることなく変化の本質を見極める力、変化への対応策を論理的に組み立てる力、施策を確実に実行できる力、企業人として求められるこうした力を身につけることが重要。今年度、経営学部はカリキュラムを一新、これまで培ってきた少人数教育や実践的教育という特徴のある資産を受け継ぎ、同時に、学生個々の学修目標に沿った教学の提供を実現していく。大学4年間を通して自分をしっかりと見極め、変化に対応する力を付けて欲しい。そのためのあらゆるサポートをしたい」。

試練の年、一丸となって前進を期す

田中 則夫(たなか のりお) 教授
法科大学院長
田中 則夫(たなか のりお) 教授
(任期:2009.4.1〜2011.3.31)

 専門は国際法。1981年に法学部に着任。2005年から法科大学院(法務研究科)に移籍。
 大学では、教務主任、学生主任、研究主任、大学評議員、教職員組合委員長、国庫助成教授会連合関西協議会代表などを歴任し、法科大学院長は二期目。
 学会関係では、国際法学会常務理事、世界法学会理事、日本国際法律家協会理事、民主主義科学者協会法律部会理事、日本学術会議連携会員、文部科学省科学技術・学術審議会海洋開発分科会委員、同審議会海洋科学技術委員会委員など、幅広く活動している。
 法科大学院は、2009年度で5年目を迎える。田中教授は、「法科大学院では、入学生の質の確保、厳格な成績評価・修了認定、新司法試験の合格率などが厳しく問われている。関係者が一丸となって努力を重ね、前進を期したい」と決意を語る。

伝統を大切にしつつ
新たな短大の在り方を切り開き、教学責任を果たす


藤原 直仁(ふじわら なおひと) 教授
短期大学部長
藤原 直仁(ふじわら なおひと) 教授
(任期:2009.4.1〜2011.3.31)

 専門は心理学。現在は生理心理学の領域から、聴覚注意の分析などを研究課題としている。学内では、研究主任、教務主任、大学評議員や、広報誌「龍谷」の編集委員長も務めた。
 「日本の短期大学の多くが、非常に厳しい時代を迎えている中で、本学の短期大学部は、実績を踏まえ一定の評価を得てきました。これからも受け継がれてきた伝統を、大切にしていく必要があります。しかし、その上にあぐらをかいているわけにはいきません。伝統を大切にしつつも、開学370周年という節目の年に、新たな短期大学部像を明確な形で示すことが肝要です」。
また教学上の観点から、大学が果たすべき社会的責任の重要性を強調。
 「これからの学生は、大学で何を学んだかが間違いなく問われます。そのためわれわれも、入学後、何が学べるのかを責任をもって説明し、教育していくことが求められます。短期大学部では文部科学省に採択された取り組みも含めて、学びの内容を可能な限りわかりやすく示してきましたが、引き続き教学責任を果たすための方策を、さまざまな角度から検討していく必要があると考えています」と抱負を語り、更なる発展をめざす。

創設20周年を経て、社会学部の理念である「現場主義」を活かす

小椋 博(こむく ひろし) 教授
社会学部長
小椋 博(こむく ひろし) 教授
(任期:2009.4.1〜2011.3.31)

 2005年、龍谷大学社会学部に着任。専門はスポーツ社会学。国、公、私立大学に勤務し、様々な大学の環境、地域の生活、異なる教育・研究条件を体験してきた。
「社会学部のある瀬田キャンパスの環境はすばらしい。特に気に入っている」と前置きしたあと、「龍谷大学社会学部では現場主義ということを、理念の中心においてきた。社会学部は昨年、創設20周年を迎え、改めてこの現場主義を教育や研究の基本とすることを確認した。いろいろなフィールドに出かけ、現場の人と共にそこに固有の課題や良さ(資源)を発見し、解決の糸口を見出すというアプローチである。それらの過程と努力のなかで、積極的に社会参画する力を身につける教育の方法と目的は、ますます重要性が高まっていくと信じている。最近では、現場力と言う言葉も聞かれる。学生達には、これらのプロセスの中で自分自身の成長を実感していってほしい」。豊富な経験にもとづく現場主義に期待が集まる。




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