龍谷 2009 No.67

学部News (2009.4月〜2009年9月)
文学部経済学部経営学部法学部
理工学部社会学部国際文化学部短期大学部法科大学院
実践真宗学研究科

文学部  
龍谷大学高大連携教育プログラム(文学部)の様子
龍谷大学高大連携教育プログラム(文学部)の様子
2009年度 
龍谷大学高大連携教育プログラムの実施


 文学部では、2007年度から、人文科学に関する学問領域に興味・関心を持つ高大連携協定校の3年生を対象に、学問への理解を深め、学科(専攻)選択に役立つ情報を提供する学部独自の教育プログラム「龍谷大学高大連携教育プログラム(文学部)」を実施している。
 この教育プログラムでは、日頃の高校生活では体験できない大学での「学び」に主体的に取り組んでもらえるよう、様々な課題学習をおこなっている。
今年度は、8月5日(水)〜8月7日(金)の3日間にプログラムが実施され、8高等学校から14名が参加した。各生徒は、「3日間、龍大生になる!」をコンセプトに、『大学における学び』を「人間」・「歴史」・「言葉」をテーマとした「講義」と「実習」を体験した。これら「講義」・「実習」では、今年4月に開館した情報教育棟である清風館や、国宝・重要文化財等の貴重書を蔵書している大宮図書館、重要文化財に指定されている本館、北黌・南黌学舎の教室など大宮キャンパスの『学びの環境』をフル活用した。また、一般には入ることができない西本願寺の貴重な施設内部にまで見学ツアーをおこなった。
 このプログラムを通して各生徒が『大学における学び』を肌で感じるとともに、高校生活における目標が『大学に入学する』ことから、『大学で学問を修得する』という具体的な目標に変わるための知的発見の場となることを期待している。

経済学部  
『地域自立への挑戦』をテーマに
     清成 忠男(法政大学名誉教授・元総長)講演会


清成 忠男(法政大学名誉教授・元総長)講演会

講演会の様子
講演会の様子
 7月20日に本学経済学部の経済学会主催で「地域自立への挑戦」と題した講演会が開催された。講演者は清成忠男氏(法政大学学事顧問、法政大学元総長)。中小企業論が専門の清成氏は、1970年に「ベンチャー・ビジネス」という言葉・概念を世に送り出したことでも知られるが、同年代からの八重山諸島、沖縄島での「島おこし運動」の主唱者でもあり、高等教育においても大学基準協会会長を務められるなど、多くの分野で重要な地位を歴任されている。
  本講演では、日本各地の事例をあげて地域自立の方法を黒板に図示しながら述べられた。地域自立において重視されていたのが、「内発的発展」と「自治」であり、近年の地域分権を進める動きについても、「地域分権は目的ではなく、地域分権を活用する地域の努力が必要である」などと、法や制度ではなく、個人、主体の重要性を強調された。また、地域格差として高等教育の問題も挙げられた。
  「地域経済論」の講義の一環として出席した学生には、講演会後に感想を求めたところ、多くの学生がこれらの課題について身近な問題にからめて感想を述べていた。学部生や大学院生、教職員ら約200人が熱心に話に耳を傾けていた講演会であった。

経営学部  
中国・大連へ行っCHINA!

龍谷大学・大連外国語大学共同教育プログラムの様子
龍谷大学・大連外国語大学共同教育プログラムの様子
   2009年度龍谷大学・大連外国語大学共同教育プログラムが、8月5日(水)〜12日(水)の8日間実施された。
 今年度は、行き先を日本語教育に定評のある大連外国語大学に変更した。 龍谷大学側は全6名(男性5名、女性1名)、大連外国語大学側は女性17名が参加した。
  午前中の授業は、中国側教員による講義と日本側教員による講義形式でおこなった。今年は、三島倫八教授から「日本的経営について」及び「日本の雇用システム」、青木俊一郎教授(日中経済貿易センター理事長)から「日本の高度経済成長」及び「松下電器の商品開発」というタイトルでおこなわれた。特に松下の商品開発の授業では、創業者である松下幸之助氏の経営理念等々の興味深い講義がなされ、日中双方の学生の目が一段と輝いていたのが大変印象的だった。
 午後の授業は、学生各自の事例報告と質疑応答をおこなった。大連外国語大学の学生達は日本語学院に所属し、全員、外国語である日本語を駆使し、すばらしい発表を展開した。本学の学生もまた、事前研修で得た助言をもとに、堂々と発表をおこなった。
 放課後は、日中双方の学生達が懇親を深めた。これら一つ一つの経験は将来社会人になったときの糧になるであろう。
 経営学部のプログラム科目には、もうひとつ北海道網走での「地域と企業」というコースがあり、こちらは9月実施予定である。東京農業大学との共同プログラムで、現在事前研修中である。

法学部  
1回生が受講する基礎演習、討論会での活動

2008年度基礎演習、討論会の様子
2008年度基礎演習、討論会の様子
  法学部の基礎演習の特色は、授業を教員のみで運営するのではなく、クラスサポーターと呼ばれる上回生が1クラス、2名程度配置され、クラスサポーターとともに授業を運営していくこと。
 このような基礎演習の最大のイベントは、後期におこなわれるクラスサポーター主催の討論会。討論会は毎年12月前後に開催され、討論会のテーマや形式などは後期に入ってすぐに発表される。発表されると、各クラスはクラスサポーターの協力のもと、討論会での役割を決めたり、テーマについて事前学習をするなどの準備に入ることになる。
 最初は学生の間でもやる気のある学生、ない学生など様々。しかし、時間が経つにつれクラスサポーターの支援もあって、自主的に勉強会を組織し、時には夜遅くまで与えられたテーマについて1回生間、あるいはクラスサポーターも交えて議論を重ねるなど、クラスはまとまり始め熱心に取り組むようになってくる。
 このような過程を経て行われる討論会は、1回生にとって非常に学ぶべきものの多い貴重なもの。というのも、討論会の全過程を通じて、学問に関してもそうだが、それだけでなく、あるいはそれ以上に人間的にも学生が目を見張るほどに成長するのが分かるからである。そして、それは学生のその後の大学生活にも大きな影響を与えているように思われる。
 このように、討論会は法学部生の大学生活における欠かせないイベントとなっている。

理工学部  
「龍谷大学と明治大学の研究科で単位互換授業始まる」

数理情報専攻開講科目「数理情報学特論」の講義風景

数理情報専攻開講科目「数理情報学特論」の講義風景
数理情報専攻開講科目「数理情報学特論」の講義風景

 関西圏の大学と首都圏の大学の教育・研究協力の新たな1ページとして、2009年3月28日に龍谷大学と明治大学との包括協定が結ばれた。また、それぞれの理工学研究科間では単位互換と研究指導に関する覚書も併せて締結され、これを受けて、今年度の龍谷大学数理情報学専攻開講の「数理情報学特論」(集中講義形式)を明治の大学院学生に提供できることになった。来年度はこの科目に加えて「現象数理科学特論」を開講することになっている。
 また、明治大学側が提供する4つの大学院科目を龍谷大学理工学研究科の大学院生は受講することができる。8月6日〜8日に開講された「数理情報学特論」を4名の明治大学の院生が受講したが、その講義内容に大変刺激を受けた様子で好評であった。
 今後はこのような単位互換のみならず、研究指導でも院生間の交流が期待でき、研究活動に大いに刺激を与えることと思われる。
 なお、9月2日には龍谷大学と広島大学でも大学間交流に関する包括協定及び学生交流に関する覚書が結ばれた。これによって、すでに協定が結ばれている、龍谷-明治、明治-広島間に加えてトライアングルの協力体制が完成する。
 広島大学を含めた大学間交流は、今後ますます進展することが期待できる。


社会学部  
社会学部学会主催講演会
「僕らは世界を見ているか!?〜フリーフォトジャーナリズムの可能性〜」


講演会の様子

講演会の様子
講演会の様子

 7月7日におこなわれた、この講演会では写真家・大石芳野氏をお呼びし、フリーフォトジャーナリストという立場からマスメディア、ジャーナリズムの問題、これからの写真の可能性について学生との対談を交えながら語っていただいた。スライドショーで大石氏の写真を流しながらの講演だったが、普段、新聞などのマスメディアで使われるものとはまた一味違った写真たちに学生たちは熱心に見入っていた。
  大石氏は講演会の中で「真実を知るためにはどのメディアを使えばいいのか」という学生の質問に対し、「マスメディアだけではなく、たくさんのメディアに触れること、自分で真実を知ろうとすることが大切である」と語った。今回のテーマである写真の力については「写真には、動画のように動きや音もない。しかし、1枚の写真だからこそ見えない部分を人々に想像させる力がある」と写真の魅力について語った。
  当日、会場となった瀬田学舎2号館219教室には200人近くの来場者が詰めかけ、大盛況のうちに講演会は幕を閉じた。学生スタッフは今回の成功を糧に、後期のイベントに向けて早くも動き出している。


国際文化学部  
「芸術・メディア」を学ぶ学生に向けた書籍を刊行

芸術・メディアのカルチュラル・スタディーズ
  国際文化学部では、教育カリキュラムの中に7つのコースを配置しており、各コースがその教育内容をわかりやすく伝えるため、様々な活動をおこなっている。今回そのひとつとして「芸術・メディアコース」の教員陣が中心となり、教員それぞれの研究・教育活動をわかりやすく、また各分野の国際的・文化的なつながりを伝えるための書籍を刊行した。
 『芸術・メディアのカルチュラル・スタディーズ』(佐々木英昭・松居竜五編著/ミネルヴァ書房)と題した本書が扱うテーマは、芸者や狂言、昔話、イスラーム美術のような伝統文化から、マンガ・アニメ、広告・CM、ポップミュージックのような現代文化、また華僑・華人やおカネと利息の問題まで実に多種多様で、このコースの楽しさと充実度を感じずにはいられない。これらのテーマを、イメージを分析することによる文化理解、国家や時代といったボーダーラインを越えていく芸術、社会の媒介者となり人と人とをつなぐメディア、といった視点から、各教員が独自の分析を展開し、また実践者として自らの経験を語っている。
 また、本書の特徴として、教育の場面での教科書や副読本として活用されることを意識し編集されている。問題意識を持って各テーマを捉えることができるよう、各章の最後には「課題」が掲載され、また関連する書籍を紹介する「ブックガイド」が記されるなど、更なる学習への道筋がつけられている。 先日、本書の刊行を記念した合評会が、大学院科目「コアセミナー」と合同でおこなわれた。講評者からの報告とそれにもとづく討論の中に大学院生が参加し、本書の内容を批判的に検討し、議論する場をもつことができた。今後も、本書を通じて「芸術・メディア」を学ぶ学生の興味や関心が刺激されることを期待している。

短期大学部  
龍谷大学 短期大学部専攻科 記念事業
「短期大学部専攻科 18 年のあゆみ」記念講演会・シンポジウムを開催


唯識-こころの仏教-

 龍谷大学短期大学部は、2011年新学科開設(構想中)学科改組の検討を進めている。その計画の一部として、今年度をもって短期大学部専攻科福祉専攻の学生募集停止が決定された。短期大学部専攻科福祉専攻は1992年に開設され、現在までに約700 人の介護福祉士を社会に送り出し、修了生の多くが社会福祉現場で活躍、また教育現場で後進の育成にあたっている。
 専攻科のこれまでを振り返るとともに、今後の社会福祉や短期大学部の在り方を考える機会とするために、2009年11月21日(土)「短期大学部専攻科18 年のあゆみ」記念講演会・シンポジウムを開催することとなった。
 記念講演会は、「 命のメッセージ 」をテーマに旭山動物園名誉園長 小菅正夫氏にご登壇いただく。またシンポジウムは、現在社会福祉現場で活躍する専攻科修了生や元専攻科教員、現専攻科教員が「 介護福祉士誕生と専攻科の軌跡 」をテーマに、今後の介護福祉と短期大学部のあり方について討議する。
 当日は、社会福祉施設の関係者をはじめ、龍谷大学短期大学部元教職員、専攻科福祉専攻修了生、専攻科福祉専攻在学生が出席する。 (一般来聴不可)


法科大学院  
縦のつながりで、主体的な学習を支援 -修了生TS制度を開始-

修了生TS(杉山文洋さん2009年3月修了)による3年生対象のゼミ
修了生TS(杉山文洋さん2009年3月修了)による3年生対象のゼミ
  2009年5月に実施された新司法試験において、本法科大学院修了生32名が短答式試験の合格を果たした。そこで、この夏、修了生の希望もあり、そのうちの10名にチュートリアル・スタッフ(TS)となってもらい、在学生の学習支援に取り組んだ。
 本法科大学院は、他の法科大学院と比較して教員一人あたりの学生数が少なく、きめ細かな教育指導をおこなうことが特色の一つであるが、教員と学生の関係だけでなく、在学生同士の緊密な関係の中で、ともに切磋琢磨する気風がある。これまでも積極的に共同学習や勉強会を開いて、先輩が後輩の様々な相談や質問に応えるなど、正課教育以外での自主的な学習がおこなわれてきたが、他の法科大学院と比べると、法科大学院教育の受講経験とそれを踏まえた新司法試験の合格経験を活かした、より実践的な指導が必要とされていた。今回、TSとして採用された修了生には、在学生らが前期に学んだことの復習、自分が取り組んできた学習方法などの伝授などの指導をお願いし、後輩の学習を積極的に支援していただいた。
 このように修了生をTSとして責任ある立場で後進の育成に取り組んでもらう制度を設けたことにより、法科大学院教育を中心に据えた自主学習の効果向上が一層期待される。
 さらに今後は、より多くの本法科大学院の修了生が法律家として働きながら、法科大学院の教育に協力いただけるような関係づくりに取り組んでいきたい。

実践真宗学研究科  
時代に対応する実践的な宗教家をめざす

時代に対応する実践的な宗教家をめざす

勤行(おつとめ)の様子
勤行(おつとめ)の様子
  今年4月、宗教を現代社会で実践するために開設された大学院実践真宗学研究科は、24名でスタートを切った。うち社会人入学が5名である。年齢層も幅広い。
 実践真宗学研究科では、講義も浄土真宗の教学を学習するものだけでなく、現代社会の問題に対応した医学やカウンセリング、メディア研究に関するものなど多角的におこなわれている。
 また実践真宗学合同研究室では、院生が自主的にいくつかのサブゼミを運営し、聖典を読みながら親鸞聖人(浄土真宗)の教義の基礎を学んでおり、実践的真宗活動にインターネットを活用するための基礎的な研究として、実際にブログの展開を試みたり、より有効な情報収集や伝達の方法を研究中の院生もいる。
 講義終了後の夕方には勤行(おつとめ)がおこなわれ、合同研究室内に学生の調和された声明の声が響きわたっている。
 さらに土、日を利用して講演会への意欲的な参加、本願寺ビハーラでの勤行と法話の実習、夏休みを利用してハワイの浄土真宗の伝道の実態調査へ出向など、学内だけに留まらず様々な実践的研究活動に積極的に取り組んでいる。
 しっかりとした目的意識を持ち、多様化・複雑化している現代の諸問題に正面から取り組んでいく姿勢が見え、今後がますます楽しみである。

アジア・アフリカ総合研究プログラム
アジア・アフリカ地域研究の分野で民衆の立場に立った人間重視の教育を提供。
本プログラムは、法学・経済学・国際文化学の3研究科共同の大学院修士課程プログラムです。各研究科から同地域研究の専門教員がプログラムに参加し、学生を指導しております。
日本とアジア・アフリカ地域の関係が発展するなかで、多数の本学学生が本プログラム設置のフィールド調査支援制度を利用して研究成果を上げています。
フィールド調査を実施した学生のレポートを紹介します。
マラウィ農村部の水の現状
調査地:マラウィ(ンコタコタ県、ムワザマ地区)

マラウィ農村部の水の現状
  龍谷大学院、アジア・アフリカ総合プログラムのフィールド調査補助費の助成を受けマラウィ共和国ンコタコタ県ムワザマ地区のチャポタ集落においてフィールド調査をおこないました。以前、同助成のもと同地区の60集落1255世帯に対する生活実態調査をおこないましたが、本調査はチャポタ集落の47世帯に対するフォローアップ調査でした。チャポタ集落の現状について以下に紹介します。
 全調査村には約6種類の水源がありますが、チャポタ集落ではオープンウォーターといい、地面を掘りわき出る水をすくいあげて利用する非常に粗末な水源を使用しています。雨季には水源が雨で流されてしまうか、そうでなくても水が濁ったまま雨が止むまで土が沈殿しません。逆に、乾季では、水が干からびてしまい深刻な水不足に陥ります。そのような現状より、女性と子供の水汲みの負担、不衛生な飲料水が生活上の問題としてあげられます。
 あまりにも水が濁っていたり、干からびていると、女性や子どもはボアホール(ポンプ式井戸)のある集落まで1日3、4回水を汲みに行きます。共同の水源であっても1日につき家族ごとにいくらかのお金が必要です。また、子供は水汲みを含め家事を手伝うために学校に行けません。また、彼らは不衛生な飲料水をそのまま飲み不衛生な状況が窺えます。水は生活上最も必要であるが故に、深刻な状況に直面した調査でした。

NPO・地方行政研究コース
分権社会において活躍する高度専門的な資質を有する人材を育成
地方自治体やNPO団体からオンジョブで学ぶ社会人院生と学部卒院生が学びと議論の場を共有し、理論と実践をつなぐ新しい大学院教育をめざした法学研究科・経済学研究科の共同運営コースです。
協働型教育・研修「地域協働トライアル」

協働型教育・研修「地域協働トライアル」
  本コースでは地域社会における公共的活動を担っていく「地域公共人材」の育成の一環として、「地域協働トライアル」を実施しています。「地域協働トライアル」の柱をなすのは、丸2日間にわたるワークショップです。本学院生、行政やNPOの職員、さらには地元事業者や住民組織からも参加を募ります。
 ワークショップでは、小グループの意見交換による相互理解をとおして、地域社会での所属組織や立場を越えた協働目標を共有することをめざします。大学院教育が地域社会の中で展開されることと、地域協働研修の仕組みづくりに大学が寄与することを、同時に追求しているところが特色です。
 今年度からは、いよいよトライアルの段階を終えて、本格的に大学院講義と地域研修とを連携させる形に発展させることができました。今年度のワークショップ(2009年8月28、29日開催)の基調講演-富野暉一郎法学部教授「協働と連携による地域づくり」-は、各自治体の職員への出席もよびかけ、総勢150名の参加者が地域の協働について一緒に考えていくことができました。
 「地域協働トライアル」は2007年度から毎年実施しています。これまでの実施地域は、京都南部地域(宇治市、城陽市、木津川市)、京都中部地域(亀岡市、南丹市、京丹波町)で、今年度の京都北部地域を含めると京都府全域を網羅します。参加者、および関係者を含む関与した人員の総数は、延べ250名に及びます。本コースの特色である地域連携の成果を示す取り組みのひとつです。




異文化共生

国際関係コース  
国際関係コース
年末の恒例行事
異文化研究会・交流会、
スタディツアーを開催!


 あるゼミが始めた映画上映会をきっかけにスタートした「異文化研究会・交流会」も今回で6回目を数え、国際関係コースの年末行事としてすっかり定着した。
  異文化研究会では3年生のサポートの下、2年生が中心となって運営を担当し、アフリカ、スペイン、ドイツ、イギリス、中国といった世界の各地域に関する研究発表をおこなった。その後、場所を移し全員一堂に会しての異文化交流会では大いに語り合い、人間の輪を広げた。
  国際関係コースのゼミの違いを超えた交流や、学生と教員の距離の近さには、この異文化研究会・交流会が大変貢献している。この会が一般的な「懇親会」や「打ち上げ」と大きく異なるのは、各ゼミごとに趣向を凝らした料理が供される事だ。2008年には、生協で用意された料理以外にも、毎年恒例となったスペインゼミのパエリアやドイツゼミのホットワイン(成人のみに提供)のほか、イギリスゼミからは紅茶のテイスティング、中国ゼミからは留学生3人の技術指導による「トマトと卵の炒め物」など各国の名物が供され皆を楽しませた。
  また、昨年度は、国際交流史の発見を目的に明治村見学をメインとしたスタディツアーも実施した。
  年末の小雪がちらつく日だったが、明治村にて明治時代の建築物が移築された建物を見学することにより、日本の近代化を振り返ることができた。
  夜には交流会をおこない留学生も含めて懇親を深め、翌日はキリンビール名古屋工場見学と、充実した2日間となった。
  国際関係コースの学生には、学内の外国語コンテストに参加する者や、交換留学に応募する者が多いため、皆多忙な日々を過ごしている。しかし、これらの様々な貴重な経験が必ず将来の糧になっていくことだろう。


英語コミュニケーションコース  
英語コミュニケーションコース
シュミレーションゲームを通じて
異なる文化や価値観を体験


 英語コミュニケーションコースでは6月4日、3時間にわたって異文化シュミレーションゲームを開催した。
  このシュミレーションゲームは、Intercultural Discussionの授業を履修している学生だけではなく、コース内外の学生や事務職員、学部教員なども幅広く参加しておこなわれた。
  ゲームの参加者は、まず2つのグループに分かれ、グループごとに設定された「文化」の価値観や習慣について学び、その「文化」のルールに従ってグループ内で行動する。そして、各グループから選出されたメンバーが相手のグループを訪問することで、異文化体験をシュミレーションする。また、そのメンバーがもとのグループへ戻った際には、相手グループで体験したことや感じたことなどを自分のグループのメンバーに報告し、文化の違いや自身の考えをメンバー間で共有した。
  この作業はグループのメンバー全員が相手グループでの体験を終了するまで繰り返しおこなわれた。
  参加者はこのシュミレーションを通じて、未知の「文化」に対応する過程で生じる感情や、コミュニケーション問題、カルチャーショックの体験などについて活発に議論する機会を持つことができた。
  参加した学生達からは、「人間がいかに異なった思考のスタイルを形成し、判断するかということがわかり、とても興味深かった」という意見や、「このシュミレーションは文化の違いを知る上で、とても良い方法だと思った」、「外国に行ったとき、この体験が役立てば良いと思う。すでに知っている文化についても、より理解が深まると思う」といった感想が寄せられた。
  机上の知識だけではなく、実際に体験をすることで、異文化理解をより深める好機となった。



人間環境共生

スポーツサイエンスコース  
スポーツサイエンスコース
カリキュラムの見直しにより
より学びやすい環境を実現


 スポーツサイエンスコースは、1994年、国内の大学では初めて、法学部・経営学部・経済学部に入学した学生が共に学べる学部共通コースの1つとして開設された。このスポーツサイエンスコースは、入学した学部での学びに加え、教養に関する学び、さらにスポーツサイエンスコースでの学びを通して、多様な資質を身につけた学生を育てることを目標としている。
  スポーツサイエンスコースのカリキュラムは、トレーニングやコーチング、スポースマネジメント、健康とのかかわりなど学生各自の興味を入り口にスポーツへの関心を高め、測定機器を取り入れた実習やフィールドワーク、演習での研究などを通じて、多様化する現代スポーツの諸事象を幅広い視野を持って分析・対応できる資質が身につけられるよう編成している。
  2009年度には、教授・学修内容の検討によって科目の統廃合や名称変更、セメスター制への対応などのカリキュラム改正をおこなった。この改正によって、履修のしやすさとともに、幅広い分野を無理なく学ぶことが可能となった。
  また、スポーツ統計学およびインターンシップ実習を新設した。スポーツ統計学は、スポーツ諸事象を客観的に評価し、プレゼンテーションするため統計ソフトをツールとして活用できることを目標としている。また、インターンシップ実習は、龍谷大学が取り組む協定型インターンシップ(P14参照)に参加することによって単位認定される。受け入れ先企業には、京滋地域以外にも全国のスポーツ関連企業、新聞社や教育委員会が名を連ね、現場での体験、より実践的な学びを可能とした。
  その他、健康運動実践指導者やトレーニング指導にかかわる資格、アシスタントマネージャーなど資格取得のためのカリキュラムも整えている。
  社会や産業・行政、あるいは健康スポーツ・競技スポーツと密接に絡み合うスポーツ科学を広く学び、研究する環境を充実、整備してきている。


環境サイエンスコース  
環境サイエンスコース
実践的な研究から
持続可能な社会を考える


 現在、進行している地球規模での温暖化の原因として報告されているのは、エネルギー消費によって排出される温室効果ガスという人為的なもの。また、急速な人口増加による水資源や食料の不足なども懸念されている。
  20世紀に大きく発展を遂げた科学技術の恩恵により人類は便利で快適な生活を享受できるようになった一方で、温暖化や砂漠化をはじめとする地球環境問題や廃棄物の増加、有害化学物質のリスク、生物多様性の喪失などの様々な環境問題にも直面している。21世紀は「環境の世紀」と言われている。私達は将来の世代のためにも環境と経済が両立した持続可能な社会をめざして取り組む必要がある。
  2002年にスタートした環境サイエンスコースは、これら多様な環境問題の解決に貢献する事を目的としている。環境問題発生のメカニズムを理解し、様々な場所における課題や解決方策などを自然科学・社会科学・人文科学の視点から学際的に教育している。
  環境問題で大切なことは、実際の現場で事象に触れて考察すること。本コースでは野外での、海の生物の多様性調査、里山の保全、太陽光発電をはじめとした新エネルギーの拡大などを考える「環境フィールドワーク」と、学生が自ら企画して企業やNPOなどでインターンをおこなう「環境実践研究」などの特色ある科目を配置しており、学生達は意欲的に自分のテーマを見つけて取り組んでいる。また、所定科目履修者は自然環境復元協会の「環境再生医」の資格を取得できるほか、商工会議所主催のECO検定や3R検定などの受験に役立つ授業を展開している。
  卒業生は、本コースで学んだ環境知識を活かして企業や自治体などで活躍しており、環境問題を通じて得た視点や知識が、今後、ますます社会の現場に貢献する事が期待されている。



学部共通コース

学部共通コースとは、3つの学部という枠組みを超え、自らの興味・関心や将来の目標に合わせて、現代社会が抱える様々なテーマを、系統的かつ重点的に学ぶ、学際的な教育プログラム。

経済学部・経営学部・法学部の学生が対象(2年生後期からコースを選択)

学部共通コース





←トップページへ戻る