龍谷 2010 No.70


RYUKOKU SPORTS

バドミントン部
6月におこなわれた関西バドミントン選手権大会(関西インカレ)で、男子シングルスと女子ダブルスで優勝を果たした。しかも、男子シングルスも、女子ダブルスも、決勝は本学同士の対決という展開に。上位を独占し、龍谷大学の強さを印象づけた。
 
自分のプレースタイルを貫き
つかんだ勝利
 「優勝をめざしていたが、本当にできるとは思っていなかった」と語るのは、男子シングルスの覇者・山形章悟さん。「決勝で対戦した吉村先輩はネット際のプレーが上手いし、上げたらスマッシュを打たれる。そこをどう切り抜けるか。最後まで厳しい戦いでした。しぶとく粘りながら攻めていくという自分のプレーがちゃんとできたのが勝因かな」と、自分の戦いを分析する。
 すると吉村さんも、「山形は、ほんとうにしぶとい。確実なプレーを心掛けていましたが、徹底的に粘られました」と、お互いを知り尽くした上での同校対決は、心理戦でも激しい火花を散らしていたようだ。
 一方、女子ダブルスで優勝した河崎綾佳さんと牧野美咲さん。大会への思いを牧野さんは、「5月の春季リーグ戦では試合に出られなかった。それが悔しくて、二人でがんばろうと話していました」と語る。
 二人は息の合ったプレーで勝ち進み、決勝はこちらも同校対決で、学生界トップレベルで活躍する西友理さん、高橋真理さんペアとの戦い。お互いに声を掛け合い、最後まで気持ちを切らさないプレーで、白熱戦の末に勝利を手にした。「私達が目標としている先輩との対決だったので、胸を借りるつもりで向かっていけたのが良かったと思います」と河崎さん。
 スピードを信条に前に出るタイプの河崎さんと、バックをしっかりとカバーする牧野さん。お互いのめざす戦い、役割をしっかりやり遂げての優勝だった。
 
もっと強くなるために
これからも戦う
 河崎さんは次の目標について、「私はダブルスが好き。でもまだまだ足りないところがたくさんあるので、一生懸命練習して完成度を上げていきたいと思います。次の西日本でも、勝ち上がっていきたい」
 牧野さんも「バドミントンで、チームワークとかお互いの思いやりを学びました。一人暮らしをさせてもらっていることに、両親には感謝の気持ちでいっぱいです。皆さんの思いに応えるためにも、これからも執着心をもってがんばります」。戦いを重ねるごとに、二人のダブルスはますます磨かれていくに違いない。
 熱い思いは男子も負けていない。吉村さんは「僕は個人戦より団体戦が好きです。チームワークで勝つことに喜びを感じます。それなのに、春季リーグはポイント差で2位に甘んじてしまった。次の西日本では春季リーグ、関西インカレでの課題を克服し、全日本を視野に入れながら、ぜひとも優勝したい」。その言葉に気迫がこもる。
 山形さんも、「もっと強くなるために自己管理をしっかりして、勝ちにこだわっていきます。関西の選手は全日本インカレになかなか勝ち上がっていけないけど、今度は個人戦でベスト8を狙いたい」
 好成績を残した今に満足せず、常に前を向いて挑戦するバドミントン部のさらなる活躍に期待したい。
 
バドミントン部

よしむら りょう
吉村 諒さん
経済学部3年生 西陵高等学校出身

やまがた しょうご
山形 章悟さん
経営学部2年生 東大阪大学柏原高等学校出身

かわさき あやか
河崎 綾佳さん
短期大学部社会福祉学科2年生
大津商業高等学校出身

まきの みさき
牧野 美咲さん
法学部2年生  四天王寺高等学校出身

 
ソフトボール部
今年6月、シンガポールにておこなわれた「アジアパシフィックソフトボール選手権大会 2011」(以下、今大会)に出場したソフトボール部の前出由佳さん。東西からそれぞれ16名ずつが選ばれる学生選抜への参加と国際大会の経験は、前出さんに大きな収穫をもたらした。
 
初めての大舞台へ
 初の学生選抜、そして国際大会という大舞台。海外旅行も初めてという前出さんにとって、この出場は学生生活最後の年にふさわしい一大イベントとなった。西日本選抜の選考結果が発表されたのは、大会開催の約1カ月前。
 吉報に驚く暇もなくシンガポールに到着すると、今度は慣れない生活環境に悩まされた。
 香辛料の独特な香りに馴染めず食事はファーストフードばかり。言葉の壁を感じてうまく自分の意思を伝えられないことも、もどかしかった。
 5歳上の兄の影響で小学1年生から野球を始め、中学からソフトボールに転身して高校、大学とひたむきに白球を追い続けてきた前出さん。今は主将としてソフトボール部を率い、4番、サードとしてチームに貢献。「『同じことをそんなに続けられるなんてすごいね』なんてよく言われますが、ただ好きなだけ。自分にはソフトボールしか無いと思ってずっとやってきました。だからいけるところまでいきたい」
 
周囲の支えに感謝
 今大会、前出さんが所属する西日本選抜は、アジアの強豪が並ぶなか見事、準優勝という結果を残した。 試合には勝つことができたが、オリンピック中継でしか見たことがなかった海外選手のプレーには圧倒された。
 「速く力強いバットスイング、多彩な変化球……。どれも今の私には無いものばかり。帰国したら龍大の皆にも見せようと、試合中は相手選手の写真をたくさん撮っていました。日本代表の選手も巧い人ばかりで、もっともっと練習しなくては、と思いました」
 とはいえ、前出さんも得意の俊足を活かして、西日本選抜の活躍に貢献した。今回、急遽招集されたチームは事前にサインや守備連携をまとめる時間が無かったため、各大学で採用している戦術を持ち寄って臨んだ。同世代の選手達のアイデアや工夫を知ることができたこの経験も、かけがえのないものとなった。
 また、国際大会ならではの試合運営も新鮮だった。大会中は突然のスコールによって試合が長時間中断することも多く、そのたびに運営スタッフと両チームの選手達が一緒になってグランドのシート設営・撤去作業をおこなった。「選手がグランドの作業に関わるなんて日本では考えられないこと。でも、一緒に作業をしながら両チームの選手同士で話ができる良い機会でした。学生選抜が出場した日本とは違い、海外からはクラブチームの参加もあったので様々な年齢層の選手とコミュニケーションできて楽しかったです。私はカタコトの英語でしたけど」
 この経験は日頃、自分達を支えてくれている周囲のありがたさを実感するきっかけにもなった。「食生活や練習設備、大会運営など、私達が日頃当たり前のようにしてもらってる環境は、周りの方々の支えがあってこそだと気づきました。あらためて家族や大学の皆さんに感謝する気持ちになりました。これからは、この貴重な経験をチームメイトとも共有して、レベルアップにつなげたいですね」
 
バドミントン部

まえで  ゆか
前出 由佳さん
社会学部4年生 水口高等学校出身

バドミントン部

中段右端が前出さん

 

←トップページへ戻る