甲子園の審判はおよそ40名。全国の審判員のなかから選ばれた方々と肩を並べられることに、誇りと責任を感じています。ちなみに私が40名のなかで一番の若手です。高校球児にとって甲子園は夢の舞台。しかし、審判をやっている者にとっても、そこは夢の舞台なのです。甲子園の土を踏めると思うだけで、心が躍ります。実は、私の出身高校は、一年先輩と一年後輩は甲子園を経験しています。でも、私の学年はアルプス・スタンドで応援することしかできませんでした。龍谷大学でマネージャーをして、卒業後も地元に帰らずにここで働き、審判を務めていたからこそ巡ってきたチャンスです。 私の記事が掲載されることを機に、若い人が審判に興味を持ち、私達と一緒にやってくれる人が一人でも出ればうれしいことです。また、キャリア開発部で出会う学生の皆さんをはじめ、全ての後輩達に伝えたいのは、自分で線を引いてあきらめてしまうことなく、いつも挑戦をしていてほしいということ。希望と違う結果になっても、それが別の道につながっていたりする。あるときには叶わなかった夢が、また別の形で叶うことだってあるんです。 選手達のがんばりに応えるためにも、ありったけの思いを込めて、一生懸命ジャッジします。
(この取材は大会前の7月15日におこないました)