龍谷 2012 No.73


 
研究展示「宮沢賢治の死生観 −雨ニモマケズ−」
「みんなむかしからのきょうだいなのだからけっしてひとりをいのってはいけない」
(宮沢賢治『春と修羅』青森挽歌)
長命 洋佑さん
日本大震災以降、人々の心の支えとなっている詩、それが「雨二モマケズ」である。本展では、「雨ニモマケズ」「永訣の朝」「注文の多い料理店」などの作品を通して、宮沢賢治の死生観を紹介した。特に、岩手県の宮沢賢治記念館の協力により、初めて「童話『フランドン農学校の豚』―いのちの重さをみつめて」展を開催し好評を博した。豚の涙は人間の傲慢さを顧みさせてくれる。2012年新春には、宮澤和樹氏(賢治の弟、清六の孫)に特別講演いただいた。
 さらに、宮城県南三陸町役場のご協力により、同センター研究員と被災地の方々との継続的な交流を展示した。「津波で家や家族を流されても、心は流されない」「愛する人は教えとなって今も心に生きている」。それらは闇を照らす光の言葉である。現場に行って心のケアに携わることを通して、深い悲しみから、真の絆が生まれていることを学んだ。
 
地域公共人材・政策開発リサーチセンター国際シンポジウム「東アジアから中山間地域の内発的発展を考える」の開催 2011年12月2日
長命 洋佑さん
 地域公共人材・政策開発リサーチセンター(LORC)は2011年12月2日(金)、「東アジアから中山間地域の内発的発展を考える」というテーマで、国際シンポジウムを開催した。て、深い悲しみから、真の絆が生まれていることを学んだ。
 第一部の基調講演では、保母武彦島根大学名誉教授が「東アジア中山間地域の将来展望のために」というテーマで講演。そのなかで、内発的発展による持続可能な社会実現の重要性を説いた。
 第二部では、「中山間地域の内発的発展」をテーマに、パネルディスカッションをおこなった。パネリストに劉正奎韓国地域財団運営理事、黄世輝台湾雲林科技大学教授、陳雲中国復旦大学副教授、春日隆司北海道下川町役場課長、塩見直紀京都府半農半X研究所代表をお迎えし、LORC副センター長第1班研究班長の矢作弘(本学政策学部教授)の進行で、中山間地域の今後のあり方について議論。約200名の参加者は、東アジア各国における内発的発展の実践報告に耳を傾けていた。
 
アフラシア多分化社会研究センター 国際シンポジウム「コリア半島の平和とアジアの国際関係」の開催 2011年11月24日
長命 洋佑さん
 アフラシア多文化社会研究センターは2011年11月24日(木)、Phase 2第1回アフラシア国際シンポジウムコリア半島の平和とアジアの国際関係≠開催した。本シンポジウムでは、コリア半島の平和の実現とアジア的視点からの国際関係理論の批判的検討に関連する課題に焦点を当て、北東アジアの平和とアジア的国際関係について議論した。
 午前の部、基調講演では徐清源元ハンナラ党代表が「コリア半島平和のための建設的提案」をテーマに講演。午後の部はSession 1コリア半島の平和と課題≠テーマに、朴鐘阜c尚大学校准教授、韓仁澤済州平和研究院教授、金映錫慶尚大学校教授による報告後、中戸祐夫立命館大学教授を討論者にディスカッションをおこなった。引き続き、Session 2では佐藤史郎京都大学特定研究員、清水耕介(同センター長・本学国際文化学部教授)、陳慶昌立命館アジア太平洋大学助教による報告後、ウィリアム・ブラッドリー
(同センター3班班長・本学国際文化学部教授)を討論者に“East-Asian International Relations”をテーマとして議論の場を持った。
 当日は天候にも恵まれ、午前・午後の部あわせて700名以上もの出席を得て、有意義な議論が繰り広げられた。
 
里山学研究センター 企画展覧会「農耕文化と暮らしを支えた山と里の物語展」の開催 2011年12月13日?24日

 里山学研究センターは2011年12月13日(火)から24日(土)まで、企画展覧会「農耕文化と暮らしを支えた山と里の物語展」を開催した。本企画展は日本人が「山と里」の資源をどのように利用してきたのか、そしてそのことが文化や宗教、社会の仕組みなどにどのような関わりを持っていたのか、地域の特殊性や国際的な関わりも視野に入れながら、多様な側面からとりあげた。奈良県立橿原考古学研究書附属博物館から弥生時代に出土した木製農具と正倉院宝物復元模造品の辛鋤を、また滋賀県立琵琶湖博物館、田上郷土史料館からは種々の農具をお借りし、中国や韓半島で出土した農具との比較により、来場者には外来文化がいかにこの国に定着し、変容していったかを考える機会を持つことができた。
 また、関連企画として2011年12月17日(土)に「山を活用する知恵―手仕事を中心にして」を開催。基調講演に作家の塩野米松氏をお迎えし、職人や森や山で働く人達の生き
方、仕事との関わり、自然との向き合い方を「聞き書き」し、まとめてきたなかで見えてきたことを講演いただいた。引き続き、塩野氏に加えて松本直子木地技術伝承者、宮浦富保(同センター長・本学理工学部教授)、須藤護(同センター研究員・本学国際文化学部教授)をパネラーにディスカッションをおこなった。
RYUKOKU ACADEMIC EYE

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