この祭りを、そして京都を、大好きになってしまった この想いに共感してもらえる人を増やしたい

第10回京都学生祭典実行委員会実行委員長
向島翔也(むこうじま しょうや) さん
文学部3年生 牧野高等学校出身

「自分の大学生活の全ては、この祭にあります」そう言い切る大阪・枚方在住の男がいる。顔合わせ早々、社会人のように取材陣に顔写真入りの名刺をすっと差し出し、逆にこちらがカバンをあさってアタフタしてしまった。首からは企業のIDカードのようにネームカードが下がっている。そのグリーンのストラップには京都の有名企業のロゴが並ぶ。「いつもはコンタクトなんですけど・・・撮影があると思ってなくって」と恥ずかしそうに眼鏡で席に着いた彼は、本学文学部3年生。大阪・枚方の実家から大宮学舎に通っている。通っているのは大宮学舎だけではない。毎日授業が終わるとそそくさと京都駅へ向かう。駅ビル近くの「キャンパスプラザ京都」6階の一室。ここがもう一カ所彼が通っている場所で「京都学生祭典実行委員会」の事務局である。彼の名は第10回京都学生祭典の実行委員長・向島翔也という。

学生がつくる巨大な祭「京都学生祭典」で、本学から初の実行委員長に

京都の蒸すような暑い夏が過ぎ、風が涼しくなり始める10月頃。いつもは静かな平安神宮・岡崎公園一帯が、毎年ある一日、驚くほど活気に満ち、にぎやかな歓声やかけ声、音楽、色とりどりの衣装に身を包んだ踊り手達や見物客で溢れかえる。「京都学生祭典」だ。祭といえば踊り。祭といえば音楽。そのエネルギーを結集して思いっきり弾ける一日。来場者は躍動する若者達の姿に胸を熱くし、明日への力をもらって帰路につく。過去9回の来場者数は最大で22万人にも達する。

そんな「京都学生祭典」は、その名の通り、京都の学生が主体となって企画運営・営業・広報活動などをおこなっており、祭当日には総勢約1500人が携わる。今年で第10回目を迎える記念すべき回に、本学初の実行委員長としてこの大きな祭をまとめあげる大役についた。さわやかな面持ちの裏に熱いハートを隠し持ち、入学直後から「京都学生祭典実行委員会」で企業や地域住民とともに活動するうちにそれがむくむくと成長し、止められない思いとなった。もう、この祭と、京都が、大好きだ。

もともと学生生活で何か一つ大きいことをやりたい、打ち込みたい、という想いがあった。2年前に京都学生祭典の説明会を聞きにいって「これだ!」と運命の出会いをする。1年目は警備部に所属し、本祭当日にイベントの規模の大きさに圧倒され、それを自分達でつくっているということにゾクゾクした。2年目は、営業部長に。当日までの企業への営業活動を通して、現実を見た。この祭は京都の多くの組織や人々、地域社会の理解や協力あってこそ成功させることができる。その成り立ち、社会の成り立ちをより深く理解できた。その中で、京都という町の難しさや面白さも知った。

そうやって2年間、京都学生祭典の実行委員として活動してみて、学生生活にすごく充実感を抱いていること、社会への感謝の想いが生まれていることに気づいた。「誰にも負けない京都学生祭典への想い、京都への想いに自信がありました。多くのことを学ばせてくれたこの祭を、もっと様々な人々や学生に楽しみにされる、決して自己満足に終わらない、末永く続く京都の伝統行事にしていきたかった。実行委員長を志願した原点はそこにあります」

共感の「糸」を紡ぎたい

10年目の京都学生祭典は、『想いと未来の「糸」を紡ぐ』をコンセプトに活動している。このコンセプトには、祭典に関わる多くの方々の想いを「共感」という「糸」として紡ぎ、ともに一つになって祭をつくりあげ、紡いだ「糸」をこれからの未来に太く丈夫に架けていきたい、という願いが込められている。

もっともっともっと知って、もっと参加してほしい!もっと地域に浸透させたい!そんな思いの向島実行委員長のもとで今年スタートした新企画は「京園 まくなし!」というイベント企画。当日を楽しみに来場してくれる人を増やすために、「事前により多くの地域の方々と京都学生祭典との接点をもちたい」という思いで、ゼスト御池やイオンモール京都などの商業施設で学生主催の小さなイベントを年間通して実施。大学生と地域の人々が触れ合えるきっかけの場をつくっている。それによってメディアなどで取り上げられる機会も増えたという。「それに、いきいきと笑顔で活動する実行委員の姿を見ることで、自分自身が励まされ、刺激をもらっています」

そして、愛する京都で働きたい

「まずは10月の祭へ全力投球です。その後は・・・。京都学生祭典に関わってから、京都独特の地域性や、たくさんの、志のある魅力的な企業を知りました。大学が集まり、ユニークな企業が集まり、昔気質の人々が暮らす、〝学生さん〟と親しみを持ってくださる京都だからこそ、様々な組織や人々・学生が動いて力をあわせてくれたおかげで、この祭が10年も続いてきた。そんな京都が楽しい。本当に好き。この先40年とか自分が働いていくとしたら、ほかのどこでもない、絶対にこの京都で働いて還元したい。京都で、興味のある教育分野に関われる道を探ります」

京都を愛する学生達の本番はもうすぐ。今年の10月はいったいどんな感動が待っているのだろう。さあ、10月7日(日)はお祭です。大学生のパワーをもらいに行きましょう。皆さん、ぜひ、お誘い合わせのうえ、岡崎公園へ!


第10回京都学生祭典 本祭

2012年10月7日(日)11時~21時
平安神宮境内、岡崎公園一帯(※岡崎公園周辺道路 交通規制予定)
主催:京都学生祭典実行委員会
共催:京都学生祭典組織委員会(京都府、京都市、京都商工会議所、社団法人京都経済同友会、公益財団法人 大学コンソーシアム京都)
詳細はこちら:第10回京都学生祭典公式 webサイト