就職協定締結時における学長挨拶

2012.04.04

皆さま、こんにちは。龍谷大学学長の赤松でございます。
本日は、「広島県と龍谷大学との就職支援に関する協定」の締結式にご参集くださいまして、まことにありがとうございます。また、平素は、本学の教育・研究および学生の就職に関しまして、ひとかたならぬご高配を賜っておりますこと、心よりお礼申しあげます。

龍谷大学は、今年で創立373年を迎えます。そうした長い「歴史」と誇るべき「伝統」を持ち得ているのは、つねに新たなフィールドに挑戦し続けながら、「幅広い分野で活躍する有為の人間」あるいは「次の時代を担う人間」の育成を図り、地域、社会、そして世界に貢献すべく努力してきた結果であると自負しております。

しかしながら、日本の大学を取り巻く現状には大変厳しいものがあります。本学も決して例外ではありません。だからこそ、先人達が築き、積み重ねてきた「伝統」や「歴史」に甘んじることなく、むしろ私たち自身が「伝統」を次世代へと発展的に送り届け、新たな「歴史」を刻んでいく主体となるべく、一層の努力をしていかねばならないと考えております。

そうした決意のもと、現在、本学では2020年の龍谷大学像を設定し、その将来像を実現すべく、長期計画に基づくさまざまな取り組みを推進しています。すでに、昨年の2011年4月には政策学部や短期大学部子ども教育学科を開設いたしましたが、さらに今年4月には文学部に臨床心理学科を新設するなど、「知性と活気に溢れる」大学づくりに邁進しています。

私どもが今取り組んでいる課題は多岐にわたりますが、しかし、やはり高等教育機関として何よりも優先すべきは「教育」であろうと、私は考えています。学生が確実に学びの成果を身につけ、自らの進路を力強く切りひらいていけるよう、大学は「教育力」をしっかりと発揮していくことが大切です。

すでに本学では、先ほど申しあげました長期計画の中で、「教育」の充実に向けた最重要課題の一つとして、「就職支援の充実」を掲げ、「就職に強い大学」あるいは「就職支援に熱い大学」の実現に向けて、キャリア教育に関連する多様なプログラムなどを展開しています。こうした取り組みを大学教育の一環として位置づけ、これまで以上に「教育力」を発揮して、「学生が社会的・職業的自立を図るために必要な能力」を養成することが求められていると言えます。龍谷大学では、8学部1短期大学部に約2万人が学び、そして毎年4,000名を超える学生を社会に送り出しております。本学が果たすべき使命として、キャリア教育、そして就職支援の充実は最重要かつ喫緊の課題であると認識しております。

昨今、学生のシビアな就職状況が社会問題としてクローズアップされています。また、グローバル化が進展する世界情勢を背景に、社会が求める人間像も大きく変化してきており、それに応じて、「社会人基礎力」という言葉に端的に示されるように、大学に対する人間育成への期待が高まっています。

リーマンショック以降、雇用・就職環境も依然として厳しい状況が続いています。そのような中で、2010年7月には鳥取県と就職支援を中心とした包括協定を、続いて昨年12月には徳島県と就職支援に関する協定を締結し、自治体と協力しながら、U・Iターン支援に鋭意取り組んでいる所です。今般は、広島県から就職支援に関するお話をいただき、協定を締結して地元自治体と大学が一体となって、学生の就職を支援していくことは、誠に意義深いものがあります。本学にも広島県から多くの学生が毎年受験・入学していいただいており、地方活性化の一翼を本学も担うべく、積極的に広島県と協力し、これまで培ってきたノウハウを生かし就職支援に取り組んで参る所存です。

今後は、広島県のご協力のもと、広島県内の企業に来訪いただく企業セミナーの開催や、例年開催しています地元広島県での保護者懇談会での協力関係の強化など、具体的な就職支援を展開していきたく考えております。

改めて、お忙しい中、ご参集くださいましたこと、心より感謝申しあげます。どうぞよろしくお願い申しあげます。

龍谷大学学長 赤松 徹眞


このページのトップへ戻る