親和会だより

サークル紹介 航空部 みんなは一人のために 一人はみんなのために

瀬田学舎の格納庫にて。<br>白い機体はK-23「輝龍」、FRP製(ドイツ製)でこの「輝龍」で大会に出場。
瀬田学舎の格納庫にて。
白い機体はK-23「輝龍」、FRP製(ドイツ製)でこの「輝龍」で大会に出場。

■全国大会へは毎年出場
 今年の4月、京都市内の出町柳の鴨川三角州で、70人をこえる新1年生がバーベキューを楽しんだ。恒例の航空部新入部員勧誘のイベントである。出費はすべて先輩部員が負担し、二次会、三次会といたれり尽くせりである。
 ここで航空部の雰囲気の良さと大空を飛ぶ魅力に惹かれて、19人が入部し、部員数は40人(うち女子学生は10人)を超えるに至った。
 龍谷大学航空部は戦前から輝かしい歴史を持ち、昨年の東海・関西学生グライダー競技会では、名古屋大学に遅れをとったものの、大阪大学や大阪府立大学、関西大学、立命館大学を押さえての準優勝に輝いた。
 そして今年の3月、関東の妻沼滑空所での全国大会へ。結果は11位という不本意な成績に終わったが、全国大会出場の20校は、東京大学や九州大学などの国立校、早稲田や慶応大学などの有名私立大学が名を連ねる。
西村俊介主将
西村俊介主将
 今秋の東海・関西大会では優勝、全国大会では10位以内にというのが龍大航空部の目標だと、西村俊介主将(理工学部情報メディア学科3年=京都・東山高校出身)が話してくれた。
 合宿は年6回で、岐阜県の木曽川滑空所を中心に各1週間。トラックでグライダーを瀬田学舎の格納庫から運ぶ。普段は深草学舎のクラブボックスと瀬田学舎で交互に週2回のミーティングと勉強会をこなす。特に、「自家用(上級滑空)操縦士」の国家資格取得には、大変な時間と費用を要する。自動車の運転免許とは桁違いにハードルが高いそうだ。

2004年2月に岐阜の木曽川滑空場にて「親飛行会」を行った際の写真。保護者の方も実際に飛行を体験。
2004年2月に岐阜の木曽川滑空場にて「親飛行会」を行った際の写真。保護者の方も実際に飛行を体験。
深草学舎のクラブボックスにて。仲がいいのが航空部の伝統。
深草学舎のクラブボックスにて。
仲がいいのが航空部の伝統。


■素早く上昇気流に
 エンジンやプロペラが付いていないのに、なぜこんな大きな機体が空を舞うの?」という素朴な疑問を投げかけると、「凧あげと同じですね。機体にワイヤーを付けて、ウインチで急速に巻き上げることで、ある程度までグライダーが上昇したら、ワイヤーを外すのです。あとは、上昇気流と二人三脚です」と西村主将が説明してくれたように、上昇気流を見つけて、いかに早くそれに乗っていくかが競技での勝敗の分かれ目だそうだ。
多田卓矢副主将
多田卓矢副主将
 そして、指定されたポイントを、できる限り早く回る。そこでは、知識と経験が問われてくる。だからこそ、学内での普段の勉強会と滑空所での実習練習とでバランスのとれた活動が大切になってくる。
 また、サークルとしての団結力は欠かすことができない。「部員数が多いので、皆をまとめていくのには苦労しますが、部長の大塚尚武先生(理工学部教授)やOBの先輩方が、しっかりサポートして下さっているし、同期や後輩たちもいい子ばかりなので、本当に助かっています」と多田卓矢副主将(文学部仏教学科3年=滋賀県・比叡山高校出身)が話すと、「普段は騒がしい連中ばかりなのに、それでも(競技会の)結果が出る。みんなは一人のために、一人はみんなのためにという意識が高いからでしょう。それが、うちのクラブの特色です」と西村主将が、見事にまとめてくれた。

Ka-6CR「紫龍」は60年代の世界的なレーサー機種で木製(ドイツ製)
Ka-6CR「紫龍」は60年代の世界的なレーサー機種で木製(ドイツ製)


←前ページへ ↑目次ページへ戻る 次ページへ→