親和会だより

大学懇談会 講演会

全国でおこなわれる保護者懇談会の最終開催地区である大阪では、大学・校友会・親和会共催で「大学懇談会」と題して「就職支援」を重視した形でおこなっています。最大の特徴は、外部講師を招いての講演会です。今年度は日本銀行京都支店次長の國光氏にご講演をいただきました。


夢の実現に向けての「自分」作り-就職に向かう学生・家庭へのメッセージ

講師 國光 幸人氏

●講師 國光 幸人氏

学生時代、金融経済を苦手としながら、尊敬する大学恩師との深い関わりから日本銀行に就職。
地元経済への貢献、学生の就職サポート、小中高生・保護者向け金融教育などに努めている。


■子どもとの会話が心の成長につながる

 学生の採用関係に携わる仕事をしていて、改めて思う事は、子どもの可能性を作るのは家庭だと言えます。みなさんにお伺いします。お子さんとお話はされていますか?また夫婦間で子どもの将来についてお話はされていますか?大切な事は親が子どもに関心を持つ事です。今はあたかも、親が子どもに接する事を「干渉」と混同されがちで、そういわれるのが嫌で親が腰を引き、親の遠慮が子どもの「教育」「しつけ」など人間として基本的な事から遠のかせているのではないかと思います。「会話が成り立つ家庭」「会話を交わさなくてもわかる家庭」を作る事が大事だと思います。

■大学は自己を形成する場、判断力を養う場である

 大学とは同じ志を持って一緒に苦労してこそ一生つきあえる「真の人間関係」ができる場だと思います。私の場合は恩師との出会いでした。「大学は社会の入り口である。君たちはその場に立ったんだから、社会人としてのマナー、挨拶、言葉遣いを身につけなさい」と恩師から言われ、この教えを常に考えながら大学生活を送った結果、今の自分があると思います。大学はこちらから求めていけばそれだけものを返してくれるところですから、ぜひこの環境を活用すべきです。そのためにも、親は子どもに正面からぶつかっていただき、お話をしていただきたいと思います。




■面接は学生生活・家庭生活の集大成

 採用のカギはずばり「顔」です。美男・美女という意味ではなく、目が活きている人は顔に表れます。その第一印象を基に学生がこれまでやってきた事や学生の持つ考える力、論理性、コミュニケーション力などを面接のやりとりで評価の補足・修正をしながら採用の可否を決めていきます。
  面接では志望動機・ゼミの内容・学生時代に取り組んだ事などを聞きます。日本銀行では採用に多くの人間が携わり、学生の人となりや価値観などを多方面から評価します。その選考のなかで、いかに自分をアピールできるか。ありきたりの答えでは多数の採用に関わる人間の心には響きません。しかし自分が一生懸命やった事、心底思った事は相手の心にも響くものです。こちらの質問に対して、答えは同じであっても人と違うアプローチで話が組み立てられる人、聞き手が想像できるようなわかりやすい話を構築できる人であれば、「この学生と一緒に仕事がしてみたい」と思うものです。

■就職はゴールではない

 今の時代、「大企業入社=将来安泰(ゴール)」ではなくなっています。成功体験や成功例は個人のものとなった今、そこからがスタートなのです。人間には意味のない失敗はないと思っています。一つ一つが経験・チャレンジになり、失敗した時に「なぜなのだろう」と立ち返って考える事で更にステップアップできると思います。子どもとの距離を縮める術は、会話であり、毎日の過ごし方のなかにいいヒントがあるのではないかと思います。それを積み上げていく事も親の役目ではないでしょうか。



講師からのメッセージ

○ 子どもの夢をあきらめさせない事
○ 夢を実現するためには、自分・子どもに投資する事も必要
○ 人は一人では生きていけない (すべてに感謝の心を!)





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