親和会だより

特集・成人のつどい

第33回龍谷大学成人のつどいが1月12日(土)深草学舎顕真館で行われました。
昭和62年4月2日から昭和63年4月1日生まれの学生約1000人が参加。
会場は晴れ着やスーツに身を包んだ学生で溢れました。
式典では、仏前からろうそくの灯が参列者全員に配灯され、会場は荘厳な雰囲気に包まれました。
そして新成人代表がみほとけの御前で誓いの言葉を述べ、それを新成人全員で唱和しました。

式典後学生達であふれる顕真館前

 若原道昭学長からの祝辞では、「誓いの言葉」を大変心強く聞かせてもらったとして、これから大人の仲間入りをする新成人に、「大人」と「子供」の区別について述べられました。
 人間は生理的、法律的には大人であっても、精神的に未成熟であることがある。大人と子供の境目が多様であり、曖昧であるということが人間の特徴であるとした上で、未成熟という状態を、大人を基準として何かが欠如した状態という消極的な状態として理解するのではない。むしろこれから成長していくことのできる豊かな可能性がいっぱいにつまっている状態だと積極的に理解し、これから成熟に向けて大きな可能性が与えられている。 新成人がこれからの日本社会、国際社会の担い手として、豊かな可能性を伸ばし、発揮し、発展させて行くことを大いに期待し願っているというメッセージをいただきました。

 続いて宮大工・鵤工舎舎主の小川三夫氏を講師に「不揃いの木を組む」と題して、記念講演を行いました。 徒弟生活での苦労、共同生活で生まれる師匠・仲間との連帯感の中で、宮大工として大事なことは「執念のものづくり」だと述べられました。執念でできあがったものは、また次への創作意欲が湧き、それが人を育てていく。 だから日常生活が甘いものでは、ものづくりはできないのだと話され、1300年前の建物を復元するにあたって解体をした際には、当時の工人の「執念のものづくり」を感じ取り、作業を通じて対話することで復元ができた。
 また1300年前は道具が発達していなかったので、木は切るのではなく、たたき割っていた。工人はその不揃いの木を適材適所にうまく組み合わせている。それは建築に携わった工人全ての技術が優れていたことと、当時の技術以上のことに挑戦する精神、仕事に対する不屈の精神、ものを作り上げる気持ちが、不揃いの木1本1本を組み合わせ、それが支え合って、建築されたのではないか。 新成人にもこの精神を感じ取って欲しいというメッセージをいただきました。

 式典後は記念パーティーが開かれ、決意を新たにした新成人を祝う場となりました。
また当日は、西本願寺での親鸞聖人御正忌報恩講に関連して、午後5時より龍谷大学吹奏楽演奏会が総御堂で行なわれ、全国トップレベルの演奏に参拝者から盛大な拍手がおくられました。



西本願寺総御堂で演奏する吹奏楽部



記念パーティーでの一場面



(左から順に)

吉田 知世さん (よしだ ともよさん)
経営学部経営学科 2回生
ここまで育ててくれた両親や周囲の人々に感謝をしつつ、これからは成人として、自覚と責任を持って、社会に貢献していきたいです。

岡村 麻里菜さん (おかむら まりなさん)
文学部史学科仏教史学専攻 2回生
常に前向きな気持ちを忘れず、いろいろなことに挑戦することで、また新しい自分に出会いたいです。

馬淵 有加里さん (まぶち ゆかりさん)
文学部哲学科教育学専攻 2回生
私の周りにいる人たちに「ありがとう」という感謝の気持ちを伝えたいです。今まで好き勝手やってきた私を、支え、見守り、時には叱ってくれた人たちのおかげで、今の私がいるのだなと感じました。たくさんの支えに感謝し、私もいろいろな人の支えになれるような人になりたいです。

小林 賢五さん (こばやし けんごさん)
文学部史学科国史学専攻 2回生
龍谷大学で成人を迎えられたことを大変嬉しく思います。今後とも一層「建学の精神」のもと、豊かな大学生活を行えるよう努力して行きたいと思います。

山崎 隆之さん (やまざき たかゆきさん)
文学部哲学科教育学専攻 2回生
私が抱く「大人」とは自由で楽だというイメージでしかありませんでした。しかし、先輩方のお話を聞くうちに、自覚と責任の上での自由だということに気付かされました。多くの方々に支えられていることを忘れず、また自分も誰かを支えられる人間になりたいと思います。





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