親和会だより

大学懇談会講師講演  「親子ミュニケーションで就勝つ!」 〜集英社が求めるアカルイオタクとは?〜

野 秀明氏

講師
たかの
 ひであき
高野 秀明 氏

株式会社 集英社
書籍販売部 書籍販売第1課 課長 (前・人事部 人事課 課長)

1983年入社、雑誌販売部で「週刊少年ジャンプ」の販売担当として653万部の最大発行数を見届けた矢先、クイズ好き・教え好き・マイク好きが高じてか、人事部へ異動。現在は書籍販売部に所属し、単行本・文庫・新書などの販売に携わっている。

 

■全国保護者懇談会が終了しました!

 2010年度の全国保護者懇談会は、5月15日(土)から7月16日(金)にかけて開催され、多くの方にご参加いただきました。
 全国保護者懇談会のなかでも、大学・親和会・校友会で開催される大学懇談会では、「就職支援」に焦点をあてた形でおこなわれます。
 毎年社会の第一線で活躍する方に登壇いただいており、今年は集英社の野秀明氏をお招きしての講演会を開催しました。

 子どもが就活を乗り切っていくには、過保護でない程度に、親子の対話とか情報共有が少なからず必要です。
  私達からすると、受験者が一番近くにいる社会人、すなわち親御さんとコミュニケーションをちゃんととっているかどうかは気になります。
  学生時代までは同学年のヨコのつながりだけで暮らせますが、社会に出たら様々な世代とタテのつながりを築きながら仕事をするわけですからね。受験者には、親という社会人としっかり向き合って、就職に対する考え方や社会人になる心構えを学んでもらいたいと思います。
 


ー就活カレンダーを作ろう!ー

 就活がピークになってくると、エントリーシートを書くために毎晩徹夜をしたり、毎日面接をハシゴしたりと、疲れがたまります。肝心なときに寝過ごしたり、面接予約を忘れてしまったりという失敗例が多々あります。自宅に就活スケジュールを書き込めるカレンダーを用意して情報を共有することをお勧めします。

ーエントリーシートを見よう!ー

 今どきの受験者は誤字脱字が多いし、希望ジャンルの欄に@Aと書くべきところをü にしたり、受験希望会場にマルをつけていなかったりなど、チェックが全くもって甘いです。仕事で対外的な文書を作る際に、複数の上司が添削するように、エントリーシートも親御さんなり第三者が確認されることが大事になります。
 その際に「お父さんが面接官だったらおまえのエントリーシートを読んでこんな質問をするけどな」という感じで会話してください。そうすると、お子さんは質問されたときに答えやすいエントリーシートとはどういうものなのかがわかり、面接の模擬練習につながります。エントリーシートは書類選考から最終面接まで利用するものなので、コピーを残し何度となく見直して面接対策するべきだと思います。

ー新聞を一緒に読もう!ー

 今の学生さんはニュースをネットで見ていますが、それは「回転寿司」のようなもので、自分の好きなネタしかとっていません。新聞は「幕の内弁当」で、栄養のバランスが良いわけです。さらに志望する業界の新聞広告をつぶさにチェックできます。新聞記事を仲立ちに親子で会話がはずむように仕向けましょう。

ー有名人の鈴木さん、何人書ける? ー

 ためしに皆さん、1分間で何人書けるか、やってみましょう!書きあがったリストには、皆さんの人物関心度が表れています。人によっては声優とか野球選手とか小説家など、あるジャンルに特化した鈴木さんを書いているかもしれませんね。 集英社はあるジャンルにこだわりをもって、ひと晩中楽しく話せるようなアカルイオタクを求めています。何でも簡単に広く浅く情報を手に入れられる現代、あるジャンルを深く掘り下げるパワーを持っている若者が少なくなりました。掘り下げる喜び、充実感を知っていると、それは仕事にも活かせるわけですね。

ー電車の中でのマナー違反は? ー

 3分間でいくつ書けるか、お子さんに出してみてください。10個くらい書ければ合格ですが、2、3個しか書けないようだと、当の本人がマナー違反だと気づかずにやっている可能性があります。  実は就活シーンでも、イヤホンをつけたまま受付に来る、大あくびする、ネクタイがゆるんだままでいるなど、マナー違反が見受けられます。
 要は、他者への想像力が必要になるわけです。他者からどのように見られているか、いかに想像できるかがポイントです。

ー内定が出たとき、出ないとき?ー

 内定や面接試験が重なって、どちらか選ぶという重大な決断をする際には、親の意見を押し付けることなしに、子どもから意見を求められたらしっかり伝える、というスタンスがよろしいかと思います。今の業績やネームバリューだけで判断しない方が良いでしょう。10年後、20年後は全くわかりませんから。「最後はおまえの決断を尊重するよ」と言って背中を押してあげてください。
 反対になかなか内定が出ない場合、自信を喪失したり、友人関係がギクシャクしたりするケースがあります。そんなとき、家庭は、ホッとひと息つける場所、本来の自分を取り戻す場所であってほしいですね。
 ですから、「内定がすぐに出なくても気にすることない、やるだけやってごらん」と親がゆったり構える態度が必要です。友人より就活が長くかかろうとも、「自分は卒業して就職して社会人になるのだ」と決めたからには、安易に留年したりせずに、最後までがんばった方が良いと思います。

ー最後の決め手は!ー

 お子さんには「キャリア開発部には足繁く通った方が良いよ」と言ってあげてください。キャリア開発部の皆さんは、大学にいる一番身近な社会人です。日々接することで、自然と必要なスキルを学べます。職員さんとお互い顔と名前を覚えたり、味方になってもらうような関係になれれば、おのずと成功の道が見えてくると思いますので!







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