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理工学部

糟野潤研究室
新しい電気分析法の開発を目指す。
糟野研究室の研究内容

2016.07.28糟野研究室の研究内容

理工学部 糟野潤研究室

 私たち、理工学部物質化学科の糟野研究室では、電気化学分析の研究に取り組んでおります。電気化学分析とは、イオンや電子が関係する化学反応を電流や電圧などとの関連を調査し、新しい分析法や測定条件を開発していく化学分野です。私たちは、現在、電気化学分析の中でも以下のような研究を行っています。
 ①互いに混じり合わない、水と油(有機溶媒)の境目(界面)では、イオンや電子の移動が生じます。これは、水にインクを溶かし界面をつくり、振り混ぜるとインクの色が有機溶媒に移るような現象です。このような現象は、例えば、細胞が栄養素を受け取る、あるいは、老廃物を排出するといった身近で部分で生じています。また、水と有機溶媒の界面は、水に溶解したウランなどの放射性物質を有機溶媒に集めて取り出す手法にも使われています。界面でこのような物質が移動するとき、電気的なエネルギーが重要になります。当研究室では、このような反応を電気化学的に解析するため、その界面に電気的なエネルギー(電位)をかけることで、界面を移動するイオンや電子の量を電流として記録する手法(ボルタンメトリ―)を用いて、これらの現象のメカニズムの研究を行っています。 
 ②工場排水や河川の水などに含まれる有害物質を検出するための新しい測定方法も模索しています。今までの方法では、装置の大きさ、コスト、検出時間など不便な面がたくさんありました。また装置には、環境に悪く、人体にも影響があり危険な物質(例えば、水銀)が用いられてきました。そこで私たちは、これらの問題を解決し、更に高精度な分析結果を得るための装置 (電解セル) を自作し、有害物質の検出を短時間で行えるように日々基礎研究に力を注いでいます。