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法学部

中島琢磨ゼミ
戦後日本外交に関するリサーチ
外交文書の読解(6月13日)

2017.09.29外交文書の読解(6月13日)

法学部 中島琢磨ゼミ

私たちの所属する中島ゼミナールは、日本外交史を中心に様々な政治問題を研究しています。今春学期は4回生を中心に、今年1月に公開された外交文書を探究する新しい試みを行っていますので、今回はその外交文書探究の活動についてお伝えしたいと思います。

私たちは、公開された外交文書の中で1983年1月の「中曽根・レーガン会談」に関心を抱き、まず電報や会談記録を読むことから始めました。外交文書を目にしたのは初めてで、その形式や、手書きで書かれている会談録などを見て、これが外交文書なのだと実感しました。

当時は、日米貿易摩擦が問題となっていました。米国内では自動車、鉄鋼産業、農業などが盛んな地域を中心に、米国民の対日批判が強まっており、米国内情勢に影響を受けたレーガン米大統領が、日本の中曽根首相にオレンジ・牛肉の輸入を拡大するよう強く要求する場面が見られました。その一方で、中曽根首相も米大統領に日本としての主張を述べ、日米が対等に議論している様子を感じ取ることができました。現在日本では、「日本はアメリカに意見できないのではないか」「言いなりではないのか」と、日米関係が米国優位と見られがちで、私もそういった認識を持っていましたが、今回、当時の日米首脳が対等に意見しあっている姿を見て少し驚きました。

防衛問題の議論では、具体的な防衛戦略が話し合われ、冷戦という当時の時代背景が影響を及ぼしていることを感じました。さらに、防衛に関する話では難しい言葉が交わされており、先生に当時の日本周辺の国際関係をレクチャーして頂きながら理解を深めました。外交文書を深く理解するうえで、当時の国内外の政治情勢に関する知識が重要であることを改めて知りました。

今後は、その他の文書も読み、会談の意図や発言の真意を調べていこうと思います。

宮垣 知樹(京都府立峰山高校卒業)