インターンシップ
NPO・地方行政研究コースでは、担当教員のコーディネートのもとに、「行政インターンシップ」「NPOインターンシップ」「海外インターンシップ」を実施しています。コース生のインターンシップは、単に「その仕事を経験する」というものではなく、連携協定団体の協力を得て、各団体が実施している特徴的なプロジェクトに対して長期にわたって業務を遂行する目的で実施しています。コースに所属する学部卒院生はほぼ全員が国内インターンシップを経験しています。
また、海外インターンシップについては、2007~2009年度はNPO活動の先進事例調査として、アメリカのバークレー周辺において、連携協定団体でもある日本太平洋ネットワーク(JPRN)との共同開発プログラムのもとで活動を展開しています。2007~2008年度は、社会人院生もこのプログラムに参加しました。
なお、各インターンシップは履修科目として手続きすることにより単位取得につながります。
海外インターンシップ参考スケジュール(米国)
ある年のスケジュールを見てみましょう。
- 10月24日
5:15pm - 関西国際空港発
- 同日11:07am
- サンフランシスコ空港到着、ホテルまで移動
- 1:00-1:30pm頃
ホテルに到着、JPRNコーディネーターと合流
昼食(1:30-2:30pm)
オリエンテーション(2:30-4:30pm)
視察日程ならびに趣旨についての確認。バートの乗り方・安全・生活面についての注意事項、駅周辺の案内など。
- 10月25日
9:00-10:00am - バークレーのファーマーズマーケット見学
バークレーは、全米で真っ先にオーガニックブームが起こった町である。バークレー市内で開催されるファーマーズマーケットは、1987年より環境NPOのエコロジーセンタ-が主催している。(エコロジーセンタ-は、1969年に環境活動家の小さなグループによって設立された、アメリカの環境保護活動の草分け的NPO。長年に渡り、地元に密着した環境保護運動を続けており、その活動ぶりは世界の環境保護活動のお手本にもなっている。なお、エコロジーセンターのあるバークレー市は全米でも環境問題に関する意識が高い町としても知られている。新鮮かつオーガニックの野菜、果物、卵、焼きたてパンの他、植物や野菜の苗、ソーセージ、チーズ類、特製のスモークサーモンなど、農家手製の食品も購入できる。ファーマーズマーケットは、消費者が新鮮で旬の野菜を購入するための目的だけでなく、持続可能な農業を推進する運動として成果を上げてきた。つまり、個人や家族経営の小規模農業の経済や農地で働く労働者の健康と安全を推進する取り組みである。現在では、センターストリートの他に、市内の別サイトにて週2日ほど開催されている。ファーマーズマーケットを取り入れた持続可能なまちづくりは80年代から全米において注目されている。
- 11:00am-2:00pm
- フェリービル・マーケットプレイス/ファーマーズマーケット見学
歴史的な建築物としても知られているフェリービルは2003年に4年間にわたる改装工事を終え、オフィスと食のビルとして誕生。1階はフード・マーケット、そして上の階はオフィスになっている。テナントは「食」関係のみで、「近隣で収穫されたオーガニックフード」がテーマ。グルメ食品店、乳製品直販店、パンの製造型小売業者、生鮮食品テナント、フラワーショップ、ワインショップ&バー、コーヒーショップ、キッチン用品店、レストランなどが並び、ここにはアパレルストアやギフトショップは全く存在しない。大きな特徴としては、地元で営む個人または小規模ビジネスが中心となり、中でも環境保全型やオーガニック志向で「社会的に意義のある」テナントが選ばれている。
また、フェリービルディングの外では全米最大のファーマーズマーケットが開催される。近郷の小規模農家(大半が有機農法の実践者)の人たちが、それぞれの作物や自家製の食品を持ち込む市場である。その風景は半世紀前のファーマーズマーケットと変わらないといわれている。このファーマーズマーケットを運営しているのは、Center for Urban Education about Sustainable Agriculture(CUESA=持続可能な農業についての都市教育センター http://www.cuesa.org/)と呼ばれるNPO。都市生活者に持続可能な農業を啓蒙する役割を担っていて、ファーマーズマーケットの開催と教育プログラムを通して、都市の住民と持続可能な農家をつないでいる。ここでの持続可能とは、経済的な点だけでなく、「環境にやさしく」「社会的に公平であり」「人道的である」という点が含まれている。具体的には、ファーマーズマーケットで売られている地元の質の高い農産物を、地元のシェフがもっともふさわしい調理方法で調理して試食させるイベントや、実際に農場まで出向いて農産品の作られ方を勉強し、どのようなコストが必要なのかを学ぶ教室などを開催している。こうしたイベント等を通じて都市で暮らす人々に持続可能な農業システムについての教育を行っている。
- 2:00-3:00pm
- カフェにてミーティング(見学後のシェアリング、質疑応答等)
- 10月26日
終日 - フリー
- 10月27日
9:00am-12:00pm -
ベイエリアでのインターンシップをより良い経験にするために
会場:JPRNオフィス(Asian Resource Building)
ヒアリング・見学先についての捕足説明(事前に質問票を提出)、アメリカ市民活動の特徴、サンフランシスコ・ベイエリアの特徴、行政と市民の関係など、日本との相違を交えながら、JPRNコーディネーターが参加者からの質問に答えながら話しを進めるスタイルで行い、参加者自身がベイエリアでのインターンシップ体験を通して何を学んで帰るか、自ら考える機会とする。
- 2:00-3:00pm
- ダウンタウン・オークランド周辺のまちづくり見学パート1
テーマ:
マイノリティのまちづくりとNPOの役割
90年代に行われたダウンタウン・オークランド周辺の中心市街地の再開発を見学し、地区ごとの特徴を観察しながら、「誰のためのまちづくりか?」について考える。
- ウォーキングコース:
- NPO主体のまちづくりの歴史の事例
- チャイナタウンのまちづくりとNPOの役割、など。
- 4:00-6:00pm
- ムーブメントビルディングのレクチャー
テーマ:
多様な社会づくりの為の社会変革活動
ゲスト講師:
Miho Kim,被差別日系研究所US代表。
直接的な社会サービスや支援提供のみに留まらず、構造的な変化を目指した問題解決能力を身につけるために必要な視点を学ぶ。
- 7:00-9:00pm
- バークレー市長選挙候補者のディベート参加
- 10月28日
9:45am-3:45pm -
NPO職場体験:DataCenter
1977年の設立以来、社会正義と持続可能な世界を実現するために闘う運動グループや社会正義団体に戦略的情報を提供している。戦略的情報の提供とは、社会正義を実現するために、サポートを作り、大衆を教育し、政策担当者に影響を及ぼし、権力に効果的に対峙する為の効果的な運動戦略を展開するために必要な情報を見つける為の調査を専門とするものである。データセンターでは、知識やリサーチ技術は一部の社会的特権者に握られているという現実を踏まえ、貧困層、労働者階級、被抑圧人種の人々の草の根の闘いへの支援を、情報獲得とその活用に関わる様々な活動サービスを通して行って来ている。現在、データセンターは、戦略的情報の領域でのリーダー或いはエキスパートとして見なされており、個人やコミュニティ組織からの寄付と9つの財団からの助成金によって運営されている。
当日はデータセンターのオフィスにてボランティアを行う。ボランティア内容は、広報補助(手紙の発送作業など)やオフィス用品の整理など。ここでは、ボランティア活動を通して、オフィス内の活動やスタッフ構成、団体の価値観などを観察する機会とする。スーパーバイザーは Miho Kim。
- 7:00pm~
- バークレー市議会傍聴
バークレーの市議会議員は市長を含めて9名。議長は市長が務める。隔週火曜日の午後7時から開かれ、議会の様子はケーブルTVやウエブキャストでも中継される。議会での一般市民によるパブリックコメントは1人2分間。参加者が多い場合、発言権は抽選となる。カリフォルニア州の公開会議法の下、議会は誰でも傍聴することができる。市民に開かれた市政を見学する。
- 10月29日
10:00am-2:00pm -
北バークレー商店街見学(ウォーキングツアー)
テーマ:
カウンターカルチャーと社会運動から生まれた商店街、駅周辺のまちづくり
「グルメゲットー」と呼ばれる北バークレーの商店街は、社会起業のパイオニアとなった商店が集まる。社会運動からスタートしたカウンターカルチャー的思想が「食・健康」をテーマに地域の小ビジネスとして発展した商店街を観察する。ツアー途中に昼食をとる。
- ウォーキングコース:
- アートと文化をテーマに中心市街地の活性化を目指したNPO主体のまちづくり、アート地区
- 駅に設置されたTDDと呼ばれる聴覚障害者がタイプ通信できる電話
- コープラティブ方式で運営するチーズボード(チーズ店)
- オーガニックのカリフォルニア料理の生みの親、シェパニーズ(予約制レストラン)
※アメリカ人の食生活に改革をもたらしたと言われるカリスマシェフ、アリス・ウォータが大企業が支配するチェーンレストランに反対する中でオープンさせたレストラン。“地産地消”を広めたパイオニア。 - オーガニック、フェアトレードの食材のみを用いた料理を提供する、グラティチュード(リビングフード・カフェ)
- 新タイプのナチュラル系ドラッグストア、エレファント・ファーマシー(ドラッグストア)
- スターバックスの生みの親、ピーツコーヒ(カフェ)
- 2:30-4:00pm
- Berkeley LEARN(Links Enrichment, Academics and Recreation to the Need of Students) After
Program
(バークレー・ラーン放課後プログラム、マルコムX小学校内)
Berkeley LEARNはバークレー市の統一学校区が運営する公的な児童放課後プログラム。バークレー市の公立学校に在籍する児童であれば所得に関係なく、誰でも参加できる学校独自のプログラムである。各学校で午後6時までの間、学習サポート、余暇的な活動や豊かな文化芸術などに触れる機会を提供している。中でも、学習面に力をいれているため、プログラムスタッフが直に教師と連絡を取り合い、家庭学習や基礎的学習の集中指導など、子どもたちの学力増進の場として位置づけていることが特徴である。受入方法は申込順だが、既に参加している児童や兄弟、毎日利用する児童を優先にしている。利用料は低所得者世帯への減額措置をとり、週5日利用する児童には払い戻し制度が適用される。事業は州政府や連邦政府からの補助金、財団からの助成金、保護者から支払われる利用料によって運営されている。(アメリカでは、クリントンーゴア政権時代に始まった、21世紀地域学習センタープログラムとよばれる、政府による児童放課後プログラム支援金がある。)
- 10月30日
10:00am-12:00pm -
Berkeley Alliance of Neighborhood Associations(BANA)
(バークレー・アライアンス・オブ・ネイバーフッドアソシエーション)
面会者:Marie Bowman, Chair
Council of Neighborhood Associations(CNA)のディレクター、Berkeley Alliance of Neighborhood Associations(BANA)の議長を務め、ボランタリーな立場から、市政やコミュニティに影響する問題に広く関わるボーマン氏より、市民によるアクショングループの活動についてお話を伺う。
CNAは過去30年間にわたり、バークレー市において住民を中心に据えた活動に関わってきた無党派団体。地域に影響を与えうる公的・私的な情報を市民に提供し、それらの影響を与えうる組織、計画に地域住民の声を反映させることを目的としている。
BANAはCNAの傘下にあり、“フォーラム”の場として、地域のリーダーや関心の高い住民を集めて、グループとしての意見をまとめ、支援する役割を担っている。具体的には、市予算委員会に対して提案を行い、公正な予算の使途を監視する等。毎月第三土曜にミーティングが開かれる。
- 3:30-5:00pm
- Museum of Children’s Art(MOCHA)
(子どものアートミュージアム)
1988年に設立されて以来、芸術を通して様々なバックグランドを持つ子供たちが自分の創造性を探求し、健康で才能豊かで前向きな人間に育っていけるように、美術館内のみならず、学校や地域において様々なプログラムを提供してきた。特に、低所得家庭の子供たちの参加を促し、芸術が全ての子供たちの生活の基本的な一部になることをめざしている。年間32,000人にのぼる子供たちがMOCHAのプログラムに参加しており、年齢も18ヶ月から18歳と幅広く、文化的にも社会階層としても非常に多様なバックグランドを持つ。参加者の70パーセントは低所得家庭の子供たちである。主となるプログラムは、学校との連携で行うスクールプログラム、オープンスタジオやファミリーワークショップを提供するミュージアムプログラム、地域コミュニティとの連携のもと、図書館や住宅施設などで体験型アートの機会を提供するコミュニティパートナープログラムなど、大きくわけて3つの柱で構成されている。財政源は、助成財団、行政の補助金、企業や個人の寄付など。また、様々なプログラムからの収益金によって運営されている。
- 10月31日
9:00am-2:00pm -
ボランティア体験:Society of St. Vincent de Paul of Alameda County
19世紀半ばからヨーロッパを始め南北アメリカにおいて社会奉仕活動を繰り広げ、生活難にあえぐ人々に精神的な支援ならびに生活物資の配給を行ってきた。1938年、サンフランシスコの大司教パトリック・W・リョーダンがイースト・ベイの6つの施設を取りまとめてアラメダ郡支部を設立。協会の各施設において、ホームレスや低所得者を対象に、精神的なガイダンスを提供するとともに、食料や生活必需品の収集・提供、食事プログラム、ランドリーやシャワーの無料開放、医療サービスの提供、その他生活保護相談や職業相談などといったサービスを通じて、個人個人の自立を目指して支援活動を行っている。さらには、高齢者や健康上の理由で外出が困難な人々の生活支援や、プレイルームなどの子供向けのサービスも行っている。
当日は、毎日1,000食以上配給しているダイニングホールにて、ホームレスや低所得者に提供する無料ランチの配食準備のボランティアを行う。
- 2:30-4:00pm
- ダウンタウン・オークランド周辺のまちづくり見学パート2
テーマ:
マイノリティのまちづくりとNPOの役割
90年代に行われたダウンタウン・オークランド周辺の中心市街地の再開発を見学し、地区ごとの特徴を観察しながら、「誰のためのまちづくりか?」について考える。
- ウォーキングコース:
- リサイクルショップを経営するNPO
- 行政主体のまちづくりの歴史の事例
- 歴史的建造物を改修し、NPOのオフィスなどを入居させたプレザベーションパーク、など。
- 4:30-5:30pm
- リフレクションミーティング
会場:Asian Resource Building 2 階#210(EBALDC会議室)
Add:310 8th Street, Suite 210, Oakland, CA 94607 (Harrison Stの角)
- 11月1日
終日 - フリー
- 11月3日
- 関西国際空港にむけ出発




