龍谷Ryukoku

鷲掴みしてみたくなり雲の峰

滝の水青い空から流れてる

砂時計止まったままのハンモック

七日目のせみは何して過ごすのか

拾った手帳名前を見れば春の風

カルピスの氷からんとくずれけり

列車待つ人の足並春が来た

夏の森座敷童子が遊んでる

オール漕ぐ花散る風に真向かひて

日焼けして一学期とは別人に

手も足もいこういこうと夏祭り

秋風にふかれ碓氷の峠越え

目を閉じて耳をすませば時鳥

背面で跳んで目に入る夏の空

サイダーがパチパチはじけて私を笑う

上り坂入道雲がその先に

伸びきった我が家の猫の長い夏

向日葵と太陽話す午後一時

灯篭舟初盆の祖父乗せてゆく

夏休み計画だけは二重まる

守るべき人が増えたよ夏の宵

赤い金魚黒い金魚とまじりけり