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2018.05.17

新任教員の紹介 (1) (実践真宗学研究科 金澤 豊 実習助手)【文学部】

2018年4月に実践真宗学研究科に新たに着任した教員を紹介します。

 実践真宗学研究科 
 金澤 豊(かなざわ ゆたか)実習助手

① 研究内容を教えてください。
「仏教と社会貢献」に興味があり、研究活動しています。
何かと不安要素の多い現代において、心の保ち方から現実的な社会問題の対処まで、多くの仏教者が課題対策に取り組んでいます。
それらは、社会に関わる仏教(エンゲイジド・ブッディズム)と呼ばれますが、何やら難しくて、私自身もぼんやりとした理解しかできていません。
ですから、実際に社会活動に加わりながら、具体的には災害復興期における仏教者の役割を明らかにするための調査を続けています。

② 専門分野のおもしろさは何ですか。
これまで仏教については、インド・チベットで書かれた文献を解読して学んできました。しかし、この7年ほどは社会活動を通じて仏教を考え直しています。
例えば「智慧」や「慈悲」といった用語が社会活動の経験フィルターを経て、立体的に感じられるようになってきました。
その“感じ”を、ことば化することは非常に難しいのですが、だからこその楽しさがあります。
そして何よりも、社会活動をすることで仏教の古典文献に回帰する面白さを覚えます。

③ なぜその分野を専門として選ばれましたか。
2011年の東日本大震災の影響が大きいです。人が困っていることが分かっていても思うように手を差し伸べれない自分に気づいたことからです。
自分の無力さを引き受けながら、人を支える営みの難しさを実感しながら仏教者にできることは何なのだろうかと考え続けています。
だから「仏教は社会の役に立つ」前提で研究するのではなく、苦悩を抱えた人々の声を聞くことから始める「ストリートの仏教」を提唱していきたいと考えています。
偉そうに言いましたが、実は、2500年前のお釈迦さまの足跡の真似事でしかありません。

龍谷大学研究者データベース(金澤 豊)