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2018.05.30

新任教員の紹介 (4) (文学部哲学科哲学専攻 小林 徹 講師)【文学部】

2018年4月に文学部に新たに着任した教員を紹介します。

 文学部哲学科哲学専攻 
 小林 徹(こばやし とおる)講師

① 研究内容を教えてください。
私は、フランスの現代哲学を専門に、特に「身体とは何か」という点をテーマとして研究しています。何かを見たり聞いたりするのも身体ですが、何かを考えるのも身体です。認知科学や動物行動学などのおかげで、最近は人間や動物の身体がどれほど巧妙で繊細な仕方で働いているのかが明らかになってきていますが、私たちが自分の身体を通じてどれほどのことをなしうるのかという点については、まだまだ議論の余地が残されています。フランスの現代哲学には、この点を掘り下げるためのヒントが数多く示されています。

② 専門分野のおもしろさは何ですか。
人間は身体を用いて何をなしうるのか。このことを考えさせてくれるのは、例えば絵画などの芸術活動です。画家たちが作り出すイメージは、時に単なるイメージを越えて、私たちの世界そのものを大きく揺るがすほどの力を持っています。そして一枚の絵画の前で、私たちは自分の身体をフル稼働させて、新しい世界の見え方を学び直そうとします。私にとって、身体について哲学的に考えることの面白さは、絵画・文学・映画・音楽などを、単なる娯楽としてではなく、むしろ人間の根源的な活動として捉えることができる点です。

③ なぜその分野を専門として選ばれましたか。
私はフランスの現代哲学を専門にしていますが、その中でも特にモーリス・メルロ=ポンティとジル・ドゥルーズという二人の哲学者を研究しています。この二人を選んだのは、もちろん彼らが20世紀を代表する偉大な哲学者であるという理由もありますが、彼らの著作を読み、彼らが生み出す独特な概念や、彼らが紡ぎだす魅力的な文章に触れる中で、上で述べた「身体について哲学的に考えることの面白さ」をまさに肌で感じることができたからです。

龍谷大学研究者データベース(小林 徹)