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2018.06.22

【書籍紹介】『形式語研究の現在』,『言語文化の中世』のご紹介【文学部】

『形式語研究の現在』、藤田保幸・山崎誠編、和泉書院

 龍谷大学文学部の藤田保幸は、国立国語研究所の山崎誠とともに、全国の日本語文法研究者と連携して、二十余年にわたり、複合助詞・複合助動詞・形式名詞などの転成形式(実質的な意味を持った語・語句がその意味を乏しくして文法的な働きをする語・語句に転じたもの)の共同研究を進めてきました。その成果は、既に『複合辞研究の現在』『形式語研究論集』(ともに和泉書院)という論文集として公刊してきましたが、2018年5月に『形式語研究の現在』として、研究成果を三たび世に問う論文集を公刊しました。今回は、主として科研費を得て2014~2016年度に行った共同研究の成果を公表するもので、北は北海道から南は熊本まで、日本語文法研究に携わる二十八名の主力研究者に論文を寄せていただき、六百頁を超える大規模な論集となっています。「日本語文法研究の現在を知るうえで必読の書」という書店の広告に、実際恥じない内容となっているものと自負しています。


『言語文化の中世』、藤田保幸編、和泉書院

 2014~2016年度に龍谷大学仏教文化研究所の研究プロジェクトとして行った「龍谷大学図書館蔵中世国語資料の研究」の研究成果を核として、言語・言語資料・文学などに関わる十五編の最新の研究論文を集めた論文集です。「言語文化」=表現の文化という考え方に立ち、龍谷大学の研究の現在を発信していこうという意図のもとに企画がなされ、2018年4月に刊行されました。執筆者の多くは龍谷大学出身の若手研究者ですが、プロジェクトに関わっていただいた学外の第一線の研究者の方にも寄稿いただき、また、内容的にも中世の文学・言語の研究にとどまらず、小林秀雄の評論など近代以降の中世に関する言説を論じた論文も加えて、幅広い内容にユニークな論文集となっています。