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2018.10.15

2018年度第1回実践真宗学研究科FD報告会を実施しました【文学部】

 2018年10月10日午前11時30分より約1時間の間、大宮学舎西黌2階大会議室において、文学部の教員を中心とする23名の参加の中、「龍谷大学実践真宗学研究科に関する分析報告書について」と題して、2018年度龍谷大学実践真宗学研究科FD報告会が行われた。実践真宗学研究科は、2009年度に開設され今年で10年目を迎えたが、このたび、さらなる10年を見据え、これまでの10年を総括し、次のステップにつなげるべく修了生や在学生には、研究科のカリキュラムのあり方、学びに対する満足度、進学目的の達成度を中心に、また学部学生に対しては、研究科の認知度と進学意向などを中心としたアンケートを実施した。このアンケートは、実践真宗学研究科の教育や広報等の充実を行うための基礎データとするものであるが、その分析を外部コンサルタント会社である株式会社高等教育総合研究所に委託しておこなった。今回のFD報告会では、「龍谷大学実践真宗学研究科に関する分析報告書 」として作成されたアンケートの分析結果について、同研究所の亀井信明氏、牧野浪氏から報告(話題提供)いただき、つづいて今後の本研究科のあり方、大学院教育のあり方等について、参加者全員で意見交換をおこなった。
 まず初めに、亀井氏よりアンケート調査の結果分析が報告された。特に研究科修了生と在学生へのアンケート結果では、いずれも本研究科の学びと進学目的の達成度について極めて高い満足度が示されていることが報告された。しかし、文学部真宗学科および仏教学科の3~4年次生の学部学生に対しておこなった、研究科の認知度と進学意向に関するアンケートの結果は、約半数が研究科について正確な情報を得ていないという結果が報告され、学内の認知度向上への対応が必要であることも指摘された。
 続いて、牧野氏からは、このアンケート結果を踏まえて、実践真宗学研究科の今後の発展に何が必要であるか提言をいただいた。まず本研究科がその教育理念として掲げる「現代社会の諸問題に、具体的に対応できる宗教的実践者としての能力を養成する」という目的を達成するために、現代社会において宗教が果たすべきニーズへの対応の必要性が指摘された。それは、大災害などの非常時だけでなく、日々の暮らしの中で人々に必要とされる宗教者として「スピリチュアルケア」・「グリーフケア」・「傾聴」のスキルを身につけること、また寺院を拠点とした地域行政・医療福祉施設との連携が求められていることが報告され、本研究科は、すでに宗教の立場からターミナルケアやグリーケアのこの問題に取り組んできており、これらの分野においてさらに大きな社会的な貢献が期待されることが指摘された。
 最後に亀井氏から、競合する他研究科との比較調査についての報告があり、本研究科のカリキュラムは、提供科目の多様性やカリキュラム運営の柔軟性など、他研究科に比して最も充実したものであるが、それが入学前の進学希望者、特に他大学生や一般社会人に有効なアピールができていないことが指摘された。この点については、パブリシティーの強化、他大学出身者や社会人を意識したカリキュラム内容の改善、関係諸機関との連携の強化により、入学者の増加と修了生の受け入れ先の充実させることなど、本研究科のこれからの教学展開の方向性についての提言をいただいた。
 その後、参加者全員で、本日の報告について、研究科の現状を踏まえて、個別の報告内容や提言について、積極的な意見交換が行われた。最後に、鍋島直樹研究科長より、本日のアンケート結果の分析と提言を踏まえて、今後も真摯に改善を進めつつ、パブリシティーや関係諸機関との連携強化など、すでに具体的に改善を始めている分野も含めて、次の10年を見据えた実践真宗学研究科の発展にむけてさらに努力するという方針が示され報告会を終了した。