Need Help?

News

ニュース

2018.10.18

David Brewster博士研究員の研究が「松下幸之助財団2018年度研究助成」に採択【犯罪学研究センター】

David Brewster博士研究員の研究が「松下幸之助財団2018年度研究助成」に採択

このたび、龍谷大学 犯罪学研究センター 博士研究員のDavid Brewsterの研究が「公益財団法人松下幸之助記念財団」*が公募する研究助成に採択されました。

同財団では目的のひとつとして、「諸外国との相互理解による国際社会への貢献」と、「人間が自然を尊び調和しながら生きる社会の実現」を掲げています。そして、この目的に沿って、人文科学・社会科学の領域における世界的な視野に立った研究、諸施策の提案、調査研究活動に対して助成が行われています。

*「公益財団法人松下幸之助記念財団」
(The Konosuke Matsushita Memorial Foundation)
http://matsushita-konosuke-zaidan.or.jp/


David Brewster(本学 犯罪学研究センター 博士研究員)

David Brewster(本学 犯罪学研究センター 博士研究員)


今回の助成にあたり、David Brewster博士研究員が申請した際の「研究概要」を紹介します。
-------------------------------------
タイトル:
違法薬物使用のコントロール
サブタイトル:
使用者の視点の回復に関する調査

研究目的:
(抄訳)
 本研究の目的は,薬物使用者の回復の視点に関する調査を行うことによって,薬物使用に対する日本のコントロール文化を批判的に検討することである。日本における薬物事犯への従来的な対応は,刑事司法による収容が基本であり,抑止や防止というアプローチが主流であった。一方で近年,薬物事案の再犯率の上昇に対する懸念から,薬物事犯を繰り返す人たちに対する効果的な治療と再統合の方法に関心が寄せられている。これにより現代の日本では薬物事案に対して,従来的な排除という方法と近年の治療・再統合という相反したアプローチがとられているように思われる。しかしながら,こうした日本の現状に関する実態的・国際的な検討は不十分である。また日本の研究では,薬物使用者に対する治療プログラムの効果という側面に焦点が当てられ,家庭や学校,仕事など社会的要素の影響が軽視されてきた。したがって本研究では,社会的要素の影響について検討を行うため,質的に詳細な社会学的手法を用いることで,薬物使用者の人生に対する視点の回復について調査することを目的とする。本研究には,現代日本の薬物使用に対するコントロールに関して,それを直接的に経験している人たちの視点から理解するだけでなく,人生全体における薬物の使用と中止の選択肢を形成する要素について明らかにするという学術的意義がある。
-------------------------------------

抄訳翻訳者:山田 早紀(本学犯罪学研究センター・リサーチ・アシスタント)

当センターの目指す犯罪学は、犯罪者を厳しく処罰するのではなく、犯罪者にやさしくすることで真実をみつめ、社会に復帰してもらおうとするものです。
今後もセンターの取組みを通し、犯罪予防と対人支援を基軸とする「龍谷・犯罪学」を構築し、日本国内だけでなく、広く世界に海外にアピールしていきます。