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2019.01.09

刑務所の「いま」を知る写真展がスタート【犯罪学研究センター】

1/9(水)より深草キャンパスで写真展がスタート ※申込不要・参加無料

龍谷大学 犯罪学研究センターでは、本日1/9(水)より、本学深草キャンパスにて『刑務所の「いま」を知る写真展』をスタートしました。

▼EVENTページ:
1/9(水)〜1/19(土)開催 刑務所の「いま」を知る写真展【犯罪学研究センター】



写真展の初日である1/9(水)午前中、学内関係者を集めたオープニング・セレモニーが行われました。その際の石塚 伸一 本学法学部教授、犯罪学研究センター長のコメントを一部抜粋して紹介します。
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このたび、東京に続いて関西で初めて龍谷大学でこの写真展を開催するにあたり、“平成という時代を、犯罪と社会問題から振り返る”をテーマに掲げました。

人口比における刑務所人口のデータでは、現在、日本は世界で最も刑務所人口の少ないグループに属しています。一般論としては、「犯罪の認知件数・検挙件数・検挙人員等が少なく、人口比の犯罪発生率も低いから刑務所の収容者が少ない」といえます。しかしながら、平成という時代の日本の刑務所を振り返ると、現実の社会や政策の変化を如実に反映しています。

平成30年間の刑務所をとりまく状況を3期に分けて捉えると、まず平成初期(1990年代)は、社会においてはバブルの時代ではあったものの景気は安定しており、刑務所人口は微増の傾向でとどまっていました。つづいて、平成中期(2000年代)には刑務所人口が一気に急増します。国民の体感治安の悪化で厳罰化が進んだこと、景気の悪化により就労先が見つからない者や、再犯を繰り返す高齢者などが理由に挙げられます。そして、平成後期(2010年代)になると刑務所人口は急激に減少し、その理由として「宣告刑の寛刑化(長期刑の減少に伴う収容者の減少)」などがあります。

いま、刑務所は、高齢受刑者の増加や薬物自己使用者の再犯といった問題、少年・若年の収容者の減少などといった状況に直面しています。また、日本の産業が空洞化するなか、平成の刑務所における刑務作業の位置づけも変化し、近年では開放処遇などの新しい処遇方法が広まってきています。ふるくは「監獄」、いまは「刑務所」と呼ばれる施設の名前もまた、これからの社会のあり方とともに変化していく可能性を秘めています。


今回の展示写真51点は、東京工芸大学芸術学部写真学科で芸術をまなぶ6名の学生たちが、刑務所・拘置所に入り、写真撮影を通して、受刑者の日常に触れ、それぞれの若き感性で表現したものです。実際にご覧いただくと、ジャーナリズムの観点から撮影したものではなく、アートの観点から撮影されたものであることが分かると思います。写真というのは「目」です。写真を撮った若い人たちの目から見て、刑事施設というところはどのように写ったのか、なぜその場面を写しとったのかということを思い巡らせながらご覧いただければ幸いです。

新しい年、新しい時代のはじまりに、刑務所の現実を直視し、みなさんと一緒に、新しい日本を考えていきたいと思います。

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写真展は1月19日(土)まで、本学深草キャンパス 至心館2F パドマにて開催しています。ぜひふるってご参加ください。
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【刑務所の「いま」を知る写真展】
期間:2019年1月9日(水)~2019年1月19日(土) ※1月13日(日)休館
時間:11:00~16:00 ※最終日1月19日(土)は15:00閉場
場所:龍谷大学 深草キャンパス 至心館2F パドマ
申込:不要・参加無料
主催:CrimeInfo  共催:龍谷大学 犯罪学研究センター
協力:
龍谷大学 人間・科学・宗教オープン・リサーチ・センター
龍谷大学 矯正・保護総合センター 刑事司法未来プロジェクト
撮影対象:国内6箇所の刑事施設… 刑務所(栃木・黒羽・千葉・府中)、東京拘置所、東日本成人矯正医療センター(医療刑務所)
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石塚 伸一 本学法学部教授、犯罪学研究センター長

石塚 伸一 本学法学部教授、犯罪学研究センター長