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2017.07.03

経済学部特別講演会「欧米のポピュリズムとEU統合のゆくえ」を開催

6月20日(火)9:00より、「ヨーロッパ経済論」(担当:クラフチック教授)の受講者を中心として、講演会を開催しました。講演者は東北大学の田中素香名誉教授で、テーマは「欧米のポピュリズムとEU統合のゆくえ」です。教員や学生が多数参加し、講演後は活発な質疑応答がなされました。

講演の内容を簡単にご紹介します。

21世紀におけるポピュリズムは、経済秩序の転換(EU・ユーロ離脱、反オバマ)を利用し、主にエリート・既成政党の批判、メディアの活用(わかりやすい「敵」を批判)、外国人・移民の排斥などを主張する運動です。特にポスト・リーマン危機により幅広く欧州(2016年のイギリスBrexit,オランダやオーストリア難民受け入れ議論、フランス国民戦線、ハンガリー、ポーランドの対EU政策を含む)と米国(2016年の大統領選挙)に目立ってきました。
講演者は、21世紀のポピュリズム政治は、戦後の資本主義への変化から生まれたことであると説明しました。20世紀後半のグローバリズムに伴う所得格差、高失業、移民流入によるポスト・リーマン危機に対する社会的な緊張が高まり、2016年は「ポピュリズムの春」になったと言えます。
しかし、2017年にポピュリズム政党は敗北(3月オランダ、5月フランス、6月イタリア、フランスとイギリス)し、ポピュリズムの波が止められました。講演の最後には、その逆風の具体的な原因や今後について論じられました。

経済学部では、このような講演会を今後も積極的に開催していきます。