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The Founding Spirit

宗教部 建学の精神

はじめに ―入学式をおえて。父と娘の会話から―

父 「いよいよ龍谷大学に入学したんだね。おめでとう!」

娘 「ありがとう。なんかすごい人の数だったし、宗教的な感じの式だったね。あれは仏教式?」

父 「そうだよ。ああいうのは、いろいろ決まった作法があって、荘厳な雰囲気でいいもんだよな」

娘 「わたし、ちょっと感動しちゃった……」

父 「あれは確か、仏教といっても、浄土真宗本願寺派だな。つまりお西さんだ。この大学は西本願寺と関係が深くてね、歴史的にもたしか日本屈指の伝統を持っているはずだ」

娘 「へえ、そうなんだ。え、でもお父さん、ちょっと待って! なんでそんなに詳しいの?」

父 「あ、気づいた? 実は君が今度、龍大に入学したってことで、お父さん、独自にいろいろと調べたんだよ」

娘 「へえ、すごいじゃん。それじゃ、いろいろ教えてよ。浄土真宗って、たしか法然聖人でしょ?」

父 「ち、違うだろ、親鸞聖人だよ! それはお父さん、調べなくても知ってたぞ。それでよく受かったな」

娘 「え、だってわたし……日本史とか苦手だし……。まあ、まあ。いいじゃん。いいじゃん」

父 「そうか。……ま、いいのかな?」

娘 「でね、お父さん。わたし気になってるんだけど、仏教系ってことは、龍大ってやっぱりお坊さんが多いのかなぁ」

父 「いや。まったくそんなことなくて、むしろほとんどが一般の学生さんらしい。もちろんお坊さんもいるけどね。海外のお坊さんだっているらしいぞ」

娘 「ああ、そういえば外国の人もたくさんいたわ」

父 「うん、たしか……、ええっと。龍大は3学舎で9学部、それに短大もあって、20,000人くらい学生がいるらしいからな。いろんな人がいるだろうな。いっぱい友達作って新しい世界にふれていけよ。イベントもたくさんあって面白いらしいぞ」

娘 「お父さん、本当に詳しいね。でもそういう大学のことって知っておきたいよね」

父 「あ、そうそう。大学のことっていえば、この大学では、新入生が全員共通して受ける授業があるらしい」

娘 「へぇ、学部が違っても? なんていう授業だろ」

父 「ええっと、たしか……『仏教の思想』っていうらしい」

娘 「はあ?『仏教の思想』?……わたし、パスでいいわ。それ」

父 「パスとかないよ!必修なんだから。なんでも、その授業で、ええっとね、龍大の『建学の精神』を教わるらしい。お釈迦さまと親鸞聖人の生涯や教えを学ぶんだって」

娘 「ええ、なんか難しそうじゃん。それに、はっきりいってあんまり興味ないんだけど。だいたい『建学の精神』って何なの?」

父 「建学の精神は、大学設立の理念みたいなものだろ。私立の大学はどこもこれを大切にしてるもんだ」

娘 「へぇ、そうなんだ。ま、でもせっかく入学したんだから、楽しんで受けてみるか!」

父 「そうそう。それが君らしい!」

娘 「……ところで、お父さん、さっきから隠れてチラチラ、何の本を見てるの?」

父 「え、バレてた? この本はだな、お父さんの知り合いの龍大卒業生からもらった『龍大はじめの一歩─龍谷大学「建学の精神」─』って本でな。いろいろと簡単に書いてあって便利だよ。ハハハ。あげるこれ、ハイ!」

娘 「独自に調べたってそういうことか。でもありがとう!」

……では、皆さんもページをめくってみましょう!