中央には金箔で「南無不可思議光如来」なる九字の名号が蓮台の上に記され、名号からは光明が放たれている。また、名号の向かって右には「歸命盡十万無碍光如来」、左には「南無阿弥陀佛」と記されている。さらには、名号に向かって左↑に、善導・曇鸞・道綽などの中国の浄土教の高僧を、その下には勢至・龍樹・天親の三菩薩を描き、向かって右上には源信・源空・親鸞など日本の先徳が、その下には聖徳太子とその眷族が描かれている。それぞれには付箋がつけられているが、いまは剥落しているものが多い。なお、画面下方には向かって左に阿弥陀、右に釈迦が描かれ、こうした図像は、名号から光明を放していることから、光明本尊と呼ばれている。
この光明本尊で注目されるのは、阿弥陀如来だけではなく、釈迦如来や勢至菩薩などの諸仏が描かれていることである。信仰する仏が阿弥陀仏とされる以前の真宗教団の信仰の在り方が、ここに端的に示されている。