■中学・高校と大学連携の新しいかたち
若原 これまで「教科ワーキンググループ」を中心に、龍谷大学と平安高校の教員が相互交流し、教育方法や内容について議論を重ね、お互いの教育について理解を深めてきました。他の学校には見られない理想の教育連携を実現できましたが、2008年度からは付属校ということで連携はさらに強化できますね。
安井 付属校のメリットを生かして、学校設定科目として高大連携科目をできるだけ多く設定したいと考えています。例えば「現代を学ぶ」「理数研究」など、いくつかの科目を考えているのですが、これらの科目は受験にとらわれない幅広い教養を養成するため、教科・科目間の連携を深めるとともに、高大の学びの接続を重視しています。教科間や高校・大学の垣根を越えて、高校と大学の教員が一つの科目を共同で企画・担当し、生徒の学ぶ意欲と探求心を育む多様な授業を展開したいと思っています。
また、今後は中学の授業にも大学にかかわっていただけるように検討していきたいです。
若原 大学教員はいわば専門家集団ですから、より専門的な視点で興味深い講義やアドバイスができると思いますよ。大学からの一方通行ではなく、中高の先生方にも積極的に大学の教育現場で活躍してもらいたいと思っています。
安井 そういえば、龍谷大学の教職課程における「模擬授業」の講義を平安の教員が担当していますが、今後は教員志望の学生さんにどんどん実習に来ていただけます。これまでに信頼関係が十分にできあがっているので、交流はスムーズに進んでいくでしょう。
若原 行事や課外活動の交流もできますね。
安井 平安では毎月、学習範囲の到達度を確認するため、ステップアップテストと週3回の朝テストを実施し、生徒の理解度をきめ細かにチェックしています。一定の基準に到達していなければ補講で徹底的にフォローをするわけですが、学部生や大学院生がティーチング・アシスタントとして授業に入ったり、個々の生徒にアドバイスをしてもらったりするのもいいですね。 |