龍谷大学
  • 学長メッセージ
  • 背景等
  • 国際文化学部の深草キャンパス移転
  • 農学部(仮称)の設置
    • 瀬田へ農学部を設置するにいたった経緯
    • 農学部(仮称)に込めた思い
    • 農学部(仮称)の概要
    • 基本理念
    • 人間育成像
    • 各学科の特徴
    • 学科構成および定員規模、開設時期
  • 地域と連携した教学展開
  • 京都府知事・京都市長コメント
  • 滋賀県知事・大津市長コメント
  • プレスリリース資料(2012年4月10日)
  • 第5次長期計画グランドデザイン RYUKOKU VISION 2020
  • RYUKOKU VISION 2020 Concept of Ryukoku2020

「国際文化学部」の深草キャンパス移転および「農学部(仮称)」の設置について

基本理念(農学部(仮称)がめざすもの)

人類および自然環境が持続可能な地球社会の実現にむけて

龍谷大学が志向する「農学部(仮称)」(以下、「農学部」と表現します。)は、人が生きていく上で不可欠な食の「生産」とその「消費」および「再生」にかかる活動を、「食の循環」という観点で多様な分野から考察し、生物資源や栽培環境、作物生産、および食料消費活動、並びに生産現場のコミュニティーの維持・発展のすべての面において、持続可能な社会の構築をめざしています。

今日、「食」や「農業生産」をめぐる状況は、人類の存亡や地球環境の破壊に関わる重要な課題を抱えています。日本の農業の現状は、農業従事者の高齢化と減少、さらには耕作面積の減少によって、持続可能性や食の安心・安全の観点から危機的な状況に直面しています。この結果、地方の過疎化を生じさせ、全国に限界集落が出現するようになりました。また、世界と比較して一人当たりの耕作地が少ないのが日本の特徴であり、このことが農業の国際的な競争力を更に阻害する要因ともなっています。

世界に目を向けると、2011年に人口が70億人を突破し、地域間や国によって経済的および社会的な格差が拡大するようになりました。その結果、飢餓に喘ぐ人々がアフリカ大陸を中心に10億人を超える状況にあるといわれています。

こうした国内農業や世界が構造的に抱える問題、すなわち食にかかる課題は国境を越えて複雑さを増し、今や多面的な次元で解決を図ることが求められています。

その一方で、地球環境に目を向けると、これまでの先進諸国に加えて、経済発展が著しい新興国や発展途上国における工業化の促進、産業の発展などによって、地球温暖化や環境破壊が加速度的に進み、さらには森林資源の伐採、大量消費型社会の拡大など、全地球的に環境負荷が増大の一途を辿っています。

このように、食料自給の根幹に関わる大きな問題が地球レベルで生じつつある中で、環境破壊や汚染によって食の安心・安全が脅かされる事態となり、また、消費された食料廃棄物が再生利用されずに大量に排出されることで「限りある食物資源」の浪費が進み、生産・流通・廃棄・再生利用にわたる「食の循環」すべてにおいて、また、農村・都市を問わず我々の日常生活も含めて、我々人類は持続可能性の面で危機的な状況に陥りつつあります。その結果、社会的・経済的な格差が世界レベルで拡大し、食料確保にも貧窮するという社会の公平性に関わる問題や、地球温暖化・生物多様性の危機など環境に関わる問題が、人類的な課題として多くの人々や国々に認識されるようになり、これらの課題を解決するために、立場の違いや利害の対立を超えて、日本と世界はパラダイムシフトが必要な転換期を迎えています。

農学部は、こうした国内外を問わず地球社会が抱える農業問題や食にかかる環境問題、さらには人口拡大による食料安全保障に関わる人類的課題に対して、協調的で持続可能な社会の実現に貢献することを目的に教育・研究に取り組むことに重点を置いています。

新たな課題に対する認識

昨年3月11日に発生した東日本大震災は、我が国に未曾有の被害をもたらし、その後に生じた福島第一原発の放射能漏れ事故によって、東北地方の人々に耐え難い苦痛と不自由な生活を強いる状況が続いています。とりわけ、広範囲にわたる津波による「農地の塩害」、放射能による「農産物・農地への壊滅的な汚染」などは、これらが我が国の穀倉地帯を直撃したこともあり、「農業」の行く末に暗い影を落としています。この中でも、放射能汚染による被害は、中短期で解決できるものではなく、数十年から数百年の長期的ビジョンで解決すべき難解な課題であり、国の総力を挙げて解決に取り組むべき「国難」となっています。加えて、昨年末には日本政府が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加検討を表明し、新たな国内問題として、食料自給率の更なる低下や、第一次産業への将来的なマイナス影響が懸念される状況にあります。

こうした危機的な状況に直面する日本の農業に対して、私たち大学人はこれまでに蓄積してきた学問や科学技術の英知を結集して、包括的かつ統合的に課題解決に取り組むことが求められており、その中でも農学分野が直接的に果たす役割は極めて大きなものがあると認識しています。

本学が設置する農学部は、こうした国内外を問わず地球社会が抱える農業問題や食にかかる環境問題、さらには人口拡大による食料安全保障に関わる人類的課題に対して、共存と調和を果たし、持続可能な社会の実現に貢献することを目的に教育・研究に取り組みたいと考えています。

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