○公益通報に関する規程
令和4年6月2日
第1章 総則
(目的)
第1条 この規程は,公益通報者保護法(以下「保護法」という。)に基づき,学校法人龍谷大学(以下「本法人」という。)が設置する龍谷大学及び龍谷大学短期大学部(以下「本学」という。)における公益通報者の保護並びに公益通報があった場合の措置について必要な事項を定めることにより,法令違反行為の早期発見と是正を図り,もって本学の健全な発展に資することを目的とする。
(1) 教職員等 本法人と雇用関係にある者及び本法人の役員
(2) 法令違反行為 保護法で規定する国民の生命,身体,財産その他の利益の保護に関わる法令に違反する行為
(3) 公益通報 本学の業務に関して法令違反行為が生じ,又はまさに生じようとしている旨を公益通報受付窓口に知らせる行為
(4) 通報者 前号の公益通報を行った者
(5) 対象事案 公益通報受付窓口に対して公益通報が行われた当該事案
(6) 公益通報対応業務 公益通報を受け,対象事案の調査をし,その是正に必要な措置をとる業務
第2章 公益通報対応体制
(公益通報処理に係る責任者)
第3条 本学における公益通報対応業務の最高管理責任者(以下「最高責任者」という。)は,専務理事とする。
2 公益通報対応業務を統括するために,公益通報処理統括責任者(以下「統括責任者」という。)を置き,管理運営を統括する常務理事がこれを担当する。
3 統括責任者の下に,公益通報対応業務の実務に関する責任者(以下「実務責任者」という。)を置き,総務部長がこれを担当する。
(従事者の定め)
第4条 最高責任者,統括責任者,実務責任者及び次条の公益通報受付窓口は,本規程により,保護法が規定する公益通報対応業務従事者(以下「従事者」という。)として指定されるものとする。
2 実務責任者は,前項の他に対象事案を担当する者に対して,従事者の地位に就くことが当該者に明らかとなる方法により伝達する。
(公益通報受付窓口)
第5条 本学は,公益通報に対応するため,本学の内外に,次の各号の公益通報受付窓口(以下「公益通報受付窓口」という。)を置く。
(1) 内部窓口 総務部法務課
(2) 外部窓口 本学が指定する法律事務所
(1) 懲戒事由に該当する行為の通報 職員懲戒手続規程
(2) 研究活動に係る不正行為の通報 研究活動に係る不正行為の防止及び対応に関する規程
(3) ハラスメントに係る申立 ハラスメントの防止等に関する規程
2 前項に関する通報又は申立が公益通報受付窓口に行われた場合は,公益通報受付窓口は,当該各号の窓口に通報又は申立を行うよう通報者に伝える。
3 公益通報として受け付けた後であっても,対象事案が第1項各号の規程の手続きによることが適当と最高責任者が判断した場合は,以後の手続きを当該規程によることができる。
第3章 公益通報の取扱い
(通報者の範囲)
第7条 公益通報を行うことができる者は,次の各号に定める者とする。
(1) 本法人と雇用関係にある者
(2) 本学において業務に従事する派遣労働者及び業務委託先の労働者
(3) 通報日の前1年以内において前2号のいずれかであった者
(4) 本法人の役員
(通報対象行為)
第8条 公益通報の対象となる行為(以下「通報対象行為」という。)は,本学又は教職員等による,法令違反行為又はそのおそれのある行為(以下「法令違反行為等」という。)とする。
(通報方法)
第9条 公益通報を行う者は,原則として所定の公益通報受付シートを用い,電子メール,FAX,郵送,電話又は面談により,公益通報受付窓口に通報するものとする。
(通報の誠実性)
第10条 公益通報を行う者は,虚偽の通報,他人を誹謗中傷する目的の通報,その他不正の目的の通報(以下「不当通報」という。)を行ってはならない。
2 不当通報は,この規程に基づく公益通報には該当しないものとする。
(利益相反の回避)
第11条 教職員等が対象事案に関係する者である場合は,当該教職員等は,対象事案の調査,是正措置等の検討に関与することはできない。
2 最高責任者が対象事案に関係する場合は,理事長が最高責任者となる。
3 統括責任者が対象事案に関係する場合は,最高責任者が理事の中から指名する者をもって代える。
4 実務責任者が対象事案に関係する場合は,最高責任者が指名する者をもって代える。
5 公益通報受付窓口の担当者は,自らが対象事案に関係する公益通報を受け付けた場合には,公益通報受付窓口の他の担当者に引き継がなければならない。
(通報の受付等)
第12条 公益通報を受け付けた場合は,公益通報受付窓口は,通報者に対して,公益通報を受け付けた旨を通知する。ただし,通報者が連絡先を明らかにしていない場合又は通報者が通知を求めない旨の意思表示をしている場合は,この限りではない。
2 公益通報を受け付けた場合は,公益通報受付窓口は実務責任者にその旨を報告し,実務責任者は,最高責任者及び統括責任者に報告する。
(緊急の措置)
第13条 最高責任者は,対象事案の継続により重大な結果が生じる可能性があり,緊急の必要があると認める場合は,法令違反行為等を行う組織又は教職員等に対して,当該行為を停止するための緊急の措置をとることができる。
(1) 具体性又は特定性を欠き,内容が不分明なもの
(2) 既に対応を行った,又は対応中の事案についてのもの
(3) 第6条第1項各号に関するもの
(4) 対象事案について,本学が是正措置等を行う権限を有しないもの
(5) その他通報対象行為に該当しないと判断するもの
2 実務責任者及び総務部法務課は,調査の結果を,直ちに最高責任者及び統括責任者に報告しなければならない。
(調査委員会)
第15条 最高責任者は,前条第2項の報告を受け,さらに詳細な調査が必要と認めた場合には,調査委員会(以下「委員会」という。)を設置することができる。
2 委員会は,最高責任者が指名する者で構成する。
3 委員会は,事実関係の調査を行い,法令違反行為等の有無を検討する。
4 委員会は,調査の結果を,直ちに最高責任者,統括責任者及び実務責任者に報告しなければならない。
5 委員会の事務局は,法務課とする。
(調査協力義務)
第16条 前2条の調査を受ける者(以下「被調査者」という。)は,調査に協力をする義務を負う。
2 被調査者は,調査にあたって,事実の隠匿若しくは歪曲又は虚偽の回答その他の不正行為を行ってはならない。
(是正措置等)
第17条 調査により法令違反行為等が判明した場合は,最高責任者は,当該事実が発生した又は発生するおそれのある組織を担当する理事(以下「担当理事」という。)に対して,是正措置及び再発防止措置等(以下「是正措置等」という。)の実施を求める。
2 担当理事は,是正措置等の実施方針を策定し,最高責任者に報告しなければならない。
3 最高責任者は,調査結果及び是正措置等の実施について,理事長に報告する。
4 最高責任者は,法令違反行為等の是正措置等が適切に機能しているかを検証し,適切に機能していないことが判明した場合には,追加の是正措置等を講じるものとする。
(処分等の措置)
第18条 調査により法令違反行為等が判明した場合は,最高責任者は,当該行為を行った教職員等に対して,職員懲戒手続規程の適用,役員等の解任,契約解除等を含む適切な措置を講じるものとする。
(監督官庁等への報告)
第19条 調査により法令違反行為等が判明した場合は,最高責任者は,必要に応じて監督官庁等に対して,当該調査等の結果の報告を行う。
(通報者への連絡)
第20条 公益通報受付窓口は,通報者に対して,通報された者その他利害関係人の秘密,信用,名誉及びプライバシー等の保護に十分に配慮しつつ,調査の実施有無並びに調査結果及び是正措置等を遅滞なく通知するものとする。
第4章 通報者の保護等
(通報者等の保護)
第21条 本学及び教職員等は,通報者に対して,公益通報受付窓口に通報したことを理由として,不利益な取扱いを行ってはならない。
2 本学及び教職員等は,調査協力者に対して,対象事案に関する調査に協力したことを理由として,不利益な取扱いを行ってはならない。
(探索の禁止)
第22条 本学及び教職員等は,通報者が誰であるか,対象事案に関する調査に協力した者が誰であるかを探索してはならない。
(公益通報対応業務に関与した者の守秘義務)
第23条 公益通報対応業務に関与した者は,通報者の氏名,所属等の個人が特定されうる情報,通報内容,調査内容,調査結果等を他に開示してはならない。
2 前項の規定は,教職員等でなくなった後も同様とする。
(通報者等の守秘義務)
第24条 通報者は,公益通報受付窓口から通知された調査結果等の情報を第三者に開示してはならない。
2 被調査者は,調査の事実,質問内容,回答内容その他の調査によって知り得た情報を第三者に開示してはならない。
第5章 補則
(その他)
第25条 この規程に定めのない事項については,保護法その他の関係法令の定めるところによる。
(事務)
第26条 この規程にともなう事務は,総務部法務課が行う。
(改廃)
第27条 この規程の改廃は,評議会において決定する。
付則
この規程は,制定日(令和4年6月2日)から施行し,令和4年6月1日から適用する。