短期大学部
知的障害者のオープンカレッジ「ふれあい大学」を開講
 仏教科と社会福祉科から成る短期大学部では今年度、社会福祉科40周年、福祉専攻科10周年を迎え、それを記念する各種事業を予定している。その一環として「ふれあい大学」を6月から発足させ、来年1月までの間に15回開講する。

 この講座は、知的障害者施設や作業所などに通所する人たちと、共に学び合うことを目的に開かれるもので、教員だけでなく、社会福祉科の学生もアシスタントとして参加し、知的障害者の学習支援と交流支援を行ないながら共に授業や交流、キャンパス探検を進めていく。

 プログラムは、「仲間づくりと交際マナー」、「健康づくりと身体リズム」、「介護を学ぼう」、「しょうがい論、人権論」、「ピア・カウンセリング」、「パソコン教室」などが予定されている。また、「演劇コース」も設け、「総合芸術・芝居演劇実習」として、うたと踊り入りの芝居の練習を行ない、12月には学生主催で、福祉の現場で働く人の現況報告や講演会、卒業論文発表などを行なう、「第31回社会福祉研究大会」での上演を計画している。

 こうした知的障害者の社会参加と学習権保障を促進する取り組みを、普段の講義日に行なったり、演劇を取り入れたりするのは初めて。

 短期大学部としてはこれを単年度の試みとして終わらせるのではなく、来年度以降も継続的な事業として開講していくことをめざしている。

(写真・6月21日に「ふれあい大学」開講式が行なわれた。)
文学部
マスメディアの制作・報道現場から考える
 1997年度より2000年度までの4年間、文学部、短期大学部同窓会の寄贈により開講された講座「マスコミ論」が、今年度、神前俊彦氏(毎日放送特別顧問)を講師に迎え、文学部3年生を対象に再び開講されている。

 講座内容は新聞、雑誌、放送の記事、番組を教材にして、マスコミの歴史「憲法に見る表現の自由」や電波メディアの現状「放送通信の融合」、マスコミと人権「個人情報保護法」などに関して、テーマが設定され、受講生全員でのディスカッションを行なって、毎回レポートを提出する。レポートは、毎回採点と共に添削されて戻される。

 また、実際に新聞社、放送局での現場見学を実施し、受講者のメディアリテラシーの向上を目指す。

 現場の第一線で活躍してきた神前氏の講義は、放送番組を創りあげていく過程の大変さやマスコミが社会に与える影響の大きさなど経験談を交え進められ、非常に興味深く説得力がある。

 過去にこの「マスコミ論」受講者からマスコミ関係へ就職者を輩出したこともあり、マスコミ志望者にとっては大変有意義な講座となっている。

(写真・6月21日、大阪の毎日放送本社の見学授業。報道スタジオでキャスターの気分も。)
経済学部
ファイナンスの最先端を学ぶ現役証券マンによる2講義が好評
 日本の個人金融資産は、総額1400兆円を超え(2001年3月)アメリカに次ぐ規模となっている。だが、その半分以上を現金・預金により運用しているのが現状だ。証券・信託などの証券投資は約11%と、主要先進国(30―40%)と比較してきわめて低い水準にとどまっている。今後、ベンチャー企業の設立や産業の活性化のために、個人金融資産が有効に活用されることが求められる。

 そういった観点からも、今年度より開講された証券投資に関する現役証券マンによるユニークな提供講義が注目されている。

 野村證券提供による『証券市場とグローバル証券ビジネス』と、日興コーディアルグループ提供『証券投資論』。金融商品や証券への投資など個人のポートフォリオ理論から、資本市場、証券市場に関する基本的な考え方まで、基礎的な理論から最先端の現状、実務についてタイムリーな話題を交えながら展開されている。

 これらの講義は経営学部生の一部や、大学コンソーシアム京都の単位互換生、京都シティカレッジなどにも提供され、社会人を含む多数の学生が熱心に講義に聞き入っている。

(写真・日興コーディアルグループ提供『証券投資論』の授業風景。)
経営学部
京都から全国・世界への発信を目指す「京都産業額センター誕生」
 “京都産業を学ぶ”にとどまらず、“京都産業を学ぶ”ことを特徴とし、京都から全国・全世界へ発信することを目指す「京都産業学センター」が、大学院経営学研究科に設置された。

 このセンターは、京都の企業間ネットワークの核として機能し、京都企業の経営活動の個別ケースを研究対象の基本とし、産業分野別ケースと産業政策を関連させながら分析と研究の蓄積を行なう。

 その事業は5つある。1個別企業毎のケース分析を中心とした共同研究を推進し、ケース・スタディを蓄積する「ケース・スタディ、ケース・メソッド蓄積事業」。2京都産業界との連携を進めるために、京都産業人倶楽部を設けて恒常的にコミュニケーションをはかる「ネットワーキング事業」。3京都企業の情報収集・分析をし、『京都産業学』のシリーズ刊行を行ない、京都のみならず全国、全世界に発信する「情報収集・発信事業」。4京都企業・産業に関する政策提言をする「政策提言事業」。5研究会、シンポジウム、講演会を開催し、「京都産業学」を学問として確立するための「研究推進事業」。

 これらの事業を推進するのは、企業経営者や学識経験者、行政関係者などの嘱託研究員と、経営学研究科を中心とした学内研究者。この京都産業学の取り組みは、ビジネス・スクール型大学院構想の一環としても位置づけられている。

(写真・『京都産業学』シリーズ第1巻刊行に向けて編集作業を進めている。6月21日には京都市左京区にある計量機器メーカー(株)イシダとの執筆者会議が行なわれた。)
法学部
「市民のための法学・政治学の教育・研究の場づくりを」新学部長に脇田滋教授2004年3月まで
 「傍観者的に上から見る鳥瞰的(ちょうかんてき)視点ではなく、虫の視線で下から物事を見ようとする『実践的・虫瞰的(ちゅうかんてき)研究スタイル』を貫きたい。そうすることで、法学・政治学が、統治や管理のための学問から、日々誠実に生きる庶民や労働者の生活や権利に少しは寄与できる学問になる」とする脇田滋教授。

 専門分野は、社会保障法と労働法で、最近は、雇用の多様化・流動化と雇用・社会保障を研究テーマに多くの著書・論文を発表し、社会的に発言している。

 趣味は17年前、本学着任の頃に始めたパソコン。1996年から「派遣労働者メール相談」を目的に、趣味と実益を兼ねて個人でホームページ(http://www.asahi-net.or.jp/~RB1S-WKT/)を開設した。関連情報が多彩かつ豊富でアクセス数は約22万件に達している。相談活動の内容は既に、『規制緩和と労働者・労働法制』(2001年2月/旬報社/3800円)、『派遣・契約社員働き方のルール』(2002年4月刊/旬報社/1600円)の2冊の書物として刊行された。

 法学部は、現在、法科大学院(ロー・スクール)や、大学院研究科のNPO地域人材コース開設など大きな課題に取り組んでいる。

 脇田学部長は、「進取の精神と実践的・虫瞰的スタイルを生かして、市民のための法学・政治学の教育・研究の場づくりを結実させたい」と抱負を語る。

理工学部
来春、新2学科が誕生予定!6学科となりパワーアップ!
 理工学部は、2003年4月、新たに「情報メディア学科」と「環境ソリューション工学科」を開設する(設置認可申請中)。これで、既存学科を含め6学科となり、収容定員も2000名の規模になり、理工学部は更にパワーアップする。

 「情報メディア学科」は、来るべき「人・環境にやさしい高度情報化社会」を見据えた能力と知識、技術を身につけた人材を育成する。次世代の情報メディア技術や情報産業に適合できるように、処理システムの構築やマルチメディア情報伝達の応用など、仮想メディアによる実世界のモデル化を学ぶ。

 一方、「環境ソリューション工学科」は、自然環境などに関する「生態学」と廃棄物処理などに関する「環境工学」の両面をしっかり学べるカリキュラムを用意。生態学についての深い理解を基礎として、工学の専門性を身につけ、現代の社会が抱える多様な環境問題を自ら解決(solution)できる人材を育成する。

(写真・新2学科のための瀬田学舎7号館完成予想図。ハイテクリサーチセンター(HRC)と瑞光館(古典籍デジタルアーカイブ研究センター)に隣接して建築中。)
社会学部
学部生・院生・教員参加の社会学部ジャーナル
 社会学部学会では2002年3月、『社会学部ジャーナル』(愛称RONRON、B5版、200ページ、年1回発行)を創刊した。同誌は、教員だけでなく学部生・院生も発表に参加できるもので、制作にあたったのは、学部生・院生の有志。全員まったくの初心者ながら、企画・編集・レイアウトといった雑誌制作全般にわたる仕事に意欲的に取り組んだ。

 創刊号の特集は2本立てで、「ビートルズ」と「ジェンダー」。昨年社会学部学会主催で行なわれたシンポジウム〈ビートルズ現象とは何だったのか〉と、大阪大学大学院人間科学研究科教授の伊藤公雄氏による講演会〈現代日本のジェンダー・ポリティックス〉の記録が、運営に関わったメンバーの原稿とともに収められている。その他には、編集部の総力調査〈瀬田学舎の虚像と実像〉や恋愛論、就職した先輩を訪ねてのインタビュー〈「はたらくこと」とは!? ホントはどうなの? 卒業生に聞く〉など、読み応えのある記事が満載だ。また、読者の理解を助けるために注釈を多く入れるなど工夫が凝らされている。

 購読希望者は「大津市瀬田大江町横谷1─5 龍谷大学社会学部教務課気付 社会学部ジャーナル編集部」宛に葉書で申し込んでください。1部千円(送料込)。発送の際に振込用紙を同封します。

(写真・2001年度オーストラリア研修。LA TROBE UNIVERSITYでの授業風景。)
国際文化学部
盛んな海外留学・研修 支援体制がさらに充実
 国際文化学部では、外国語を異文化理解のためのコミュニケーションツールとして学び、国際社会で実際に活用できる外国語を身につけることを重要視している。

 そのためにこれまでも、夏期・春期の授業の休みを利用して短期海外研修を企画・実施し、単位認定を行なうなど積極的に推し進めてきた。

 2001年度には、アメリカ・カナダ・イギリス・フランス・中国・韓国での学部企画の研修や、自己応募の海外研修に参加した学生は120名。また、10名の学生が交換留学生として、30名の学生が私費留学生として留学を経験した。主な留学先としては、フランス・オーストラリア・中国・カナダ・イギリスなど。他にもアジアやヨーロッパなど世界各国にわたっている。

 さらに、2002年4月から、留学および短期海外研修を今まで以上に奨励し、海外でのフィールドワーク、インターンシップなども単位認定することになった。

 これまで以上に、使える語学力と国際感覚、異文化理解力を身につけるために海外研修・留学をこころみる学生が増えそうだ。

(写真・2001年度オーストラリア研修。LA TROBE UNIVERSITYでの授業風景。)
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