経済学部
実務者を招いた特別講義「国際NGO論」 参加型シミュレーション授業が好評
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ファシリテーター(ワークショップでのグループワークリーダー)として参加した学生スタッフの打ち合わせ
 12月24日から27日まで、特別講義「国際NGO論」を開講した。これは、実務者による講義及び参加型のシミュレーションにより、受講生が経済開発と市民レベルの国際協力に関する基本的知識とその応用方法を習得することを目指している。龍谷ボランティア・NPO活動センターの協力を得て、関西NGO協議会や日本国際飢餓対策機構等、大阪・京都に拠点をおく主要国際NGO(民間の国際協力機構)より複数の講師を招き、現場の体験談等を交えながら展開された。

 授業は、まず、各参加NGOの活動地域の紹介、活動地域における経済開発の現状と課題、NGOの活動目的、活動概要、資金、活動上の障害等を紹介し、その後10名程度のグループに分かれ、ワークショップでの課題(飢餓・国際貿易等の具体的状況を想定した問題)の解決方策を検討し、発表を行なった。参加者は約70名の受講生の他、ボランティア・NPO活動センターの学生スタッフ。活発な質疑応答が行なわれ、特に参加型のワークショップは受講生に好評で、この講義は次年度も開講する予定だ。

経営学部
新学部長決まりました。任期は2003年4月1日から2年です。藤田誠久教授 新カリキュラムの定着が課題
写真 藤田教授 藤田誠久教授は、1984年に経営学部専任講師として着任以来、経営学部の学生生活主任や教務主任などの役職を歴任し、最近では学内評議員として大学の政策決定に携わってきた。専門は経営史で、「戦時期日本企業の経営システムの形成と変容の解明」を主な研究課題としている。経営学部ではここ数年来、初期教育とゼミを中心とした少人数教育の充実を図っている。これは、学生の学習行動の変化に合わせ、「基礎的なことを多重に、多段階」に学ばせるとともに、「学生個々の出口を考えた自発的学習」を啓発することを目的としたもの。

 新学部長に課せられた課題は、この新しいカリキュラムを着実に定着させることである。

 また、龍大の教学を中心としたシステムを新しい龍大創造に向けて実践していくことも新学部長に課せられた大きな課題である。

 新学部長としての抱負は、「学生がゆっくりと落ち着いて物事を考え、行動できるような環境をより充実させたい。現代の変化の激しい社会状況だからこそ、学生が目標をもって勉学にいそしめる、ゆったりとした学部運営ができるといいな、と思っている」と語る。

 1973年に本学の経営学部を卒業した生え抜き教員でもある。龍大と経営学部の発展を様々な視点から見てきたという意味でも、その手腕に期待がかかる。
法学部
学生支援をさらに充実 「法学部チューター制度」を導入
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授業後の分野指導型チュートリングの風景(深草学舎ラーニング・クロスロードで)
 2002年度より「法学部チューター制度」を導入し、きめ細かな学生支援体制の整備を進めている。

 この制度は、大学院法学研究科に在籍する大学院生を中心に、留学経験のある学部学生を含む計9名が、後輩の学部生に、学生生活全般についてのアドバイス(個別指導型チュートリング)や、特定の分野・科目に限定した学習サポート(分野指導型チュートリング)を行なうもので、身近な先輩からアドバイスを受けることができ、利用者から好評を博している。

 分野指導型チュートリングでは、「民法IV」「刑事法入門」「刑事学」「刑事訴訟法II」の4科目で今年度試験的に導入。今後は、科目を広げ実施する予定である。

 法学部は、これまできめ細かな教育・学生支援体制として、少人数制のゼミナールやインターンシッププログラム、クラスサポーター制度などで、学生と教員とのパートナーシップの充実に取り組んでおり、今回のチューター制度でさらに充実した支援体制を整備した。社会に貢献する人材育成を掲げる法学部は、目下大改革中である。
文学部
新学部長決まりました。任期は2003年4月1日から2年です。中川法城教授 厳しい状況だからこそできることを
写真 中川教授 中川法城教授の専門分野は、アメリカ文学。中でも特にアメリカ自然主義小説を研究し、自然主義作家の個別的な特徴を分析しつつ、この悲観主義的な文学全体に流れるロマンティシズムの精神の解明に携わる。その成果は著書『アメリカの自然主義小説…クレイン、ノリス、ロンドン、ドライサーを読む…』(英宝社)として出版されている。

 専門分野の教育・研究に加え、学生生活主任、教務主任、研究主任、学生部長、学内評議員などの役職を歴任し、文学部と大学の発展に大きく寄与してきた。

 また、長年ゴルフ部の部長をつとめ、3人のプロ選手を輩出するなど、正課は勿論のこと課外活動においても熱心に学生指導にあたっている。

 学部長就任にあたり「どこの大学も同じでしょうが、本学もこれから当分の間いっそう厳しい状況が待ちかまえていると思います。だが、このような状況を単にネガティブな要素として捉えるのではなく、大学構成員の方々のお知恵を借りながら、こういう時だからこそ出来ることを見つけ出して、少しでも大学と文学部の発展に寄与できれば」と、その抱負を語った。
理工学部
新学部長決まりました。任期は2003年4月1日から2年です。河嶋壽一教授 スケールアップした学部の総合力を発揮
写真 川嶋教授 この4月、従来の数理情報学科、電子情報学科、機械システム工学科、物質化学科に加え、「情報メディア学科」と「環境ソリューション工学科」が誕生する。このことで、学科数と学生数が1.5倍に拡大し、教育・研究体制がさらに強化され、理工学部にとって、次のステージへの飛翔の年となる。

 河嶋壽一教授の専門は、機械工学の分野でコンピュータを活用し、各種機械要素を設計、解析、加工するための研究。もともとは、機械に生じる力や変形の解析が主であったが、学生の希望に応える内に、3次元設計や数値制御加工までを担当するようになった。最近では、学術フロンティア推進事業の「古典籍デジタルアーカイブ研究センター」にも参加し、仏像などの機械加工も行なっている。

 学部長就任にあたり河嶋教授は、「これまでの皆様のご理解とご支援に深く感謝し、かつこれを重く受け止め、スケールアップした理工学部が一丸となって、総合力を発揮していきたい」と、決意を語る。また、「理工学部では、科学と人間の調和を重視し、時代と社会の要請に応え、社会の必要とする人材を育成することを学部の目標としてきた。この目標の達成に向け、それらに適した教育・研究ができるよう、常に一歩先を見ながら、持てる力を最大限に発揮していきたい」と熱く抱負を語る。
社会学部
全国初!社会学科に、子どもの学外活動の指導者を養成する 「プレイワーカー」資格取得過程設置
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餅つきを通じ、子どもたちを楽しく指導するプレイワーカー。(京田辺市の雑創の森プレイスクールで)
 社会学科では、2003年度よりプレイワーカー課程を設ける。プレイワーカーとは、子ども達の自発的な活動や社会参画活動、自然体験活動を支援する指導者のこと。課程を修了すれば、文部科学省所管の財団法人プレイスクール協会が認定するプレイワーカー資格を取得できる。プレイワーカーの養成を大学で体系的に実施するのは、全国ではじめて。

 子ども達をめぐる様々な問題は、もはや教育や心理的なアプローチだけでなく、社会全体の構造的な問題として考える必要がある。社会学的知見をもったプレイワーカーの必要性は国際的にも注目されており、既にヨーロッパでは大学で専門家が養成されている。日本でも、中央教育審議会が1998年に専門的な知識をもった「プレイリーダー」の配置と養成が今後の課題とし、これを受けた生涯学習審議会も「プレイリーダー」の緊急な必要性と「高等教育機関における自然体験活動の指導者指導者養成を推進する」ことを提言した。この理念をより高度化したものがプレイワーカーで、2001年より認定されている。

 本学には、寺院での日曜学校を通じて、子ども達の現実に関わってきた伝統がある。それをベースに、フィールドの中で問題の本質を把握し、分析していく社会学科の精神によって、地域社会のコーディネーターとして、本学ならではのプレイワーカーを育てる。

新学部長決まりました。任期は2003年4月1日から2年です。村井龍治教授 3学科の特色を活かし、総合性をもった学部づくりを
写真 村井教授 村井龍治教授は1998年4月に開設した地域福祉学科及び臨床福祉学科の設立に関わり、教務主任を3期、その他、法人評議員などの役職を歴任し、社会学部と大学の発展に大きく貢献してきた。

 専門分野は障害者福祉で、長期にわたり「障害者の地域生活援助システム」や「障害者と家族」を研究課題としており、学外における社会活動にも積極的に取り組んでいる。

 社会学部では、2002年度から2003年度にかけて社会学科と地域福祉学科・臨床福祉学科の全学科で新カリキュラムを導入し、より実践力のある学生を育てていくことを目指している。今後は新カリキュラムを定着させ、更なる充実を図っていく。

 学部長就任にあたり村井教授は、「社会学部にある3学科それぞれの特色を活かし、相互に共働しあうことによって、社会学部の特性が生まれてくると思う。総合性をもった学部づくりに取り組んでいきたい」と、その抱負を語る。

国際文化学部
留学生が“親善大使” 地元の小・中学校に出向いて生徒と交流
写真4 国際文化学部には大学院研究科を含めて174名の留学生が在学しており、龍谷大学の留学生数の50%以上を占めている。出身地域も、中国、台湾、韓国、タイ、スイス、ロシアとアジアを中心に国際色豊かである。

 ここ数年、同学部の留学生と地元の小中学校との交流を盛んに行なっている。昨年11月には、滋賀大学教育学部附属小・中学校で「グローバルタイム」と称し、留学生が小中学生と一緒におにぎりを作ったり、けん玉遊びなどをして異文化交流の場を持った。また、他の小・中学校では、留学生が授業に参加し、生徒からの質問に応えるなどアットホームな交流を実施している。参加した留学生からも、「温かい雰囲気の中で異文化交流ができ、非常に有意義だった」と好評だ。今後も、留学生たちが小中学生の身近な親善大使となることを大いに期待したい。


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滋賀大学教育学部付属小・中学校の生徒たちから届いた礼状。当日の感想や国際交流に対する抱負などがかかれている。
 ※滋賀県大津市近辺の学校・団体等で、留学生との交流を希望される場合は、国際文化学部教務課(電話077-543-7672、FAX077-543-7674:留学生交流担当)までお問い合わせ下さい。

 ただし、時期や留学生の授業時間などを優先するために希望に添えない場合があります。
短期大学部
新学部長決まりました。任期は2003年4月1日から2年です。浜上征士教授 「建学の精神」を基本に
写真 濱上教授 50年余の長い歴史をもつ短期大学部の仏教科が解消される。あとに残る社会福祉科は、2003年度から定員が200名から242名に増員となる。大きな転換期である。しかし、学生個々のニーズを重視し個別指導に力点をおいてきた特長を、これからもしっかり守っていくことが重要となる。総合大学に設置されている短期大学としてのメリットを活かし、編入など他学部との連携をこれまで以上に密にしていく必要がある。

 短期大学部は、従来から社会福祉現場実習や実務講座などを通じて地域社会との結び付きや連携を大切にしてきており、すでに試行している地域の障害者との交流事業をより充実させ、短期大学部のノウハウを地域社会に還元していく方針である。

 「課題はたくさんありますが、龍谷大学の『建学の精神』を基本において、教職員や学生とのコミュニケーションを十分に図り、多くの方々の教えと支えを得ながら微力を尽くしたい」と新学部長としての抱負を語る。