大谷光瑞・西本願寺第22代門主が仏教伝播の道を明らかにすることを目的として組織した大谷探検隊。その探検隊が初めて中央アジアへ出発した年から2002年で100年目を迎えた。本学ではこのことを記念し、2001年から2003年までの3年間、「仏が来た道」を総合テーマとし、シンポジウムなど、大谷探検隊100周年記念事業を展開してきた。
2001年は、「現代シルクロードのイスラーム復興」、2002年には、「仏の来た道〜シルクロードの文物〜」などを開催。そして、一連の学術事業の総括となる3年目の今年、国際シンポジウム「仏の来た道〜シルクロード文物と現代科学〜」を開催する。
これは、9月8日から12日まで5日間にわたり、ドイツ・イギリス・フランス・インド・中国などから研究者を招き、講演会や研究集会を行なうというもの。
また、期間中は「書と表現の跡」をテーマに、本学大宮図書館所蔵西域文化資料(現物)や藤井有隣館所蔵資料(現物)四天王寺執事長出口順得氏所蔵資料(現物)などの大谷探検隊の収集品が展示される。
いずれも一般参加できる。 |
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記念シンポジウム
「シルクロード文物と現代科学」
9月8日(月)
●探検隊員追悼会 午前11時から 場所‥大宮学舎 本館講堂
●記念講演 午後2時から 講師 井ノ口泰淳本学名誉教授他 場所
大宮学舎 清和館
●研究集会
9月9日(火)「西域北道の仏教社会」
9月10日(水)「クチャの仏教美術」
9月11日(木)「西域南道とニヤ遺跡」
場所‥大宮学舎 清和館
9月12日(金)「出土文物の分析と保存」 場所‥瀬田学舎 瑞光館
●展示会
9月8日(月)〜13日(土)、9月22日(月)〜30日(火)
※9月23日(火)・28日(日)は休館
時間‥午前10時から午後5時 場所‥大宮学舎本館展観室 |
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ニヤ遺跡
方形仏堂遺構を再現
大宮学舎東黌1階103教室に、実際に土を敷き、ニヤ遺跡方形仏堂遺構を再現する。そこで「五会念仏作法」を厳修。西域南道の遺構と念仏修法が時代・場所を超えて出逢うことになる。
●期間‥9月8日(月)〜13日(土)
●時間‥午前10時から午後5時
「五会念仏作法」は11日(木)午後2時より。
〈お問い合わせ〉
龍谷大学大宮図書館 電話‥075-343-3310 |
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毎日新聞に連載された『阿弥陀が来た道―百年目の大谷探検隊』が出版され好評を博している。著者は、毎日新聞編集委員で宗教記者としても知られた故佐藤健氏。定年を目前に末期がんと宣告された佐藤氏、「シルクロードに客死するのもいいじゃないか」と敦煌に足を運び取材を重ねた。聖地を求めてシルクロード探検に挑んだ傑僧の軌跡をたどる、まさに記者生命をかけた渾身のルポタージュである。
巻末には、大谷探検隊踏査地域を再踏査した、上山大峻前学長とキャラバンを組んだ佐藤氏らとの座談会「シルクロード・敦煌を語る」を収録。シルクロードに思いを馳せる。 |
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『阿弥陀が来た道―百年目の大谷探検隊』(2003年3月刊/196頁/毎日新聞社/1524円) |
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6月14日、名古屋市中区の中日新聞社ホールにて、大谷探検隊100周年記念講演会「仏の来た道―いま甦える幻のシルクロード―」を開催した。
講演会は、シルクロード学の第一人者である長澤和俊・早稲田大学名誉教授が、第1次〜第3次までの大谷探検隊の足跡を、地図を用いて説明し、その業績を紹介した。続いて、小島康誉・佛教大学ニヤ遺跡学術研究機構代表が砂漠というきわめて厳しい環境の中、14年間にわたり行なった調査の全貌を、画像をもとに報告した。最後に、上山大峻・本学前学長から、シルクロードの遺跡から発掘された資料の現状と研究の状況について報告があった。
集まった約300人の参加者は、シルクロードがもつロマンに酔いしれていた。 |
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老若男女が参加し、会場は満杯となった。シルクロードの人気の高さが伺える。 |
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