「プレイワーカー」養成課程を全国の大学に先駆けて設置した社会学部は5月22日、「子どもの遊ぶ権利のための国際協会(IPA)」日本支部(大阪府堺市)との共催で、シンポジウム『子どもの現場とプレイワーク』を瀬田学舎で開催した。
 パネリストは、障害を持った子どもの遊び活動を東京で展開する村岡真治氏、京都市藤ノ森学童保育指導員の井神達弥氏、天野秀昭氏の3名。特に天野氏は東京世田谷区で長年プレーリーダーを務め、国内で初めて冒険遊び場に有給スタッフを置いた実績を持つ。
 シンポジウムでは、地域における遊びを中心とした子どもの学校外での生活を支援し、コーディネートするプレイワーカーの役割と大学で養成することの意義について語られた。
 パネリストはそれぞれの現場経験から「地域での子どもの遊びや居場所を組織していくには、連続的に子どもにかかわりつつ、地域の大人や行政・関係機関ときちんとした連携を持たなければならない」と述べた上で、「その環境を整える責任を持った職務を果たすものとして、プレイワーカーが必要である」と語った。
 また、本課程について話題が移ると、「十分な実習経験の上に専門科目の講義を展開している」とカリキュラムに対する評価と期待が寄せられ、参加者からは、「ぜひ実習を受け入れたい」「社会人でも履修できないか」などの声もあり、本課程への関心の高さがうかがわれた。
 社会学部では、このシンポジウムでの提言を取り入れながら、さらなるプレイワーカー課程の充実を図っていく。




学生交流会館前でアサンプション大学学生と記念撮影
 
 タイ・バンコクにあるアサンプション大学で日本語を学ぶ学生が4月1日〜30日、瀬田キャンパスで語学研修を行ない、国際文化学部の学生と親交を深めた。
 アサンプション大学は、1969年に創立された私立大学。タイにある大学では唯一、語学以外の講義を英語で行なっている。約400人の学生が在籍するビジネス日本語学科があり、今回は31名が来日。引率及び講師を担当したアサンプション大学日本語教師のタナサンセーニー美香さんは、本学文学部文学科の卒業生だ。「日本語を勉強している学生をぜひ日本に連れていきたい」との強い思いを国際文化学部が受け止め、母校での実施が実現した。
 研修には、国際文化学部の日本人学生も参加し、俳句の創作やパーティーを開催するなど、日本語・英語が入り交じっての国際交流が盛んに行なわれた。また、瀬田キャンパス近くの宿舎に滞在するアサンプション大学生のために日本人学生が生活面をサポートするなど、共同生活も楽しんだ。国際文化学部では、アメリカ・オレゴン州にあるマウントフッドコミュニティーカレッジ生の受け入れも計画しており、今後もさらなる国際交流を推進していく。





津山みのり学園(岡山県)内の更生施設・歩寮を訪れた学生とシニア生
 
 短期大学部社会福祉科は6月9日、10日の2日間、1年生を対象とした施設見学実習旅行を実施した。この実習旅行は、1年生の早期に福祉施設を訪問することで、社会福祉事業に対する基礎的な知識と関心・意欲を高めてもらおうと毎年この時期に開催している。
 今年は初めて知的障害者・シニア生と合同で研修を行なった。シニア生とは、社会福祉科が知的障害者との交流から共に学び合うことを目的に2年前から開講している『オープンカレッジ「ふれあい大学」課程』のプログラム修了生で、8名が参加した。
 研修は、特別講義に始まり、施設見学や宿泊施設内の会議室でのワークショップ等と盛りだくさん。シニア生は積極的にすべての研修に参加し、学生もシニア生をサポートしながら熱心に研修プログラムに取り組んでいた。また、研修の合間の自由時間には学生とシニア生が交流を深め合い、楽しい時間を過ごしていた。
 今回の実習旅行は、短期大学部の学生だけで行なっていた従来の実習旅行とは違い、互いに刺激を与えあい、「共生」を実感する上で貴重な場となり、社会福祉科の今後の取り組みを発展させていく上で、多くの示唆を残してくれた。





友久室長を案内役に、神子上学長らがクリニックを見学
 
 子どもから大人まで誰でも利用できるクリニックとして設置の準備を進めていた臨床心理相談室「大人と子どものこころのクリニック」(友久久雄室長)が大宮学舎西黌別館に開室し、5月19日、大宮学舎本館で記念式典が執り行なわれた。
 クリニックは、財団法人日本臨床心理士資格認定協会から平成16年4月1日からの4年間、「臨床心理士」受験資格の「第2種」指定大学院に認定を受けたことにより文学研究科教育学専攻が開設した。「第2種」は、「臨床心理士」受験資格を得るために修士課程修了後、1年間の現場経験が必要となる。
 記念式典では、神子上惠群学長が心の専門家である臨床心理士の必要性やその養成の重要性を述べ、「本学の建学の精神に沿った、地域のためのクリニックになることを願う」と挨拶。この後、クリニック玄関で神子上学長、友久室長と糸井通浩文学研究科長がテープカットを行ない、式典出席者とともにプレイルームや面談室などの施設を見学した。
 クリニックでは、友久室長をはじめ8名の臨床心理士が心理相談を行ない、臨床心理学領域を専攻する大学院生らが電話受付や相談の陪席などによる実習を行なっていく。
 文学研究科はこの相談室で実績を積み、平成19年、卒業と同時に「臨床心理士」受験資格が得られる「第1種」指定大学院の認定を目指す。
 クリニックは予約制で有料。問い合わせは、臨床心理相談室(075-343-3344・午前9時〜午後5時)まで。






伏見大手筋商店街でアンケート調査を行なう学生たち。地域住民の関心も高い
 
 経済学部で開講している「地域活性化プロジェクト」(井口富夫教授担当)の受講生100名がコミュニティバス事業の展望について調査し、2月25日に行なわれた伏見区の商店街や企業でつくる「伏見区地域経済懇話会」でその調査結果を報告した。
 伏見区は、京阪電車や近鉄電車の駅と高度集積地区など東西を結ぶ公共交通が不便であることから、京都商工会議所が路線バスの整備について井口教授に調査を依頼。昨年4月から伏見区と南区の約600社の企業に調査票を郵送するとともに、伏見大手筋商店街や近鉄百貨店桃山店で地域住民を対象にしたアンケート調査などを行なった。
 その結果、(1)地域住民からの路線バス新設の要望は強くないが、バス停の位置の工夫や運行本数の増加などによって乗客増の余地がある、(2)地元企業からは中書島駅、丹波橋駅、竹田駅を基点とする路線バス新設の要望が多く、マイカー通勤から「鉄道+路線バス利用」への通勤形態の変更による道路混雑・交通渋滞の解消も期待できる、などが分かった。
 調査に参加した田口まゆさんと横手佑美さんは、「小型バスの利用によるコスト削減努力や、企業や病院、学校などの送迎バスをコミュニティバスとして使う工夫も必要では」と提言している。





プレートを背に、右から藤田誠久学部長、金川さん、指導教員の政岡光宏教授
 
 2003年度卒業式が3月19日、深草学舎体育館で執り行なわれ、経営学部卒業生総代として金川将士さん(香川県立志度高校出身)が壇上に上がり、神子上惠群学長から卒業証書と今年度から新設された学長賞を受け取った。
 経営学部の総代は、4年間を通して最も成績が優秀だった学生を選出している。本学では、各年次の成績優秀者に対して、学業奨学金の支給など支援しているが、総代に対しては卒業生代表として卒業証書を授与するだけで、昨年度まではそのことを讃える形がなかった。
 そこで経営学部では、総代に選ばれた最優秀成績者の栄誉を讃え、その名前を刻んだプレートを経営学部教務課に飾ることを決定。プレートは、この趣旨に賛同した経営学部同窓会の寄付によるもの。
 その記念すべき1人目として名前が刻まれた金川さんは、「最初は、びっくりしました。少し恥ずかしい気持ちもありますが、大変名誉なことだと思います。プレートに恥じないように社会でも頑張りたいと思います」と話す。
 成績優秀者の名前を刻んだプレートは、これから毎年1枚ずつ増えていく。このプレートを日々見る在学生にとって学業の励みになることを大いに期待している。






 6月2日の法務省発表によると、今年度の司法試験短答式試験において、本学出身の合格者は過去最多の20名であった。昨年度は短答式試験合格者14名のうち2名が最終合格に至っている。今年度もさらなる躍進を期待したい。
 法曹・司法書士等志望者のための特別研修講座「法職課程」では、短答式試験合格者の支援(下記枠内参照)とともに、合格者枠が大きい2005年度内の現行司法試験突破を目指す講座にも力を入れている。
 さらに今年度は、司法試験制度の改革に伴い、法科大学院(ロースクール)受験対策講座も開講。特に法学未修者枠での受験には、適性試験(LSAT)や小論文試験の対策講座が有用だ。
 法職課程の諸講座は、在学生のみならず本学卒業生にも開かれており、受講料も手頃。法職課程では、「卒業生もぜひ法職課程講座を利用して」と呼びかけている。



 本学卒業生で2004年度短答式試験に合格した方に、学業奨励金として法学会より図書券を進呈します。氏名、卒業年、連絡先(住所、電話番号、E-mailアドレス)を明記の上、2004年度司法試験第2次試験(短答式)受験時の受験番号を証明できる書類のコピーとともに下記までお送りください(持参も可)。法職課程には他にも短答式試験合格者をサポートする制度があります。お気軽にお問い合わせください。

郵送先 〒612-8577
    (住所不要)龍谷大学REC京都宛
連絡先 REC京都 TEL:075-645-7892
    E-mail:rec-k@rnoc.fks.ryukoku.ac.jp






 
 理工学部物質化学科は5月、教育プログラムの審査を申請していた日本技術者教育認定機構(JABEE)から認定を受けた。化学系学科としては全国で11校目。
 JABEEは、技術系学協会と連携しながら、大学などの高等教育機関で実施されている技術者教育プログラムが、社会の要求水準を満たしているかを評価・認定する機関。
 JABEEによる審査は綿密に行なわれ、特に実地審査は3日間を費やし、教職員や3・4年生をはじめ、卒業生までもが審査員の面接を受けるなど、厳正なものであった。
 物質化学科は2001年度からカリキュラムの改善や充実に力 を注ぎ、環境や資源・エネルギー・リサイクルなど地球環境に配慮したグリーンケミストリー(環境にやさしい化学)をテーマに掲げ、理論と実践の両面から新しい物質を開発できる人材の養成を目指してきた。
 今回の認定で、プログラムを修了した卒業生(2003年度以降)は、国際的に通用する技術者に必要な基礎教育が完了した者と見なされ、科学技術に携わる技術者にとって最も権威のある国家資格「技術士」の第1次試験が免除され、同時に国家資格「技術士補」を得ることができる。
 今後も理工学部では、外部による評価制度を積極的に活用し、さらなる教育の向上に取り組んでいく。

←トップページへ戻る