座談会

就職活動を支援する キャリアサポーター1期生集合! 出会いや経験から自身の成長を実感
 “ キャリアサポーター”とは、1、2 年生が主体となって3年生の就職活動をサポートする学生参加型のキャリア開発制度である。スタートして約1年、さまざまな取り組みを経験する中で大きな成長を遂げた1期生たちに集まってもらった。司会進行はキャリア開発部課長の伊勢戸康。

(写真右から)文学部3年生 沖浦由加(おきうらゆか)さん・経済学部3年生 澤村美奈(さわむらみな)さん・経済学部3年生 矢島正規(やじままさき)さん・経営学部3年生 長岡雅央(ながおかまさお)さん・経営学部3年生 阪上かおる(さかがみかおる)さん

初めての名刺に責任感が出た
キャリア開発部がキャリアサポーターを募集したのは2003年12月でした。
まず、なぜサポーターになろうと思ったのか聞かせてください。

澤村美奈さん長岡 大学生活でいろいろな出会いを求めていました。やりたいこともたくさんあって実行していたのですが、キャリアサポーターは大学が初めて取り組む制度ということで興味を持ちました。“新しもの好き”なんです(笑)。

矢島
 僕は硬式野球部に入っていて、練習に明け暮れていました。けれど2年生の途中にケガで練習ができなくなってから就職のことを真剣に考えるようになりました。「キャリアサポーター募集」というポスターを見て、「なんやこれ?」と分からなかったけれど、1期生ということに魅力を感じて入れてもらいました。

澤村
 通学に2時間もかかるし、親が厳しいのでサークルには入っていませんでした。1、2年生の時にキャリア開発部の「自己発見プログラム」に参加して、キャリア開発ということに興味を持っていましたし、何かしたいと思っていたので友だちを誘って参加しました。

沖浦 
私は参加するのが遅くて3年生の春からで、他のメンバーから「ギリギリやな」とからかわれました(笑)。なんとなく大学生活にハリがないと感じていましたから、大宮学舎でキャリア開発部の職員さんに勧められて入りました。


阪上 友人に「学内企業セミナーの手伝いをしない?」と誘われたのがきっかけ。人と会ったり話をするのが好きなので、企業の人やサポーター仲間と出会えるのが楽しみでワクワクして参加しました。

2004年2月に開催した「学内企業セミナー」が皆さんの仕事始めだったのですが、感想はどうでしたか。

沖浦由加さん矢島 名刺を作ってもらったのがうれしかった(笑)。名刺を見て急に自覚や責任感が湧いてきました。企業とのコミュニケーションの場なのに、最初はマナーも分からなかった。ひとつずつ職員の方に教えてもらいました。各ブースの司会進行を受け持つのですが、ブースによっては100人以上の学生が集まり、特に野球部の先輩がいるとドキドキしました(笑)。人前で話すことにはだんだん慣れてきましたね。

澤村
 マイクやパソコン設定などブースのことは責任を持ってやらないといけないので大変でした。おまけにあがってしまって、企業の人にも「緊張してたね」と言われショックでした(笑)。

長岡 自主ゼミや勉強会を開いていたのでOBなどの社会人と接する機会があり、少し自信はあったのですが…。もっと学生の視点を伝えるためには、どこまで自由にやったらいいのかが課題になって勉強になりました。


大成功の自主企画に達成感
皆さんの評判はとてもいいですよ。企業の方も期待を持って見てくれています。そしてサポーターたちが企画した「ベンチャー企業トップ3セミナー」は、200人以上の学生が集まり大成功でしたね。

 
長岡雅央さん長岡 以前からあたためていたことなんです。就職について学生は「どうしよう、大変だ」とネガティブになりがちですが、楽しく働いている元気のある経営者の話を聞きたいと思ったのです。やろうよ、と提案したら皆が協力してくれた。学内の一大イベントになって、それが成功したので達成感が得られ満足しています。

阪上 集客リーダーに抜擢されたのですが、さあ、何をしようと考えた結果、口コミで広めるしかないなと。昼休みに食堂へ行って、1人ずつチラシを配って自分の言葉でアピールしました。あからさまに嫌な顔をされることもあったけど、3年生は真剣に聞いてくれました。

沖浦 広報のためにメールアドレスも聞いて回ったよね。でも女の子はなかなか教えてくれない。男の子は教えてくれる(笑)。

学生が主体的にやっていることが、きっと共感につながったのだと思いますよ。「業界勉強会」も自主的な活動でしたね。

阪上 就職活動をする上で欠かせないのが業界研究。就職のマニュアル本にも載っていますが、自分で調べてみたかった。でも、1人では大変。10人位のメンバーがそれぞれの興味のある業界を担当しました。1、2年生も一生懸命調べてくれた。皆でやって良かった、楽しかったですね。私はアパレル業界を受け持ちました。

矢島 僕は製薬会社。ある製薬会社はチームで営業活動に取り組んでいて、面白いと思いました。野球でチーム活動をやっていたので、どうしてもチームというのに惹かれる(笑)。

澤村阪神大震災を経験しているので、耐震、免震に取り組んでいる住宅業界を調べました。

沖浦 私は出版・書店を担当。インターネットで売買するオンライン書店のことが最初は嫌いだったのです。
町の本屋さんが経営危機に陥ってつぶれたりするから。でも調べていくうちに、オンライン書店の取り組みの素晴らしさも見えてきました。

好きな仕事を楽しんでしたい
皆さんもいよいよ就職活動を本格的に始める時期になりました。この1年の活動で役立ったこと、得たことは何ですか。

 
阪上かおるさん長岡 行きたい会社へ一直線より、遠回りして選ぼうと思ったけれど、業種や会社の好き、嫌いが自分の中ではっきりしましたね。特に嫌いが…(笑)。そして人と顔を合わせながら、働くイメージをつくっていけたことが良かったと思っています。就職活動は相性だ、とこれまでいわれていたことが納得できました。

矢島 会社の業務内容が思っていたのと違ってびっくりしたことがあります。野球用品のメーカーだと思っていたのに、実は物流会社だったとか。大きな発見ができて面白かった。あまり興味のなかった会社も、人事の人が素晴らしくてとても好感が持てたこともあります。この人がいる会社なら行きたいと思いました。

澤村
 私も学内企業セミナーで担当させていただいた企業に興味を持ち、エントリーしようと思っています。

阪上 会社選びの価値観が変わったよね。コマーシャルをしているような大企業しか知らなかったけど、名前も知らない企業があって素晴らしい仕事をしている。「ベンチャー企業トップ3セミナー」に来ていただいた社長さんと、今もメールのやりとりをしているのですが、その中に「仕事が楽しくて仕方がないです」という一文がありました。私もこんな風に言える仕事を見つけたいと思います。

沖浦 誰とでも話せるようになったのが収穫です。私は学内のビジネスプランコンテスト「プレゼン龍」の運営にも参加しているのですが、キャリアサポーターで知り合った企業の方に、プレゼン龍の発表会に来てくださいとお誘いすると気軽に来てくださったりする。積極的に動くと思いがけない収穫がありました。そして、どんな人がステキな人なのか、見えてきたような気がします。

阪上 そう、人を見る目ができた感じ。オーラを感じる人がいますね。

長岡 学生として見られてるか、人間として見てくれているか、も分かる。

就職活動を始めた人や後輩にメッセージはありますか。

矢島正規さん長岡 僕自身も将来をまだ煮つめきれていません。でも好き、嫌い、の好きを追求していきたい。周囲の学生は「好きなことなんてない」と言うけれど、よく聞いてみたら皆あるのです。「ガンダムが好き」という友人に、「じゃあバンダイを受けろよ」と言うと、「そんな理由でいいのか」と驚いてました。仕事って硬いイメージがあるので、好きなことが仕事になるなんて考えられない。気付かない人が多いと思うのです。自分の好きなことを大事にしてほしい。

阪上 楽しんで仕事をしている人がいっぱいいることを知らないのだと思う。私は学生時代にいろんなことをやってきました。やってみないことには判断できない。まずは何でも経験すべき。そうすると自分の価値観で将来が選べるようになる。

澤村 本当にそう。家と大学の往復だったのが、キャリアサポーターになってから学部を超えた友人ができました。いろいろなことにチャレンジしている友人の話を聞くのも楽しかった。
長岡 キャリア開発部というと硬いイメージがあるけど、職員の皆さんとも仲良くなれて気軽に相談できるようになりました。

沖浦 キャリアサポーターは活動的な人が多くて刺激をもらいました。

矢島 とにかく視野が広がりました。企業の人たちや仲間から熱い思いをもらったと感謝しています。

私たち大学の職員も皆さんの能力・意識の高さには目を見張りましたし、力を合わせてやり遂げる姿に感動させられました。キャリアサポーターとして経験したことを生かしこれからの就職活動を頑張ってください。


 龍谷大学キャリア開発部では、学生が能力と適性を磨き、希望分野への就職に向けて積極的にチャレンジできるよう、さまざまなバックアップを実施している。
 なかでも「龍谷キャリアデベロップメントスタッフ制度」は、学生参加型のキャリア開発支援プログラムで龍大独自のもの。キャリア開発部の職員とともに、行事のサポートや学生が主体的に企画・運営するイベントの開催などを通して、自らのキャリア形成にも主体的にかかわっていくのが狙い。
 1、2年生が主体となった「キャリアサポーター」は現在約60名が参加。その他、内定を得た4年生が後輩の就職活動を助言・援助する「キャリアアシスタント」、卒業生が在学生をサポートする「キャリアアドバイザー」を設けている。

龍谷大学におけるキャリア支援プログラム

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