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今号からスタートした「RYUKOKU SPORTS」は、 活躍が顕著なクラブや急成長を遂げる選手にスポットを当てる新企画。 第1回は、名将・澤田一夫監督率いる陸上競技部にズームアップ!
記録に対してどん欲になってきた 陸上競技部が今期、これまで以上の成績で好発進している。 05年4月。京都の大学間で競い合う京都インカレ(学生陸上競技対校選手権大会)で男女7種目に優勝。続く5月の関西インカレでは、女子が3種目優勝、男子は2部で総合優勝をした。全国大会でもこの勢いは止まらず、日本インカレやジュニア選手権では、女子選手が次々と優勝に輝いた。 大躍進の理由は、昨年4月に着任した澤田監督の指導にあるだろう。オリンピックや世界陸上で活躍する多くの選手を育成してきた澤田監督の龍大着任は、当時大きな話題を呼んだが、わずか2年目でこれほどの成果が出るとは……。 「手応えを感じたのは、今年の4月に入ってからでした。厳しい冬季の練習をこなして、初めてのシーズンでしたから選手たちの疲労も大きかった。しかし、思った以上に皆伸びてくれましたね」と監督は目を細める。 なんでも、それまでの龍大陸上競技部は、冬場の練習を“休みがち”だったそうだ。ところが昨年は、正月も返上して猛練習を重ね、帰省やアルバイトに明け暮れていたはずの2月には、奄美大島での合宿を決行。全日本クラスのチームと合同練習する機会にも恵まれた。 「トップランナーたちの陸上に対する取り組み方を目の当たりにして、良い影響をもらえたのでしょう。皆の目の色が違ってきました。陸上を“楽しむ”から“勝つ”へと意識が変わってきた。記録に対してどん欲になってきましたね」 ついでにいえば、監督が着任した頃は、毎日練習に来る学生すら少なかったそうだ。「全部員が顔をそろえる日は少なかったですね」と監督は、はにかみがちに笑う。
結果が出せる面白いスポーツだ 現在活躍が目立つのは、監督が自ら高校に出向いてスカウトした女子1年生のルーキーたちだが、上級生たちの成長も著しい。体が出来上がってしまっている大学時代には難しいといわれる自己タイムの更新。しかも、ベスト記録を次々と塗り替えている部員が続出している。 「澤田監督が来るまでは、各自が自分で練習メニューを決めていたので甘さがあった。多くのことを教えてもらって、陸上を生活の中心に置くことができました。どうすれば強くなれるか、食事や生活面を含めて考えて、それを守った部員は確実に強くなった」と市川剛志さんは目を輝かせる。 主将の間吾則裕さんも「一人ひとりが高い目標を持てるようになり、一丸となって練習に取り組めるようになりました。1日練習を休むと体力が落ちることも実感できます」と語る。そうした努力が実を結び、昨年2部リーグ落ちした男子だが、たった1年で1部返り咲きを果たしたのだ。中でも4種目で優勝した二木隆宏さん(国際文化学部4年生/京都府立久御山高校出身)は男子2部最優秀選手として表彰を受けた。 練習は午後4時から。ちなみに、強豪と呼ばれる大学チームでは、午後の時間はすべて練習に当てられているそうだ。「学業優先」「文武両道」の龍大の伝統はしっかりと守られている。 「まだまだ伸びます。ユニバーシアードやオリンピックも決して夢ではない。そのためには、どれだけ陸上に没頭するかが大切。陸上は365日のトレーニングを積み重ねてこそ、結果につながるスポーツ。だから面白い。やればできる、そして結果が出ることを学ぶと、生き方にも良い影響を与えますよ」と監督はまだまだ手綱を緩めない。 まだ選手層は薄いが、今秋は大学女子駅伝の全国大会に出るのが目標だそうだ。さらに来年は日本インカレで3、4種目の優勝を目指す。 ガンバレ!陸上競技部。
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