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「色」に興味がある人を対象にした 「色彩講座シリーズ」は、毎回キャンセル待ちが出るほどの人気講座。 初心者から、「色」にかかわる仕事をしている人まで、受講生は幅広い。 全4回のうちの最終講義を訪ねた。 「自分に似合う色は何色ですか」
例えば、今着ている服の色が、似合っていると褒められると、またその服を着たくなる。「色」を選ぶ際には、心理的状況や性格が大きく影響する。しかし、約60%くらいの人が、好きな色と似合う色が一致しているそうだ。 自分を綺麗に見せるためには、肌の色合い、髪の毛の色、パーソナリティ、好みの色、目の色などから一番似合いの色グループを総合的に判断し、選び出していく。今回の講座では、色やスタイルなどを「春・夏・秋・冬」の4つのカラーに当てはめて講義を進めている。 自分に似合う色を見つけるには、色布を使いながら顔色との映りを確認する方法がある。4種類(春夏秋冬)ごとに用意された布は、全40色。受講生は、鏡に自分の顔を映し、色布を胸に当てて、顔の映りの違いを確認していく。 胸に当てた色布によって、顔映りががらりと変わるのが分かると、受講生は、自分に似合う色を探そうと、次々に他の色を試していく。 「今までの人生、損をしてましたね。この色はとても綺麗に見えますよ」と色布を当てながら、松田先生は受講生に話しかける。「自分の好きな色が似合う色でない時は、アクセサリーや口紅で調整することができます」とフォローも欠かさない。 「毎回、授業では基本的なことを話していますが、必ず応用が効く形で進めています」 例えば、300枚のスライドを使って、実際の演出の方法を紹介したり、人がとらえる「色」についてのイメージをデータにし、一般の傾向も紹介していく。このようにデータや多様なパターンを見せることで、色の整理や分類が分かりやすくなるのだ。
「色」の奥深さに魅せられて 色彩講座シリーズ1から受講している原田真由美さんと正木節子さんは、1回の講座だけでは飽き足らず、もっと深く「色」のことを知りたい、という思いでこのシリーズを毎回受講している。 「いまは、家具店や洋服店へ行くのが楽しくって。講義で習ったことが頭にパッと浮かぶんです」(原田さん) 「自分の気分に合わせたり、相手や場所によって、こんな自分でありたいと意識して『色』を選ぶようになりました」(正木さん) 正木さんは、自分の部屋の壁紙がグレーだった時、精神的にしんどさを感じたという。そのことを松田先生に話すと、「あなたに合った色ではないのでは」と言われ、「壁紙の色を変えたら元気になった」と体験談を語ってくれた。 「『色』は身近にあって楽しむものです。たくさんある『色』が私たちに語りかけています。『色』の世界は楽しいし、『色』の面白さをもっと伝えていきたい」 『色』の世界は、広く、また奥深いものだ。
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