作品のテーマは自由。友情、恋愛、家族、スポーツ、勉強・・・などなど。 
全国の中学生・高校生・大学生から、青春の五七五を刻む力作がなんと約8万4000句も寄せられました。 
元文部大臣の有馬朗人先生や俳人協会理事の茨木和生先生ら現代俳壇でご活躍の先生方が厳選なる選考を行なった結果、見事に入賞を果たした作品を一挙公開します! 
 
 
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 最優秀賞 | 
 
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| 学校が遠くに見える夏休み | 
 
|    群馬県 木崎 竜介さん 群馬町立中央中学校1年 | 
 
| 【評】 | 
学校が見える所、例えば小高い所から学校を眺めているのであろうか。遠くから見る「学校」の存在とともに、夏休みの「長さ」も伝わってくる。「大人」へなっていく視点。(寺井谷子) | 
 
 
 
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 優秀賞 | 
 
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| 上ばきを洗って夏の空に干す |  
|    栃木県 星野 瑞季さん 作新学院中等部1年 |  
| 【評】 | 
週末に持ち帰って洗い、月曜日には又学校へ持参する上ばき。真白に洗い上げた上ばきを竿の端などに高々と干す。きらきらした夏の太陽も感じられ何とも清清しい。身近なところにある季節の詩を大事にしている作者。(山田弘子) | 
 
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| 卑弥呼にも私にも吹く青嵐 |  
|    神奈川県 浦田 雅子さん 清泉女学院中学高等学校2年 |  
| 【評】 | 
青嵐が吹き渡る古代史の舞台を歩きながら、邪馬台国の女王だった卑弥呼という女性を身近に感じたのだ。「青嵐」という季語がダイナミックにはたらいていて、濃い浪漫性を帯びた句になっている。(大峯あきら) |  
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| 山笑う少し大きなランドセル |  
|    広島県 佐藤 麻奈美さん 福山市立至誠中学校3年 |  
| 【評】 | 
早春の山は笑うような感じである。4月からの新学期に備えて、少し大きいランドセルを買ってもらった。うれしくてそれを背負って野原を駆けると、山がほほ笑むのであった。(有馬朗人) |  
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 入 選 | 
 
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| 残雪に志望校を書き込んだ | 
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北海道 向井 かおりさん 共和町立共和中学校3年 | 
 
| 自転車で坂を上れば天の川 | 
 
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北海道 橋本 美里さん 標茶町立標茶中学校2年 | 
 
| 焼却炉忘れ去られて草茂る | 
 
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岩手県 村上 正さん 陸前高田市立第一中学校2年 | 
 
| サクラサク始めに戻る物語 | 
 
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群馬県 北村 優勝さん 桐生市立北中学校3年 | 
 
| 台風に君の名前をつけてみる | 
 
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群馬県 唐澤 久美子さん 小野上村立小野上中学校1年 | 
 
| 短夜の湖底にねむるまりもかな | 
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|   | 埼玉県 石井 華さん 秀明中学校1年 | 
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| 大関の面構えなる甲虫 | 
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|   | 埼玉県 石川 元基さん 川越市立高階中学校3年 | 
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| 柏餅昔話を聞かされる | 
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|   | 埼玉県 濱田 皓介さん 北本市立宮内中学校1年 | 
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| 涼風がたえず吹きけり三月堂 | 
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千葉県 齊藤 佑美子さん 松戸市立新松戸北中学校3年 | 
 
| 砂山に五月雨落ちて銀閣寺 | 
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|   | 東京都 田中 博之さん 杉並区立神明中学校3年 | 
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| 水香る朝一番の山女鈞 | 
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|   | 東京都 多田 光矢朗さん 明星中学校1年 | 
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| 夕焼けを素通りしていく赤とんぼ | 
 
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大阪府 熊井 真彩さん 枚方市立中宮中学校2年 | 
 
| 風薫る商店街の散髪屋 | 
 
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兵庫県 森井 善夫さん 甲南中学校3年 | 
 
| シャープペン押すと出てくる夏の雲 | 
 
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和歌山県 漁野 水稀さん 太地町立太地中学校2年 | 
 
| 曼珠沙華土手の劇場の主演女優 | 
 
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香川県 氏原 希望さん 高松市立太田中学校2年 | 
 
| 雪の道一人歩いて振り返る | 
 
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香川県 宮西 盛義さん 高松市立桜町中学校3年 | 
 
| 顔知らぬ祖母を迎えし盆の寺 | 
 
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福岡県 向 裕之さん 古賀市立古賀北中学校3年 | 
 
 
 
 
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 最優秀賞 | 
 
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| 桜咲く高校広く門を開け | 
 
|    埼玉県 岩田 怜子さん 東京農業大学第三高等学校1年 | 
 
| 【評】 | 
高等学校の入学式に臨んだ際の作品だろうか。咲き満ちた桜が迎えてくれる校門は、大きく開かれていた。これから学ぶことへの好奇の目が輝いて見える。(茨木和生) | 
  
 
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 優秀賞 | 
 
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| 白地図に無人島あり南風 | 
 
|    東京都 浜崎 厚徳さん 開成高等学校3年 | 
 
| 【評】 | 
日本列島の周辺の白地図か、もっと南の地方の白地図か。その白地図に無人島が描かれている。それに色をつけようとすると南風が吹いてきた。明るさと楽しさのある句。南風がよい。(有馬朗人) | 
 
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| 塩を吹く実習服や夜盗虫 | 
 
|    岡山県 赤田 勇樹さん 岡山県立興陽高等学校3年 | 
 
| 【評】 | 
「夜盗虫」によって、農業にかかわる実習であろうということが想像できる。「塩を吹く」によって、暑い夏の夜の厳しい実習体験と耐える力を思う。(寺井谷子) | 
 
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| 初雪に病の子規を思ひけり | 
 
|    愛媛県 野間 菜津子さん 愛媛県立伯方高等学校2年 | 
 
| 【評】 | 
初雪が美しく降った日、すぐさま病の子規のことを思った。「いくたびも雪の深さを尋ねけり」という名句を思ったことは云うまでもない。「雪の日に」ではなく「初雪に」といったところに悲しみが出ている。(大峯あきら) | 
 
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 入 選 | 
 
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| 仏像の掌厚し春の空 | 
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青森県 木村 聡さん 青森県立三本木高等学校3年 | 
 
| 大きめの湯呑み茶碗や春の空 | 
 
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青森県 木村 聡さん 青森県立三本木高等学校3年 | 
 
| 早春や木の仏像の重きこと | 
 
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青森県 木村 聡さん 青森県立三本木高等学校3年 | 
 
| 虹の根を見に行くという子供たち | 
 
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山形県 金子 隆明さん 国立鶴岡工業高等専門学校2年 | 
 
| 霞から浮かびあがって吾妻山 | 
 
|   | 山形県 鈴木 剛さん 国立鶴岡工業高等専門学校2年 | 
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| 薔薇の香の少女の影に出会ひたり | 
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|   | 茨城県 石塚 直子さん 茨城県立下館第一高等学校3年 | 
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| 先生が小走りに来る夏野かな | 
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|   | 茨城県 大山 真以さん 茨城県立下館第一高等学校3年 | 
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| 夕立は止まず「檸檬」を読み返す | 
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|   | 茨城県 大山 真紀子さん 茨城県立下館第一高等学校3年 | 
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| 憂鬱と書いては消して夏期講習 | 
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|   | 埼玉県 岩田 怜子さん 東京農業大学第三高等学校1年 | 
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| 鶏頭や縄文土器の出土せる | 
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|   | 千葉県 森田 貴之さん 開成高等学校1年 | 
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| 油絵の濃淡強し冬の蝶 | 
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|   | 千葉県 森田 貴之さん 開成高等学校1年 | 
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| 万緑や馬は鬣休ませて | 
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|   | 東京都 岩田 真之介さん 開成高等学校1年 | 
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| アルプスヘ一直線の青田道 | 
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|   | 岐阜県 今川 聖也さん 岐阜県立高山工業高等学校3年 | 
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| 秋桜すこし危ふき熱気球 | 
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|   | 三重県 山口 淳也さん 高田高等学校3年 | 
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| 満天の星や祇園のふえの音 | 
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京都府 岡田 宗治さん 東山高等学校1年 | 
 
| ハンカチをひろげ本日誕生日 | 
 
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大阪府 塩谷 紘世さん 大阪府立吹田東高等学校3年 | 
 
| 鉄棒の冷たき春や卒業す | 
 
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大阪府 山崎 素代さん 大阪府立泉陽高等学校3年 | 
 
| コンタクト急に痛くて芋嵐 | 
 
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岡山県 渡邊 春香さん 岡山県立興陽高等学校3年 | 
 
| ケシゴムの角なくなりて秋が来る | 
 
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広島県 山岡 俊作さん 崇徳高等学校2年 | 
 
| 狐火や誰に電話をしているか | 
 
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愛媛県 中津 由貴さん 愛媛県立松山東高等学校3年 | 
 
| 教科書の落書や鳥雲に入る | 
 
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愛媛県 脇本 愛美さん 愛媛県立伯方高等学校3年 | 
 
| 鳥雲に靴紐結び直しけり | 
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|   | 愛媛県 脇本 愛美さん 愛媛県立伯方高等学校3年 | 
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 最優秀賞 | 
 
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| ががんぼや大正といふ時代あり | 
 
|    大阪府 中山 奈々さん 龍谷大学1年 | 
 
| 【評】 | 
明治生まれの人が少なくなった今では、大正は遠くなった時代である。明治や昭和のような戦争もなく、比較的自由で、短かった大正時代のイメージを、夏の夕方、障子などに来る、頼りない虫を配してうまく据えた句。(大峯あきら) | 
  
 
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 優秀賞 | 
 
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| 糸瓜忌や色鉛筆を並べつつ | 
 
|    京都府 西川 修一郎さん 龍谷大学3年 | 
 
| 【評】 | 
糸瓜忌は9月19日、俳人正岡子規の忌日である。作者は、子規の晩年を思いやって、スケッチをしようとしたのか。「色鉛筆を並べつつ」に思いがこもっている。(茨木和生) | 
 
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| 愛ほろぶごと野茨にかこまれる | 
 
|    大阪府 蛯原 由衣さん 梅花女子大学短期大学部1年 | 
 
| 【評】 | 
白く可憐な花をつける野茨。花の香りに包まれながら、作者は「愛ほろぶごと」という強い感情の中に居る。茨の鋭い刺が読者に迫ってくる。(寺井谷子) | 
 
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| 玄関まで母のパンの香梅雨上る | 
 
|    福岡県 高倉 圭衣子さん 九州栄養福祉大学1年 | 
 
| 【評】 | 
「ただいま」と玄関を入るとプーンと母の焼く香ばしいパンの匂いがしてきた。急に空腹を覚えた。「梅雨上る」という季節感とパンの香がとても感覚的で素晴らしい。母への賛歌でもある。(山田弘子) | 
 
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 入 選 | 
 
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| 香水や瞳の黒の深かりし | 
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神奈川県 鈴木 紫方さん 横浜市立大学2年 | 
 
| Barの灯のようやく消えてぼたん雪 | 
 
|   | 
神奈川県 鈴木 紫方さん 横浜市立大学2年 | 
 
| 頬骨を折ってもノック受ける夏 | 
 
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長野県 水野 友佳梨さん 信州豊南短期大学2年 | 
 
| 「夏」の一字は最短の少年詩 | 
 
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京都府 成井 藤彦さん 京都産業大学3年 | 
 
| 君のこと気になりだしてソーダ水 | 
 
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京都府 渡部 類さん 同志社女子大学4年 | 
 
| ひぐらしの声の中より鳳凰堂 | 
 
|   | 京都府 通円 佳那子さん 立命館大学3年 | 
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| この道に突っ立ったまま原爆忌 | 
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|   | 京都府 西川 修一郎さん 龍谷大学3年 | 
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| 歳時記は鞄の中に天の川 | 
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|   | 京都府 西川 修一郎さん 龍谷大学3年 | 
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| 待つだけの菫になりはしないから | 
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|   | 京都府 綿貫 明日香さん 佛教大学3年 | 
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| 君の国では夕焼けの見えるころ | 
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|   | 京都府 綿貫 明日香さん 佛教大学3年 | 
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| 竹の秋光と影が混じり合う | 
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|   | 
大阪府 石川 公美子さん 梅花女子大学短期大学部1年 | 
 
| 図書館の催しに百物語 | 
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大阪府 中山 奈々さん 龍谷大学1年 | 
 
| 鰯雲ショパンの恋の相手かな | 
 
|   | 
大阪府 中山 奈々さん 龍谷大学1年 | 
 
| 凍星やいづれ師恩に応へむと | 
 
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奈良県 杉田 菜穂さん 大阪市立大学大学院2年 | 
 
| 鴬が鳴けば青空高くなる | 
 
|   | 
岡山県 杉山 祐樹さん 岡山県立大学短期大学部1年 | 
 
| 消火器の赤眩しくて夏きざす | 
 
|   | 
愛媛県 洲野戸 唯さん 岡山大学1年 | 
 
| 雲の峰牛乳瓶を並べけり | 
 
|   | 
愛媛県 洲野戸 唯さん 岡山大学1年 | 
 
| 夕立の雲の裂目や鬼瓦 | 
 
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愛媛県 赤瀬 徹晃さん 岡山理科大学1年 | 
 
| 夜の秋風に乗りたるピアノかな | 
 
|   | 
愛媛県 馬越 さやかさん 松山コンピュータ専門学校1年 | 
 
| 建具屋の祖父の指先極暑かな | 
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|   | 愛媛県 野間 友喜奈さん 松山東雲短期大学1年 | 
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| 黄昏の祭囃子に並ぶ影 | 
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|   | 福岡県 水本 久美子さん 九州栄養福祉大学1年 | 
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| 弟と並んで見ている蝉の穴 | 
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|   | 福岡県 山本 周さん 九州栄養福祉大学1年 | 
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| 春立てり恋愛運は最下位に | 
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|   | 熊本県 坂本 千穂さん 崇城大学2年 | 
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| 父の手のオイルの匂ひ秋の風 | 
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|   | 熊本県 戸高 貴子さん 総合ビジネス専門学校1年 | 
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 最優秀賞 | 
 
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from a crack of concrete 
the green grass grows 
shaking slowly, silently, secretly |  
|    兵庫県 中村 秩祥子さん | 
 
| 【評】 | 
最終行の“s”の音がそよぐ風にそっと揺れる草の響きを作り出している。一片の草の生命力が、植物を育てる苗床ではありえないコンクリートから命をはぐくむ様子を繊細な感覚で捉えた作品。(ウルフ・スティーブン) | 
  
 
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 優秀賞 | 
 
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the stickers on the chestnut prick my
hand 
but if I peel it, 
it becomes tasty  | 
 
|    京都府 西田 絵美さん 龍谷大学1年 | 
 
| 【評】 | 
痛みと喜びを栗で巧みに表現した句。外側に見えるものによって物事を判断し、拒否してしまい、その中に存在する美しさや喜びを見失ってはいけないという警告の意味もあるのだろう。(ウルフ・スティーブン) | 
 
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under the shining sun 
shoots are growing 
to bloom original flowers | 
 
|    兵庫県 中山 堅太さん 龍谷大学1年 | 
 
| 【評】 | 
太陽の力を得て、芽はそのものらしさを身に付けて開花へと向かう。それぞれの花、植物、草の葉が奇跡にも似た過程を経て、それぞれの独自性を持った姿を見せることを表現した句。(ウルフ・スティーブン) | 
 
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like the moon in the lake 
now I cannot accept other lights 
to my heart | 
 
|    奈良県 中西 花子さん 龍谷大学1年 | 
 
| 【評】 | 
特別な思いを抱く人を月になぞらえたロマンティックな作品。どんな星でさえもその月ほどに明るく心打つ光を放つ事はできない。月の光が湖面を照らす時、特別な人は彼女の心の中で強く輝く。(ウルフ・スティーブン) | 
 
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 入 選 | 
 
  |  
 
at the shrine 
the cry of cicadas 
recalling his haiku  | 
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山形県 長岡 亮さん 国立鶴岡工業高等専門学校2年 | 
 
who is strong? 
a person who understands 
the feelings of the weak?  | 
 
|   | 
埼玉県 阿部 眞奈美さん 入間市立豊岡中学校2年 | 
 
open the closet 
remember the mingling wood and dust 
the smell of hide and seek | 
 
|   | 
長野県 Sarah Jeffriesさん | 
 
unexpected defeat 
hold back my tears and smile 
my final match  | 
 
|   | 
愛知県 佐藤 仁美さん 愛知県立幸田高等学校1年 | 
 
light and sound of a gentle stream 
in the woods 
bugs' paradise  | 
 
|   | 
愛知県 山中 悠矢さん 愛知県立幸田高等学校1年 | 
 
Don't be beaten, fireflies, 
by the flood of light 
from cellphones  | 
 | 
 
|   | 滋賀県 若城 啓子さん | 
 | 
 
I will never forget that day 
we told our dreams to each other 
under the cherry blossoms | 
 | 
 
|   | 滋賀県 中村 奈津子さん 龍谷大学1年 | 
 | 
 
hide and seek 
only fullmoon 
and me  | 
 | 
 
|   | 滋賀県 西堀 恵子さん 龍谷大学4年 | 
  | 
 
the storm has passed 
fish swim against the current 
glitter of ripples  | 
 
|   | 
京都府 島田 一子さん | 
 
shooting star!  
where do you come from? 
what's your home like?  | 
 
|   | 
京都府 高本 育実さん 龍谷大学1年 | 
 
I was thinking... 
and I'm still thinking now... 
how to write a good haiku  | 
 
|   | 
京都府 寺林 智人さん 龍谷大学1年 | 
 
in the rain 
my cheeks are wet 
with sorrow | 
 
|   | 大阪府 冨田 賢男さん 龍谷大学1年 | 
 | 
 
when my little brother practices riding a bicycle 
while I just watch 
my palms are sweating  | 
 
|   | 大阪府 中吉 桃子さん 龍谷大学1年 | 
 | 
 
dear green apples― 
be juicy and sweet 
and also have hard cores!  | 
 | 
 
|   | 兵庫県 中村 秩祥子さん | 
 | 
 
discussion on welfare 
grew heated 
fiery sunset | 
 | 
 
|   | 
奈良県 杉田 菜穂さん 大阪市立大学大学院2年 | 
 
class reunion 
you don't change! 
is it bad or good? | 
 | 
 
|   | 奈良県 森木 美保子さん | 
 | 
 
baby on the floor 
with a tiny snore 
happy afternoon  | 
 | 
 
|   | 長崎県 福田 大一郎さん | 
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■有馬朗人選 
 狐火や誰に電話をしているか 
  愛媛県 中津 由貴さん 愛媛県立松山東高等学校3年 
【評】狐火がぽつぽつと点ったり消えたりする。それを誰か友だちに電話をしているのだとみたところが面白い。童話のような想像がよい。狐火らしい雰囲気が生み出されている。 
■茨木和生選 
 凍星やいづれ師恩に応へむと 
  奈良県 杉田 菜穂さん 大阪市立大学大学院2年 
【評】凍星は「冬の星」の傍題季語である。星粒も大きく、きらめきも強い星座を仰ぎながら、今の自分の存在を思っての決意が「いづれ師恩に応へむと」である。 
■ウルフ・スティーブン選 
 虹の根を見に行くという子供たち 
  山形県 金子 隆明さん 国立鶴岡工業高等専門学校2年 
【評】大人たちは虹の出ている所を探すなんて不可能で馬鹿げたことと感じるだろうが、子どもたちはまだ人生に対しての畏敬の念を抱き、大人が諦めてしまったような夢を追いかけるのである。 
■大峯あきら選 
 君の国では夕焼けの見えるころ 
  京都府 綿貫 明日香さん 佛教大学3年 
【評】西国にある故郷へ帰省している人のことを思いやった句であろう。さっきまで作者の頭上の空を染めていた夕焼がさめて、あたりにはうっすらと夕闇が漂い始めている。西国にいる君は、今頃はちょうど、その夕焼を見ている頃だ。 
■寺井谷子選 
 ひまわりや大学生の姉に似て 
  徳島県 大西 英里奈さん 池田町立池田中学校3年 
【評】夏休みに帰って来た大学生の姉は、たった3ヶ月の間に向日葵の花のように、まぶしい存在になっていた。元気な向日葵の花と生き生きとした姉の姿。妹としての誇らしい思い。 
■山田弘子選 
 料理本取り出してみる秋の朝 
  三重県 西村 典子さん 三重県立宇治山田商業高等学校3年 
【評】肌に触れる風に秋を感じた朝、久しぶりに料理の本を取り出し、今日は私が台所でお料理を…と考えた作者。爽やかな秋の休日が始まろうとしている。 
■中学生部門 
  宮城県 美里町立小牛田中学校 
  埼玉県 北本市立宮内中学校 
  千葉県 昭和学院秀英中学校 
  東京都 創価中学校 
  兵庫県 神戸市立岩岡中学校 
■高校生部門 
  茨城県 茨城県立下館第一高等学校 
  広島県 崇徳高等学校 
  愛媛県 愛媛県立伯方高等学校 
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有馬朗人 
元文部大臣。科学技術館館長。物理学者。俳誌「天為」主宰。 
 多くの若い人々が日本文化の精華の一つである俳句に関心を持っていることを心強く思う。龍谷大学「第3回」青春俳句大賞への応募作品には、力作が多くあったが、今年は高校生が特に良かったと思う。応募者の皆さん、特に受賞者として選ばれた諸君が、今後も俳句に興味を持ち続け、将来俳人として活躍してくれることを期待している。 |  
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茨木和生 
俳人協会理事。大阪俳句史研究会代表理事。俳誌「運河」主宰。 
 予選も担当したが、特に中学生部門で、教科書に出ている有名俳人の句をそのまま投稿したものが何例かあった。国語の先生の指導による投稿が多いと思われるが、もう一歩踏み込んだ指導があれば、生徒たちは、自分の発見を、感動を自身の言葉で表現してくれるものと確信している。学校生活を、家庭での暮らしを詠んだ中学生らしい、高校生らしい作品が多くあり、選句をしながらうんうんとうなずいた。大学生の作品はこれまでで一番充実していた。高校時代に投句していた生徒が、大学に進学して作品を応募しているが、継続して作句している成果がよく現れていた。 |  
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ウルフ・スティーブン 
龍谷大学国際文化学部助教授。芭蕉らの俳句の翻訳を手掛ける。 
 若い人々の俳句の選考にかかわれたことは大きな喜びである。回を重ねる度に驚く事は、中学生、高校生、大学生の俳句の質が非常に高いことだ。これらの俳句は、彼らの感情、関心事、経験を物語っている。伝統的な主題や表現法を大切にする句もあれば、また新たな現代的な声に満ちた句もある。おとなしく恥ずかしがりやの生徒たちが、普段は心に秘めているような感情や思考を、俳句の中に思いっきり表現しているように思えた。 |  
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大峯あきら 
元龍谷大学文学部教授。大阪大学名誉教授。哲学者。同人誌「晨」代表。 
 本賞もこれで3回目。年々に作品のレベルは明らかに向上してきたと思う。特に今回、選評に取り上げた句などは、若々しい感受性にあふれているだけでなく、詩情の質も高く、専門俳人たちの作と比べて、少しも見劣りがしない。将来が大いに期待される。一つだけ残念なことを書かねばならない。それは中学生部門の投句の中に、現代俳人のすでに古典的となっているような作品が何句か混ざっていたことである。自分が作った句を出してほしい。 |  
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寺井谷子 
現代俳句協会副会長。俳誌「自鳴鐘」副主宰。 
 第3回を終えて、回を追うごとに充実してくる作品群に感動している。第1回には中学や高校の作品の方が、短大・大学の作品より充実しているとの声も大きかったのであるが、その中学・高校の力が大学の充実に移行してきているのであろう。「俳句」という、世界で最も短い詩形に、楽しそうに取り組んでくれている思いが伝わってきて、うれしいことであった。 |  
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山田弘子 
日本伝統俳句協会理事。俳誌「円虹」主宰。 
 回を追うごとに作品のレベルの向上には目を見張るものがある。ことに感心したのは「短大・大学生部門」の作品の進歩は目覚しいものがあった。主観にウエイトがかかった従来の作品と違い、しっかり自然に目を向け、しかも言葉の広がりもあり、若々しい感覚の作品に仕上がっていて頼もしい限りだ。季語の使い方にも大きな変化が見受けられる。上位のものはどれが最優秀賞に選ばれてもいい作品だったと思う。 |  
 
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