龍谷 2006 No.61
RYUKOKU SPORTS 端艇部 めざせ、大学日本一!コーチング体制を強化して、さらにステップアップ

1895年創部という長い歴史を誇る端艇部は龍大屈指の強豪クラブ。
主体性を重んじる龍谷スピリッツはそのままに、今季はコーチング体制を強化し、
一層のステップアップをめざす。ピタリと合わせた照準は“大学日本一”だ。

選手を支えるマネージャーも加わって全員集合。
選手を支えるマネージャーも加わって全員集合。
上下関係のない家族的な雰囲気も龍大端艇部の伝統だ。

瀬田川で練習をする男子舵手付フォア。日頃の練習も真剣そのもの。
瀬田川で練習をする男子舵手付フォア。日頃の練習も真剣そのもの。
左から、岡崎弘和さん(経済学部1年生)、湯浅篤さん(経済学部3年生)、竹田哲朗さん(社会学部3年生)、松浦未來さん(経済学部3年生)。
今季、朝日レガッタ大健闘で好スタート
 「キャッチ、ロー」「キャッチ、ロー」のかけ声とともに、静かな水面を進む幾艇ものボート。まるで青春映画の一コマを観ているような光景が広がる。
 近江八景の一つ、瀬田の夕照≠ナ名高い瀬田の唐橋界隈は、様々なボート大会が開かれ、龍大をはじめ京大、同志社、立命館の艇庫がズラリと並ぶ日本屈指のボートの拠点だ。
 ボートのシーズンは、春から秋にかけて。その幕開けを告げる全国レベルの大会「朝日レガッタ」が5月に開催され、龍大は女子舵手付クォドルプルで優勝、男子舵手付フォアで準優勝。さらに女子シングルスカルも4位と大健闘し、幸先の良いスタートを切った。
 関西ではトップクラスの戦績を誇る龍大だが、今季、狙うのはズバリ「全日本大学選手権」(インカレ)での優勝だ。強豪ひしめく関東勢に対抗するため、若い指導者やスタッフが加わり、コーチング体制を強化。大きくステップアップしようとしている。
 「高校時代から活躍してきた学生がほとんどなので、みんな自分にプライドを持っています。しかし、それがレベルアップの障害になることもある。まずは一人ひとりとコミュニケーションをとって、強くなるためのサポートをしていきたい」と力強く語る今村洋亮監督。また、藤澤功治コーチは「もともと龍大には、主体性を大切にしてきた伝統があります。さらに的確な指導法をプラスすると伸びるのは間違いない」と話す。
 それぞれ32歳、27歳という新指導者は、輝かしい成績を残した龍大OBでもあり、部員にとってはお兄さんのような存在。現在も自らオールを握って漕いでいるだけに、選手の気持ちに沿った指導が期待されている。

少ない部員、短い練習時間を克服
 「大学日本一は手の届くところにある」とコーチ陣が太鼓判を押す龍大端艇部だが、いくつかの課題もある。
 まずは人材の確保。現在の選手数は男子19人、女子13人。100人を越える大所帯のところも多い他大学に比べて、選手層ははるかに薄い。さらに、1986年に建てられた艇庫兼合宿所は狭く、老朽化が気になるところ。艇の不足も深刻で、練習環境の整備も急がれる。
 また、これは龍大の長所でもあるが、強豪と呼ばれる他大学に比べて練習時間がはるかに短い。というのも「学業優先」「文武両道」を貫くため、早朝練習のための合宿は週3日だけ。種目ごとに集合して行なわれる日々の練習も大学の講義が終わった後と決められているからだ。
 「限られた時間の中で強くなるために何ができるかを考えていきたい。選手一人ひとりは何を克服すべきかを十分に理解している。それを行動に移せるかどうかにかかっています」と今村監督。
 全日本大学選手権大会、全日本新人選手権大会に向けて、いよいよラストスパートをかける龍大端艇部。今季の結果に熱い期待が集まっている。

速報!!第33回全日本大学選手権で3種目入賞
日本中の大学が結集し、トップを競い合う「インカレ」。「めざせ日本一」を合い言葉に、8月24日〜27日にかけて埼玉・戸田オリンピックコースで熱戦を繰り広げた。
○男子舵手無しペア 準優勝
 西原昌宏さん(経営学部2年生)
 徳田景利さん(経済学部4年生)
○女子舵手付クォドルプル 4位
 村上京子さん(社会学部3年生)
 御手洗佳奈さん(文学部4年生)
 有働由樹さん(社会学部2年生)
 高山 南さん(国際文化学部3年生)
 法事庵博子さん(経営学部4年生)
○女子ダブルスカル 7位
 櫻井春菜さん(社会学部1年生)
 三谷未果さん(国際文化学部2年生)

女子舵手付クォドルプル 女子舵手付クォドルプル
皆を引っ張るお母さん的存在の高山 南さん(国際文化学部3年生・左から2人目)は「練習は厳しく、普段は仲良く。メリハリがあるのが龍大の魅力」。ムードメーカーの有働由樹さん(社会学部2年生・左から3人目)は「みんなでひとつの目標に向かって突き進むのが快感」。2人は朝日レガッタの優勝コンビだ。また同大会で4位入賞の有望新人、櫻井春菜さん(社会学部1年生・左)は「練習した分、結果につながるのがうれしい」。一番右は寡黙に闘志を燃やす新人、廣瀬紫保さん(文学部1年生)。

朝日レガッタ男子舵手付フォア準優勝メンバー
次期キャプテンの竹田哲朗さん(社会学部3年生・中央)「後ろ向きに進むスポーツだから、勝っている時は相手の背中が見えて最高!」、コックス(舵取り)の佐古亮史さん(社会学部2年生・右)「完全合宿をしている関東勢に文武両道の龍大から勝負を挑みたい」、井出健二さん(経済学部2年生・左)「のびのびと活動しているのが龍大の良さ。練習を積んで早く大学日本一になりたい」。
朝日レガッタ男子舵手付フォア準優勝メンバー

英国ウエストミンスター大学からの交換留学生ディエゴ・カサグランデさん(ブラジル) 英国ウエストミンスター大学からの交換留学生ディエゴ・カサグランデさん(ブラジル)
ボート経験は少ないが抜群の体力でメキメキ上達。すぐにシングルスカルも乗りこなせるようになった。「私とボートと水の一体感が魅力」と人懐こい笑顔で語ってくれた。

こんな活動もしています
 端艇部は地域社会との交流も積極的で、毎年、夏には公開講座で「親子レガッタ教室」を開催。初めてボートに乗る子どもたちを部員がやさしく指導、ボートの楽しさを伝えている。また、毎年恒例となった「龍谷レガッタ」(12月3日〈日〉開催予定)は5人1組で誰でも参加できる。「皆さんもぜひ、一緒にボートを楽しみましょう!」と端艇部。「龍谷レガッタ」の詳細は端艇部(電話:077-537-6069)まで。

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